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聖女の目覚め編
魔物討伐
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野営地に到着して一夜を明かした翌日。今夜はいよいよ「新月の夜」である。
出発前に、聖女達は野営地の安全を祈る。野営地には少しの騎士と傭兵、それと従騎士が残る。魔物が現れる地面の裂け目はここより少し先にあるという。野営地まで魔物が押し寄せて来ることはないが、うまく逃げた魔物が少しやってくることは考えられる。野営地に残る彼らは、ここを守るという重要な任務を負っている。
聖女による祈りが終わった後、跪いていたカレンの元に聖女セリーナがやってきた。
「カレン、あなたは初めての魔物討伐になるわね」
「は、はい。セリーナ様」
カレンは跪いたまま、セリーナを見上げた。どことなく、美しい顔のセリーナに緊張の色が見える。
「どう? カレン。旅の間、何か変わったことはない?」
セリーナもエリックと同じように、カレンのことを気遣った。
「いいえ、特に何も。あ! でも凄く元気です。きっとセリーナ様の祈りのおかげですね!」
「そう、良かった」
セリーナは優しく微笑む。
「あの……セリーナ様。私には何もできないですけど……討伐、頑張ってください」
カレンには何もできない。ただここで彼らの帰りを待つしかない。頑張って、などと軽い言葉で済ませていいことでもない。だがカレンは何か言いたかった。無事を願っていると伝えたかったのだ。
「ありがとう、心配はいらないわ。私のことはブラッドが必ず守ってくれますから」
カレンに微笑み、セリーナはその場を去って行った。
もうすぐ日が落ちる頃、いよいよ騎士団の出発である。彼らは皆、頑丈な胸当てを着け、それぞれ自分の所属する騎士団の紋章が描かれた盾を持っている。
使用人達はずらりと並び、騎士団を見送る。馬に乗っていたブラッドは、誰かを探すように使用人達の顔を見ていた。彼らの中に立つカレンの顔を見つけると、ブラッドの視線が止まる。
ブラッドを見上げていたカレンも、彼の視線に気づいた。無言でカレンはブラッドに頷く。ブラッドも、カレンの顔を見つめながら頷いた。
(どうか、どうか無事に帰ってきてください。神様仏様……ええと、ここにはいないんだった。この世界の神様女神様……名前なんだっけ、聖女エリザベータ様……)
もはや誰に祈っているのか良く分からない状態だったが、とにかくカレンは心の中で祈っていた。
♢♢♢
魔物が現れるのは辺りがすっかり暗くなった頃だ。現地に到着した一行は、事前の話し合い通りに、裂け目に向き合う形でそれぞれが魔物を待ち構える。
新月の夜は、月の明かりが唯一ない夜だ。できるだけ視界を確保する為、聖女がいる場所にかがり火が設置される。
聖女はかがり火のそばに立ち、祈りを捧げる。すると騎士が持つ剣が、聖女の祈りに呼応するように光り始めた。これで騎士の視界も確保できるので、闇の中でも十分に戦えるというわけだ。
やがて、地面の下からゴゴゴゴと地鳴りのようなものが聞こえ、ぐらぐらと地震が起こった。それは地面が裂けた知らせだ。地震はすぐに止み、裂け目から真っ黒な手が伸びてきて地面を掴む。
ずるりと這い出してきたのは、まるで炭のように真っ黒な、人間の形をした魔物だった。
ブラッド達は一斉に盾を構える。魔物達はおぞましいうなり声を上げると、バラバラに騎士団に向かって来た。
騎士団が彼らを迎え撃つ。魔物達は鋭い爪と牙を持っていて、騎士に飛びつくと噛みついてくる。知能は低く、襲うことを躊躇しない獣のようなものだ。魔物の中には武器を持つ者もいる。騎士の真似なのか、盾のようなものまで持つその魔物は少し賢いようで、好き勝手に暴れる魔物を率いているようだ。
魔物と戦い、傷を負って倒れた騎士はすぐに聖女の元に運ばれ、急いで傷を治してもらう。魔物につけられた傷を放っておくと、騎士は闇の力に飲み込まれ、やがて死に至ると言われている。
アウリス騎士団とディヴォス騎士団は順調に魔物を倒していたが、やはりノクティア騎士団は苦戦しているようだった。怪我人がどんどん増え、聖女の癒しが追い付かない状態になっていた。
