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section Magic(魔術)
魔術のコミュニティ
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「ヨハン、近代魔術って何?何が古代、中世と違うの?」
「あーそこまで大きく変わったかって言ったらそうでもない。古代と中世ならまだしも、中世から近代なんて技術進歩と・・・『組織』だな」
「組織・・・?近代になってコミュニティが出来たって事?」
「うぅ~ん、何と言えば良いのか、しいて言えばある人物が現れたんだよ。」
「誰?」
「近代魔術の父。『エリファス・レディ』だ。」
「女性?」
「ヒゲ生やしたおっさんです。」
「・・・」
「まあもう一つ違うのはこの時代は中世の頃より学術的な『魔導書』が増えたり、魔術師が多方面に影響したり・・・と魔女狩りがある程度衰退した17世紀末位から発展していると読んでいる。」
「何で衰退したの?」
「魔女への価値観が時代とともに変わっていったんだよ。イングランドでは1624年に魔女対策法なんてものが敷かれていたから、ちゃんとした法で裁けるようになったっていうのも大きいと思うよ。」
「へぇ・・・話を戻すとレヴィさんって何をした人なの?」
「カバラとタロットを研究して昔流行した宇宙と人をリンクさせたヘルメス主義っていうのを蘇らせたんだよ。」
「ヘルメスってギリシア神話の神様でしょ?なんでこんな所に出てくるの?」
「いや、このヘルメスは錬金術の神話に出てくるヘルメス・トリスメギトスによって語られた思想のことなんだ、これは以前にあった主義の影響を受けたもので紀元前三世紀頃までにエジプトで成立したらしいよ」
「そして昔、一度流行ったのをまたレヴィさんが流行らせたってこと?それだけならそこまで言わなくても良いんじゃあ・・・」
「レヴィさんはにわか魔術じゃなくて『高等魔術』っていう本当の魔術を広めようとしたんだ。しかも死者や黒魔術を嫌った。」
「この時代の中でも彼は珍しく『学問として』魔術を研究した人なんだよ。何百年か前には呪いだの魔女だのあっても確信的な手引きや魔術は無かった。だからこそ本当の魔術を研究した彼は『より高度な魔術』で近代魔術の扉を開いたんだよ。」
「じゃあ、組織は?」
「さっきも言った通りこの頃から学問としての魔術が栄えてきた。そうとなれば一人ではカバーしきれない部分が出てきたからだと思うんだよね。」
「三人そろえば文殊の知恵って事か・・・」
「しょゆことしょゆこと、わかってくれたらよくってよ~」
「あ、あと気になった事があってさ」
「?」
「『より高度な魔術』で近代魔術の扉を開いたんだよ。って格好つけたよね」
「ナンノコトデショウカ」
「・・・最近中世ヨーロッパかぶれから世界大戦ドイツかぶれになっているのは絶対君が観ている実況者の影響でしょ?ほら、この前もなんだったっけ、暴力は・・・ナントカって」
「全力で黙秘いたします・・・」
1 エリファスレディ 解説
1 エリファスレヴィ
かわいい名前のオッサン。「エリファスレヴィ」(1810~1875)
この時代、セイレム魔女裁判も終わり、中世のような長いうえに術を行う期間が年に数回かつ数時間の不可能に近いものから、より理論的かつ学術的に研究対象として魔術を見る目が変わってきた、その先導者であるレヴィは中世ヨーロッパで栄えたヘルメス主義を研究した。
文章中ではあまり触れていないがヘルメス主義とは西洋魔術の基盤であり魔術・錬金術の原理である。噛み砕くと宇宙は神から流出した霊でできているためそこから出来た人間にも何かしらの繋がりがある、というもの。だから星の動きが人の運命に影響し、さらに人が修行することによって宇宙も完成に近づくという。
「宇宙と人は対応している」そんな考え方。
彼の特異点は魔術師というより魔術研究者に近い点だ。そのため後世の魔術師達に中世より詳しく、正確な魔術書を『学問』によって残す事に成功した。成功理由として彼が魔術に手を染めたという話は聞いたことが無く、魔女裁判も終わり、社会の人々はデカルトやらによって価値観と考え方が知識と共用により高度になり魔術を科学としても認められ始めた。そんな時代だったからこそ彼は後世に本を残すことができ、それが後世の魔術師達を陶酔させ、『近代魔術の父』とまで呼ばれるようになったのだろう。
2 三人そろえば文殊の知恵。
『三人寄れば文殊の知恵』という言葉は特にこの時代の魔術師達にあてはまるだろう。中世。魔女狩りだの錬金術だのの時代。錬金術も魔術もあまり人に言えるような職業や肩書ではなく、どちらかというと忌み嫌われるようなものだった。ところがこの時代1800年代に入ってくると科学や先ほどの説明のような『錬金術の進化型学問』と『魔術を理論的に見た学問』が生まれた。どちらも似たようなものだがあいにく今日の日本では前者の色が強いように感じる。学術的になった事で社会的な反発が軽減され、学問として後を続こうとする者、それを実行しようとするものが増加し、一人では補えない技術や知識を知るために仲間を欲しがった。『三人寄れば文殊の知恵』と言うように人を集めて知識を増やし、より深く、もっと、知りたい。という欲によって魔術組織が増え始めたのではないか。と考える。魔術師として。人間として。一度興味を持った物をさらに高めようとする点では今日の日本と魔術が通ずる点があるのかもしれない。
マ 「外国の名前の空耳案件は面白いよね」
ヨ 「ジョン・ヘイとか入れ替えたらヘイ・ジョンになるぜよ」
マ 「siri感覚で呼んだらどうなるの?」
