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交易都市ラグリージュへ赴いちゃう、ぽっちゃり
第233話 お掃除に感激しちゃう、ぽっちゃり
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急ぎ足でお弁当屋さんの店舗まで向かうと、店先に見慣れない女の子が二人いた。
赤色と青色の髪をした、三つ編みお下げの少女たち。
見た目は瓜二つで、誰がどう見ても双子であることは明らかだ。
唯一明確に違うポイントは髪色だけど、もし染髪とかされたらまだ出会って日が浅いわたしにはどっちがどっちか分からなくなってしまうだろう。
そんな双子の見習いコックである二人はわたしの目の前で挨拶と共に深々と頭を下げている。
そのような敬われる態度に慣れていないわたしは、少し上擦った声で返す。
「こ、これはご丁寧にどうも。わたしはコロネって言います。えっと、アリアちゃんとイリアちゃん、で合ってるかな?」
「はいっ! 私がアリアです!」
「わ、私がイリア、です……!」
アリアちゃんとイリアちゃんが同時に頭を上げて元気よく答えてくれた。
赤髪の三つ編みがアリアちゃんで、青髪の三つ編みがイリアちゃんだね。
よし、覚えたぞ。
お互いに自己紹介も済ませたところで、横から聞き慣れた声が響いた。
「あっ、コロネお姉ちゃんだー!」
「ほんまや! ようやっとご主人が来てくれたで!」
お弁当屋さんの横の路地から、わいちゃんを抱っこしたナターリャちゃんが飛び出してくる。
二人ともほっぺや体の一部が土や煤のようなもので汚れていた。
いや、二人ともそんな所から出てきて何してたの!?
「ナ、ナターリャちゃん! それにわいちゃんも! どうしてそんなに汚れてるの!?」
「え? あ、ほんとだ。わいちゃんのもふもふの体に泥がついてるよ」
「ナターリャはんも袖とか靴とかちょっと汚れてまっせ」
「あのー、それで二人は一体なにを……?」
置いてきぼりを食らっているわたしに対し、アリアちゃんが手を上げた。
「はい! 私の方から説明させていただきます! あちらのナターリャちゃんとわいちゃんは掃除を手伝ってくれていたんです!」
「え、掃除?」
「そうです! 最初はオーナーであるコロネさんがいらっしゃるまで私とイリアの二人で迷惑にならない程度に店先のお掃除などをしておこうと思っていたんです。そうしてイリアとお掃除をしていると、突然ナターリャちゃん達が話しかけてきてくれて――」
「そ、それで、事情を説明したらナターリャちゃんとわいちゃんも私たちと一緒にお掃除を手伝うと言ってくれて……。今の今まで私たち四人でお店を綺麗にしていたんです」
「私たちはこのお店のことは全く分からないので、万が一にもご迷惑にならないようあまり店舗には触れずその周辺を掃き掃除などしていました! その代わりに、ナターリャちゃんとわいちゃんがお店の外側のお掃除を買って出てくれたんです!」
「な、なるほど。そういうことだったのか」
そう言えばドルートさんからの伝言の中に、もしオーナーであるわたしの到着が遅れた場合は店先の掃除でもするようにと派遣する二人に申し付けたとか言ってあったような。
それでアリアちゃんとイリアちゃんはドルートさんとの言い付けを守ってわたしのお店の周囲を綺麗に掃いてくれていたんだね。
よく見てみるとお店の入り口の横に二本の箒が立て掛けられている。
二人はきっとあれを使って掃除してくれたのだろう。
多分わたしのお店に掃除用品とかなかったような気がするから、アリアちゃんとイリアちゃんの私物を持参してくれたのかな?
ともあれ、これでナターリャちゃんとわいちゃんが汚れている理由も分かった。
「アリアちゃんとイリアちゃん、それにナターリャちゃんとわいちゃんも、掃除してくれてありがとね!」
「これくらい当然ですっ!」
「い、いえ、せめてものお礼ですから……!」
「全然大丈夫だよコロネお姉ちゃん! 昨日よりもピカピカになってもっと良いお店になったよ!」
「わいも微力ながら手伝わせてもらいましたで! 魔法を使うて掃除させてもらいましたが、ええ感じの訓練になりましたわ!」
四人がそれぞれの返答をしてくれる。
みんな優しい子たちばっかりでわたしは嬉しいよ……!