「ノクティアはどうしたんだろう、このままだと押し切られるよ」
エリックが不安そうにノクティア騎士団の陣地を見る。
「まずいな、魔物が向こうに移動している。俺達も行こう」
魔物が動きを変え、ノクティア騎士団の陣地に向かっているのをブラッドは睨むように見ていた。裂け目から魔物はどんどん現れ、勢いが衰える様子がない。
「数が多いぞ」
他の騎士も不安そうに呟く。アウリス領での戦いならば、今頃とっくに魔物を撤退させていてもおかしくない頃だ。
ブラッドはセリーナの所に急いで走った。
「セリーナ様。俺はノクティア騎士団の助けに向かいます。あなたはここで待機を」
「私も一緒に行くわ。魔物達の力が衰える様子がないもの。私の力が必要よ」
セリーナはきっぱりと言い切る。ブラッドは少し迷ったが、セリーナと一緒に向かうことを決めた。
「ジョアンナ、後は頼みます」
「ここはお任せください。お気をつけて、セリーナ様」
聖女ジョアンナも肝が据わっている。セリーナはジョアンナに頷くと、ブラッド、エリックと一緒にノクティア騎士団の助けに向かった。
ノクティア騎士団の所へ助けに来たセリーナは、どんどん増える負傷者の手当てに追われていた。
「……おかしいわ。まるで彼ら、聖女の加護を受けていないみたい。加護があれば多少の穢れは跳ね返せるはずなのに……」
セリーナは首を傾げ、横で傷を治している聖女イソルデに目をやった。イソルデは必死に騎士の傷を治そうと頑張っているようだが、どの騎士も傷が深く、治すのに時間がかかっている。
「なぜイソルデ様はあんなに時間がかかっているのかしら……」
セリーナはそこでハッと顔を上げた。そしてすぐに、聖女達を守っている騎士に声をかける。
「急いでディヴォスの所へ行き、あちらの聖女を呼んできてください。ここは手が足りません」
「か……かしこまりました!」
騎士が走っていく姿を見送り、セリーナはため息をつきながらもう一度聖女イソルデを見た。
(イソルデの力は平凡。いえ、平凡以下かもしれないわ)
ノクティアの魔物の力が強まったのではない。聖女の力が足りなかった為、魔物の力を抑えられなくなったのだ。
出発前に、聖女達は野営地の安全を祈る。野営地には少しの騎士と傭兵、それと従騎士が残る。魔物が現れる地面の裂け目はここより少し先にあるという。野営地まで魔物が押し寄せて来ることはないが、うまく逃げた魔物が少しやってくることは考えられる。野営地に残る彼らは、ここを守るという重要な任務を負っている。
聖女による祈りが終わった後、跪いていたカレンの元に聖女セリーナがやってきた。
「カレン、あなたは初めての魔物討伐になるわね」
「は、はい。セリーナ様」
カレンは跪いたまま、セリーナを見上げた。どことなく、美しい顔のセリーナに緊張の色が見える。
「どう? カレン。旅の間、何か変わったことはない?」
セリーナもエリックと同じように、カレンのことを気遣った。
「いいえ、特に何も。あ! でも凄く元気です。きっとセリーナ様の祈りのおかげですね!」
「そう、良かった」
セリーナは優しく微笑む。
「あの……セリーナ様。私には何もできないですけど……討伐、頑張ってください」
カレンには何もできない。ただここで彼らの帰りを待つしかない。頑張って、などと軽い言葉で済ませていいことでもない。だがカレンは何か言いたかった。無事を願っていると伝えたかったのだ。
「ありがとう、心配はいらないわ。私のことはブラッドが必ず守ってくれますから」
カレンに微笑み、セリーナはその場を去って行った。
もうすぐ日が落ちる頃、いよいよ騎士団の出発である。彼らは皆、頑丈な胸当てを着け、それぞれ自分の所属する騎士団の紋章が描かれた盾を持っている。
使用人達はずらりと並び、騎士団を見送る。馬に乗っていたブラッドは、誰かを探すように使用人達の顔を見ていた。彼らの中に立つカレンの顔を見つけると、ブラッドの視線が止まる。
ブラッドを見上げていたカレンも、彼の視線に気づいた。無言でカレンはブラッドに頷く。ブラッドも、カレンの顔を見つめながら頷いた。
