ぽっちゃり無双 ~まんまる女子、『暴食』のチートスキルで最強&飯テロ異世界生活を満喫しちゃう!~

空戯K

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交易都市ラグリージュへ赴いちゃう、ぽっちゃり

第218話  メニューが決定しちゃう、ぽっちゃり

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 サラに協力してもらい、ポテチ作りに取りかかったわたし。
 調理工程としてはポテト作りとあんまり変わらないけど、ジャガイモを切る作業はサラの簡易解体のスキルが非常に役に立つからね。
 今回もサラに大量のジャガイモを取り込んでもらって体内で解体してもらい、薄くスライスしたジャガイモを油に投入する。
 いい感じに揚げれたら油から取り出し、ポテチの表面についた余分な油を落とす。
 そして最後に上からパラパラと塩を振りかけて軽く混ぜれば――――

「よーし、これでポテチの完成だ!」
「ぷるーん!」

 わたしはお皿の上に盛られたポテチを頭上に掲げ、堂々と宣言する。
 料理を手伝ってくれたサラも嬉しそうに飛び跳ねている。
 
「コロネお姉ちゃん! ポテチできたのー!?」
「初めて作ったからちょっと自信はないけど、とりあえず完成はしたよ!」
「わーい! 楽しみ~!」

 ポテチが盛られたお皿をテーブルの上に置いた。
 まだ揚げてから時間がたっていないので、ポテチは熱々だ。
 他の皆も興味津々といった様子でそれぞれの方向からポテチを覗き込んでいる。

「これがポテチなんだー! さっきのポテトとは全然違うね!」
「本当ですね。同じジャガイモを切って揚げた料理とは思えないです」
「でもめっちゃええ香りしとるで~……! これは激ウマに違いあらへん!」
「ぷるーん!」
「それじゃあ、早速食べてみようか! わたしもまだ試食はしてないし!」

 みんなに試食を促すと、喜んでそれぞれがポテチに手を伸ばした。
 そして全員が一枚ずつポテチを手にすると、一斉に口に入れた。
 パリッ! と小気味いい音が鼓膜を楽しませる。

「んんんっ!!? こ、これは紛うことなきポテチだ! 塩を振りかけただけのシンプルな味付けだけど、全然美味しいね!」
「ナターリャ、ポテチも大好き!!」
「本当に美味しいですね~! 私もこの作り方を教えてほしいくらいです!」
「わいもや! こりゃ止まらんで!」
「ぷるるーん!!」

 わたし的にはイメージした通りのポテチが完成していて少し感動すら覚えたんだけど、他の皆も同じ感動を味わっているようだ。

 特にわいちゃんは小さなボディを活かしてお皿の真横にぼてっと座り、高速でポテチを取りながらバクバクと食べまくっている。
 分かる……分かるよ、その気持ち!
 ポテチって一度食べ出すと止め時が分からなくなるくらい無限に食べれちゃうんだよね……!

「コロネお姉ちゃん! このポテチは絶対に商品リストに入れるべきだよ! ポテトとポテチの二つをどんどん売り出していこう!!」
「い、一応このお店はお弁当やさんだからポテト系の料理はあくまでサイドメニューとして提供するけどね……?」

 ナターリャちゃんは熱くポテチの商品化を望んでいるようだけど、まるでこの店のメイン商品を決定しようとしているんじゃないかと錯覚するくらいの熱量だ。
 あくまでもここはお弁当屋さんだから、メインはお弁当にするからね?
 今からポテト屋さんに路線変更する気はないからね?

「……まあでも、そこまで言ってくれるならこのポテチも一緒に売り出そうかな。サラの手伝いがあればそこまで作るのに手間がかかるって訳でもないし」

 ポテトにしろポテチにしろ、もはやサラの『簡易解体』のスキルなしには作れないと言ってもいいだろう。
 それくらい、これらの料理はサラの協力に助けられている。
 ただ、逆に言えばサラが手伝ってくれている限りはポテトでもポテチでも作るコストはそんなに変わらない。
 どっちも同じジャガイモを元にした料理で、使用する調味料なんかもほとんど同じ。
 違う点と言ったら本当に形状だけなんじゃないかと思う。

「それじゃ、ポテチも商品メニューに追加決定だね!」
「……分かったよ! もうこうなったら、お弁当もポテトもポテチも全部一切合切売り出しちゃおう!」
「やったー!!」

 こうして、お店のメニューが決定した。
 お弁当屋さんとポテチ屋さんが融合したようなお店になりそうだけど……まあ異世界ならではってことで良しとしよう。

 全てはお客さんの笑顔のため、だからね!



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