ホラーの詰め合わせ

斧鳴燈火

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その他

足音

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私はとあるアパートの2階に独り暮らししていました。
独り暮らしをしていて気になるのが音です。
特に天井からの音。
午後9時になると何時も決まって足音が聞こえてきます。バタバタと歩き回る音。
それがとても気になるのです。
音はリビングから寝室に向けて走り寝室でグルグルと走り続けています。それが30分ほどするとピタリと音が止むのです。それが毎日のよう続きました。

その日はいつもと違いました。
ピンポーンと玄関のチャイムが鳴ります。
何度も何度も。何度もチャイムを押されました。
恐る恐る玄関ドアの覗き穴を覗くと髪の長い女性が立っています。
あっ!と心の中で動揺しました。
気配に気がついたのか「あの~」とドア越しに大きな声で話しかけてきます。
「近所迷惑なんですけど!」
女性は自分の下の階の部屋の住人でした。
その人は部屋の中を走りまわる音がうるさいと苦情を言いにきたのです。
私は音は自分ではないことを告げると、部屋の中に彼女を通しました。
私達は上を見上げます。
天井ではまだ部屋を走り続ける音が続いていました。このアパートは二階建てなのです。
上に部屋はありません。
彼女のゾッとした顔を見たら少し安心しました。
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