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第1章
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‥
この学校ではクラス替えが無く、
一年目と同様スバルと同じクラスなのだが、
1番喜びそうなアイツが居ないだけで、教室が静かに感じた。
見知った面子に軽く挨拶して、席に着くと、
目の前に座る相田が、興味津々に俺に話しかけてくる。
「あれ~、今日は嫁さんと一緒じゃないんだ~。まさか喧嘩?ダメだよ~、ちゃんと仲直りしないと、すぐに他の人が寄ってたかって、彼を取り合っちゃうんだから~」
ニヤニヤとしながら目を細める相田。
こいつは勘に触るから、あまり好かない。
毎回無視しても、何度でも話しかけてくる。
Mなのかと疑うほどだ。
「眠い‥」
「ちょっと~俺の話聞いてるの~?
まあ、いつもの事だけどさ~。
あ、そういえば~、今日から転校生が来るんだって~。」
はあ‥分かってるなら話しかけるな。
「そうかよ‥」
「も~、ほんとつれないんだから~。」
ウトウトと、夢の世界が近い感覚がして、俺机に伏せ目を閉じる。
ああ、おやす、み‥
いい夢を‥
ーーー
んん?
‥、
ザワザワと教室がうるさくて、
俺は目を覚ます。
何事かと、耳だけを覚醒させて神経を集中させると、
こちらに近づいてくる足音‥
なんだ‥?
先公か?
俺のすぐ近くで足を止めた誰かに眉を寄せる。
テストの点は悪くないはずだ
この学校では、平均点さえ上げていれば、
眠っていたって問題なく、注意される事だってない。
俺の睡眠の邪魔をするなんて‥
何の用だ‥?
「あ、あの!じゅ、授業中に寝たらダメ、ですよっ」
右側から声がして、驚く。
ん?高めの声‥先公じゃない‥
クラスの生徒でもない‥
スバル‥でもねえな‥
つか、それ俺に言ってんのか‥?
誰だ‥こいつ
「あっちゃ~‥よりによって‥井上にか‥おい、井上はなっ」
遠くで先公の声が聞こえる。
何かをソイツに言おうとしてるようだ。
もっと言ってやれ、
俺の睡眠を邪魔するなってな。
俺は机に伏せていた顔の向きを変える。
もちろんソイツとは逆の方にだ。
そしたら、突然、
ガシッと肩を揺らされて、目を見開いた。
「あ、あの!!聞こえてますか!!起きてください!!」
うる、せ‥でっかい声出すんじゃねえよ‥
思わず、耳を塞いで顔を上げる。
ふいに見えたその弱々しい小さな青年が、
必死に俺を見つめていて、
「あ、あのっ、そのっ、」
モジモジと視線を彷徨わせるソイツ。
俺は脳内フル回転させて、記憶を巡らすが
全く見覚えがない。
いや、
「‥誰だお前‥」
この学校ではクラス替えが無く、
一年目と同様スバルと同じクラスなのだが、
1番喜びそうなアイツが居ないだけで、教室が静かに感じた。
見知った面子に軽く挨拶して、席に着くと、
目の前に座る相田が、興味津々に俺に話しかけてくる。
「あれ~、今日は嫁さんと一緒じゃないんだ~。まさか喧嘩?ダメだよ~、ちゃんと仲直りしないと、すぐに他の人が寄ってたかって、彼を取り合っちゃうんだから~」
ニヤニヤとしながら目を細める相田。
こいつは勘に触るから、あまり好かない。
毎回無視しても、何度でも話しかけてくる。
Mなのかと疑うほどだ。
「眠い‥」
「ちょっと~俺の話聞いてるの~?
まあ、いつもの事だけどさ~。
あ、そういえば~、今日から転校生が来るんだって~。」
はあ‥分かってるなら話しかけるな。
「そうかよ‥」
「も~、ほんとつれないんだから~。」
ウトウトと、夢の世界が近い感覚がして、俺机に伏せ目を閉じる。
ああ、おやす、み‥
いい夢を‥
ーーー
んん?
‥、
ザワザワと教室がうるさくて、
俺は目を覚ます。
何事かと、耳だけを覚醒させて神経を集中させると、
こちらに近づいてくる足音‥
なんだ‥?
先公か?
俺のすぐ近くで足を止めた誰かに眉を寄せる。
テストの点は悪くないはずだ
この学校では、平均点さえ上げていれば、
眠っていたって問題なく、注意される事だってない。
俺の睡眠の邪魔をするなんて‥
何の用だ‥?
「あ、あの!じゅ、授業中に寝たらダメ、ですよっ」
右側から声がして、驚く。
ん?高めの声‥先公じゃない‥
クラスの生徒でもない‥
スバル‥でもねえな‥
つか、それ俺に言ってんのか‥?
誰だ‥こいつ
「あっちゃ~‥よりによって‥井上にか‥おい、井上はなっ」
遠くで先公の声が聞こえる。
何かをソイツに言おうとしてるようだ。
もっと言ってやれ、
俺の睡眠を邪魔するなってな。
俺は机に伏せていた顔の向きを変える。
もちろんソイツとは逆の方にだ。
そしたら、突然、
ガシッと肩を揺らされて、目を見開いた。
「あ、あの!!聞こえてますか!!起きてください!!」
うる、せ‥でっかい声出すんじゃねえよ‥
思わず、耳を塞いで顔を上げる。
ふいに見えたその弱々しい小さな青年が、
必死に俺を見つめていて、
「あ、あのっ、そのっ、」
モジモジと視線を彷徨わせるソイツ。
俺は脳内フル回転させて、記憶を巡らすが
全く見覚えがない。
いや、
「‥誰だお前‥」
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