(どうか、どうか無事に帰ってきてください。神様仏様……ええと、ここにはいないんだった。この世界の神様女神様……名前なんだっけ、聖女エリザベータ様……)
もはや誰に祈っているのか良く分からない状態だったが、とにかくカレンは心の中で祈っていた。
♢♢♢
魔物が現れるのは辺りがすっかり暗くなった頃だ。現地に到着した一行は、事前の話し合い通りに、裂け目に向き合う形でそれぞれが魔物を待ち構える。
新月の夜は、月の明かりが唯一ない夜だ。できるだけ視界を確保する為、聖女がいる場所にかがり火が設置される。
聖女はかがり火のそばに立ち、祈りを捧げる。すると騎士が持つ剣が、聖女の祈りに呼応するように光り始めた。これで騎士の視界も確保できるので、闇の中でも十分に戦えるというわけだ。
やがて、地面の下からゴゴゴゴと地鳴りのようなものが聞こえ、ぐらぐらと地震が起こった。それは地面が裂けた知らせだ。地震はすぐに止み、裂け目から真っ黒な手が伸びてきて地面を掴む。
ずるりと這い出してきたのは、まるで炭のように真っ黒な、人間の形をした魔物だった。
ブラッド達は一斉に盾を構える。魔物達はおぞましいうなり声を上げると、バラバラに騎士団に向かって来た。
騎士団が彼らを迎え撃つ。魔物達は鋭い爪と牙を持っていて、騎士に飛びつくと噛みついてくる。知能は低く、襲うことを躊躇しない獣のようなものだ。魔物の中には武器を持つ者もいる。騎士の真似なのか、盾のようなものまで持つその魔物は少し賢いようで、好き勝手に暴れる魔物を率いているようだ。
魔物と戦い、傷を負って倒れた騎士はすぐに聖女の元に運ばれ、急いで傷を治してもらう。魔物につけられた傷を放っておくと、騎士は闇の力に飲み込まれ、やがて死に至ると言われている。
アウリス騎士団とディヴォス騎士団は順調に魔物を倒していたが、やはりノクティア騎士団は苦戦しているようだった。怪我人がどんどん増え、聖女の癒しが追い付かない状態になっていた。
「ノクティアはどうしたんだろう、このままだと押し切られるよ」
エリックが不安そうにノクティア騎士団の陣地を見る。
「まずいな、魔物が向こうに移動している。俺達も行こう」
魔物が動きを変え、ノクティア騎士団の陣地に向かっているのをブラッドは睨むように見ていた。裂け目から魔物はどんどん現れ、勢いが衰える様子がない。
「数が多いぞ」
他の騎士も不安そうに呟く。アウリス領での戦いならば、今頃とっくに魔物を撤退させていてもおかしくない頃だ。
ブラッドはセリーナの所に急いで走った。
「セリーナ様。俺はノクティア騎士団の助けに向かいます。あなたはここで待機を」
「私も一緒に行くわ。魔物達の力が衰える様子がないもの。私の力が必要よ」
セリーナはきっぱりと言い切る。ブラッドは少し迷ったが、セリーナと一緒に向かうことを決めた。
「ジョアンナ、後は頼みます」
「ここはお任せください。お気をつけて、セリーナ様」
聖女ジョアンナも肝が据わっている。セリーナはジョアンナに頷くと、ブラッド、エリックと一緒にノクティア騎士団の助けに向かった。
ノクティア騎士団の所へ助けに来たセリーナは、どんどん増える負傷者の手当てに追われていた。
「……おかしいわ。まるで彼ら、聖女の加護を受けていないみたい。加護があれば多少の穢れは跳ね返せるはずなのに……」
セリーナは首を傾げ、横で傷を治している聖女イソルデに目をやった。イソルデは必死に騎士の傷を治そうと頑張っているようだが、どの騎士も傷が深く、治すのに時間がかかっている。
「なぜイソルデ様はあんなに時間がかかっているのかしら……」
セリーナはそこでハッと顔を上げた。そしてすぐに、聖女達を守っている騎士に声をかける。
「急いでディヴォスの所へ行き、あちらの聖女を呼んできてください。ここは手が足りません」
「か……かしこまりました!」
騎士が走っていく姿を見送り、セリーナはため息をつきながらもう一度聖女イソルデを見た。
(イソルデの力は平凡。いえ、平凡以下かもしれないわ)
ノクティアの魔物の力が強まったのではない。聖女の力が足りなかった為、魔物の力を抑えられなくなったのだ。
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