ヨ 「殺されて血を飲まれたのち硫酸へGOぜよ。」
マ 「うわぁw」
「あーそこまで大きく変わったかって言ったらそうでもない。古代と中世ならまだしも、中世から近代なんて技術進歩と・・・『組織』だな」
「組織・・・?近代になってコミュニティが出来たって事?」
「うぅ~ん、何と言えば良いのか、しいて言えばある人物が現れたんだよ。」
「誰?」
「近代魔術の父。『エリファス・レディ』だ。」
「女性?」
「ヒゲ生やしたおっさんです。」
「・・・」
「まあもう一つ違うのはこの時代は中世の頃より学術的な『魔導書』が増えたり、魔術師が多方面に影響したり・・・と魔女狩りがある程度衰退した17世紀末位から発展していると読んでいる。」
「何で衰退したの?」
「魔女への価値観が時代とともに変わっていったんだよ。イングランドでは1624年に魔女対策法なんてものが敷かれていたから、ちゃんとした法で裁けるようになったっていうのも大きいと思うよ。」
「へぇ・・・話を戻すとレヴィさんって何をした人なの?」
「カバラとタロットを研究して昔流行した宇宙と人をリンクさせたヘルメス主義っていうのを蘇らせたんだよ。」
「ヘルメスってギリシア神話の神様でしょ?なんでこんな所に出てくるの?」
「いや、このヘルメスは錬金術の神話に出てくるヘルメス・トリスメギトスによって語られた思想のことなんだ、これは以前にあった主義の影響を受けたもので紀元前三世紀頃までにエジプトで成立したらしいよ」
「そして昔、一度流行ったのをまたレヴィさんが流行らせたってこと?それだけならそこまで言わなくても良いんじゃあ・・・」
「レヴィさんはにわか魔術じゃなくて『高等魔術』っていう本当の魔術を広めようとしたんだ。しかも死者や黒魔術を嫌った。」
「この時代の中でも彼は珍しく『学問として』魔術を研究した人なんだよ。何百年か前には呪いだの魔女だのあっても確信的な手引きや魔術は無かった。だからこそ本当の魔術を研究した彼は『より高度な魔術』で近代魔術の扉を開いたんだよ。」
「じゃあ、組織は?」
「さっきも言った通りこの頃から学問としての魔術が栄えてきた。そうとなれば一人ではカバーしきれない部分が出てきたからだと思うんだよね。」
「三人そろえば文殊の知恵って事か・・・」
「しょゆことしょゆこと、わかってくれたらよくってよ~」
「あ、あと気になった事があってさ」
「?」
「『より高度な魔術』で近代魔術の扉を開いたんだよ。って格好つけたよね」
「ナンノコトデショウカ」
「・・・最近中世ヨーロッパかぶれから世界大戦ドイツかぶれになっているのは絶対君が観ている実況者の影響でしょ?ほら、この前もなんだったっけ、暴力は・・・ナントカって」
「全力で黙秘いたします・・・」
1 エリファスレディ 解説
1 エリファスレヴィ
かわいい名前のオッサン。「エリファスレヴィ」(1810~1875)
この時代、セイレム魔女裁判も終わり、中世のような長いうえに術を行う期間が年に数回かつ数時間の不可能に近いものから、より理論的かつ学術的に研究対象として魔術を見る目が変わってきた、その先導者であるレヴィは中世ヨーロッパで栄えたヘルメス主義を研究した。
文章中ではあまり触れていないがヘルメス主義とは西洋魔術の基盤であり魔術・錬金術の原理である。噛み砕くと宇宙は神から流出した霊でできているためそこから出来た人間にも何かしらの繋がりがある、というもの。だから星の動きが人の運命に影響し、さらに人が修行することによって宇宙も完成に近づくという。
「宇宙と人は対応している」そんな考え方。
彼の特異点は魔術師というより魔術研究者に近い点だ。そのため後世の魔術師達に中世より詳しく、正確な魔術書を『学問』によって残す事に成功した。成功理由として彼が魔術に手を染めたという話は聞いたことが無く、魔女裁判も終わり、社会の人々はデカルトやらによって価値観と考え方が知識と共用により高度になり魔術を科学としても認められ始めた。そんな時代だったからこそ彼は後世に本を残すことができ、それが後世の魔術師達を陶酔させ、『近代魔術の父』とまで呼ばれるようになったのだろう。
2 三人そろえば文殊の知恵。
『三人寄れば文殊の知恵』という言葉は特にこの時代の魔術師達にあてはまるだろう。中世。魔女狩りだの錬金術だのの時代。錬金術も魔術もあまり人に言えるような職業や肩書ではなく、どちらかというと忌み嫌われるようなものだった。ところがこの時代1800年代に入ってくると科学や先ほどの説明のような『錬金術の進化型学問』と『魔術を理論的に見た学問』が生まれた。どちらも似たようなものだがあいにく今日の日本では前者の色が強いように感じる。学術的になった事で社会的な反発が軽減され、学問として後を続こうとする者、それを実行しようとするものが増加し、一人では補えない技術や知識を知るために仲間を欲しがった。『三人寄れば文殊の知恵』と言うように人を集めて知識を増やし、より深く、もっと、知りたい。という欲によって魔術組織が増え始めたのではないか。と考える。魔術師として。人間として。一度興味を持った物をさらに高めようとする点では今日の日本と魔術が通ずる点があるのかもしれない。
マ 「外国の名前の空耳案件は面白いよね」
ヨ 「ジョン・ヘイとか入れ替えたらヘイ・ジョンになるぜよ」
マ 「siri感覚で呼んだらどうなるの?」
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マ 「うわぁw」
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