健気に掃除をしてくれていたみんなに感謝しつつ、わたしは一区切りつけるように、パンッ! と、手を叩いた。
「それじゃあ、いつまでも店前で話してるのもなんだし、続きはお店の中で聞いちゃおうか! アリアちゃんとイリアちゃんも、遠慮なく入ってきてね!」
その言葉にみんなが、わーい! と喜んでくれる。
わたしはアイテムボックスから店の鍵を取り出し、かけていたロックを外して全員を店内にお招きするのだった。
赤色と青色の髪をした、三つ編みお下げの少女たち。
見た目は瓜二つで、誰がどう見ても双子であることは明らかだ。
唯一明確に違うポイントは髪色だけど、もし染髪とかされたらまだ出会って日が浅いわたしにはどっちがどっちか分からなくなってしまうだろう。
そんな双子の見習いコックである二人はわたしの目の前で挨拶と共に深々と頭を下げている。
そのような敬われる態度に慣れていないわたしは、少し上擦った声で返す。
「こ、これはご丁寧にどうも。わたしはコロネって言います。えっと、アリアちゃんとイリアちゃん、で合ってるかな?」
「はいっ! 私がアリアです!」
「わ、私がイリア、です……!」
アリアちゃんとイリアちゃんが同時に頭を上げて元気よく答えてくれた。
赤髪の三つ編みがアリアちゃんで、青髪の三つ編みがイリアちゃんだね。
よし、覚えたぞ。
お互いに自己紹介も済ませたところで、横から聞き慣れた声が響いた。
「あっ、コロネお姉ちゃんだー!」
「ほんまや! ようやっとご主人が来てくれたで!」
お弁当屋さんの横の路地から、わいちゃんを抱っこしたナターリャちゃんが飛び出してくる。
二人ともほっぺや体の一部が土や煤のようなもので汚れていた。
いや、二人ともそんな所から出てきて何してたの!?
「ナ、ナターリャちゃん! それにわいちゃんも! どうしてそんなに汚れてるの!?」
「え? あ、ほんとだ。わいちゃんのもふもふの体に泥がついてるよ」
「ナターリャはんも袖とか靴とかちょっと汚れてまっせ」
「あのー、それで二人は一体なにを……?」
置いてきぼりを食らっているわたしに対し、アリアちゃんが手を上げた。
「はい! 私の方から説明させていただきます! あちらのナターリャちゃんとわいちゃんは掃除を手伝ってくれていたんです!」
「え、掃除?」
「そうです! 最初はオーナーであるコロネさんがいらっしゃるまで私とイリアの二人で迷惑にならない程度に店先のお掃除などをしておこうと思っていたんです。そうしてイリアとお掃除をしていると、突然ナターリャちゃん達が話しかけてきてくれて――」
「そ、それで、事情を説明したらナターリャちゃんとわいちゃんも私たちと一緒にお掃除を手伝うと言ってくれて……。今の今まで私たち四人でお店を綺麗にしていたんです」
「私たちはこのお店のことは全く分からないので、万が一にもご迷惑にならないようあまり店舗には触れずその周辺を掃き掃除などしていました! その代わりに、ナターリャちゃんとわいちゃんがお店の外側のお掃除を買って出てくれたんです!」
「な、なるほど。そういうことだったのか」
そう言えばドルートさんからの伝言の中に、もしオーナーであるわたしの到着が遅れた場合は店先の掃除でもするようにと派遣する二人に申し付けたとか言ってあったような。
それでアリアちゃんとイリアちゃんはドルートさんとの言い付けを守ってわたしのお店の周囲を綺麗に掃いてくれていたんだね。
よく見てみるとお店の入り口の横に二本の箒が立て掛けられている。
二人はきっとあれを使って掃除してくれたのだろう。
多分わたしのお店に掃除用品とかなかったような気がするから、アリアちゃんとイリアちゃんの私物を持参してくれたのかな?
ともあれ、これでナターリャちゃんとわいちゃんが汚れている理由も分かった。
「アリアちゃんとイリアちゃん、それにナターリャちゃんとわいちゃんも、掃除してくれてありがとね!」
「これくらい当然ですっ!」
「い、いえ、せめてものお礼ですから……!」
「全然大丈夫だよコロネお姉ちゃん! 昨日よりもピカピカになってもっと良いお店になったよ!」
「わいも微力ながら手伝わせてもらいましたで! 魔法を使うて掃除させてもらいましたが、ええ感じの訓練になりましたわ!」
四人がそれぞれの返答をしてくれる。
みんな優しい子たちばっかりでわたしは嬉しいよ……!
健気に掃除をしてくれていたみんなに感謝しつつ、わたしは一区切りつけるように、パンッ! と、手を叩いた。
「それじゃあ、いつまでも店前で話してるのもなんだし、続きはお店の中で聞いちゃおうか! アリアちゃんとイリアちゃんも、遠慮なく入ってきてね!」
その言葉にみんなが、わーい! と喜んでくれる。
わたしはアイテムボックスから店の鍵を取り出し、かけていたロックを外して全員を店内にお招きするのだった。
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