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第4章
同情と‥それから‥
しおりを挟む「わ、笑わないでよ!!だから嫌だったんだ‥」
顔を赤くして睨んでくるリオンさん。
だめだ。全然怖くない。
「それなら、どうして俺に?」
「‥君には、本当の事、全部さらけ出したくなっちゃって‥」
ああ、なんとなく‥その気持ち分かる。
誰かに‥理解してほしくて‥話を聞いてほしくて‥俺もずっと辛かったから
「、‥ファイ様の事は、」
「うん。まだ吹っ切れられない。小さい時から、アイツばかり追いかけてたんだ。
すぐには心が追いつかなくてさー。
本当、愛とか恋ってめんどくさいよね‥だから嫌いなんだ」
「リオンさん‥。」
胸が苦しくなる。
まるで自分の事のように‥
「奪ってやろうとおもった。
でも‥アイツ‥幸せそうな顔してたんだ‥。
純粋な愛‥本当の愛を見つけたとかニヤニヤしちゃってさ‥
あんな顔されたら‥邪魔できないよ‥
だからッ、俺」
灰色の髪に触れる。
この人も必死で
恋したんだ。
「よく、頑張りましたね」
「ッ、~。」
ガバッと勢いよく抱きつかれて、
俺は支えきれずに、座っていたベンチに倒れこんだ。
ゔ‥背中強打‥
「っ馬鹿、じゃないの‥俺、今日から‥変わるって‥決めてたのに‥また、カッコ悪い奴に‥なっちゃうじゃん‥」
顔を胸元にグリグリ押し付けられて、
俺は子どもみたいなリオンさんにクスリと笑う。
「俺も‥同じです‥はは、お揃いでいいじゃないですか」
「はは‥お揃いの失恋って‥ダサいよ‥ッ、」
「リオンさん‥?」
「フッ、‥グスッ‥好きだった‥」
「ッ、」
「ず、っと‥好き、だった、のに‥俺ッ」
「リオンさんッ」
「もう‥ッこんなに、苦しいんだったら‥
消えたいよッーーー」
「ッーー」
この時の俺は、
きっと
失恋の痛みで
頭がおかしくなっていたんだ。
引き寄せた頭と、
柔らかい唇の感覚と、
そして、涙で溢れる空みたいな瞳が目の前にあって。
「‥、」
「ッ!?ーーッ、‥へ?
‥エル、く、ん‥?
い、今‥え?‥」
気付いた時には、
驚いた顔をしたリオンさんが至近距離にいて‥
俺、今
リオンさんに
キス‥した。
してしまった。
自分からしといて、固まる俺と、
涙を止めてキョトンとするリオンさん。
頭が痛い‥
ほんと、
何やってんの俺‥。
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