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第1章

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‥‥

熱気に溢れた模擬戦。
重たいドレスも
動きにくい制服のスカートも脱ぎ捨てて

模擬戦用の体操着へ。


周りの目を気にせず、汗を流す絶好の機会。





「〝花よーー咲き乱れて‥美しくーー」



私が詠唱を唱えると、
花の精霊達は、私に応え、力を貸してくれます。


咲き乱れる花は、時に薔薇の棘となって、
模擬戦の相手へと襲い掛かるのです。



「うわああっ!?こ、降参です!!」

「勝者 ーーミライナ」


精霊は決して人の前には姿を見せないと、
そう言い伝えられていますが、



「ありがとう‥貴方達のおかげですわ。」


それと同じく、
共に寄り添うともいわれています。
ですので、私は感謝をするのです。



目には見えない、優しいお友達ーー


昔はそんな私を、変人だと
皆が虐めました。


しかし、
いつも彼が守ってくれたから‥



「おめでとう。ミライナ」


「ユリオッ、どうして、ここに?」


「俺がいたら悪いのか?」

「い、いえ‥その、ソラ様は‥?」


「ああ、ソラは今日は王子が見てくださっているから安心だ。」


「そ、そうなのですね‥」



驚いた‥
私の元へ来るなんて思いもしなかったから‥。


不思議、婚約者なのに、珍しいなんて‥

王子といえば、あの上から目線の威張り男ね。ユリオ、
嫉妬‥しないのかしら?
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