悪役令息の取り巻きに転生した俺乙

第3章

嫌なことがあった次の日の学校ほどキツイものはない

‥


「目、腫れすぎ。キモ」


洗面所の前で、自分の真っ赤な目と睨めっこをする。


昨日失恋し、一晩中泣き腫らした目は、
細く分厚く型を変えており、
まるで殴られた人みたいだ。


「学校‥行きたくないな」


相棒をつけ、顔を隠す。
無意識に呟いていた言葉に溜息をついた。




「エル！おはよう！」

「‥ルー、おはよ」

「調子はどう？」

「ぼちぼち、かな‥。」

「そっか‥無理しないでね？」

「ありがとう。」


なんだろう。居心地が悪い。
こんな事、無かったんだけどな


寮のロビーで目立つ金髪が目に入る。

「おい、ルー。遅いぞ。」

「ふ、ファイ様ッ？！どうしてここに！？」

「早くお前に会いたくてな。迎えに来た。」


「ッ、そう‥ですか‥」

ルーの頬が赤く染まった。
なんだよ。カッコつけちゃってさ
見飽きたっつうのナルシストめ

「俺、先行くね。」

苛々する。おさえられない。
こんな感情‥いらない


「え？ちょっと待ってエル？！ふあっ！？」

「俺が目の前にいるというのに、アイツに構いすぎだ‥」

「へ？」

「おい、アルビノ。これからは、俺がルーと登校する。番犬はもういらないから、大人しくしていろよ。」

背後からかかる言葉に、立ち止まる。
番犬‥はは、その通りだとも。
でもね、その1くんにそんな事言われる筋合いはないよ。


「ッ随分、心変わりが早い事で‥」

「ふん、想いすら告げられぬ貴様に言われたくないわ。」

「っーー、」


っ、お前なんかに何がわかるの‥


「俺は見つけたぞ。お前の言う純粋な愛とやらを。

まあ、貴様が正しかった事はみとめてやる‥。あの時は悪かったなって！いない‥だとッ！？俺の話を最後まで聞け馬鹿者が！！ーーー」




「うるさいうるさいうるさいッ！！お前にだけは言われたくねえよ遊び人が！！」


俺は寮から飛び出す。
あんな空間耐えられない。

大丈夫だと思ってた。侮ってたんだ。
ルーに簡単に触れて、愛を囁いて

胸が苦しい。
俺の方が好きだ。昨日気づいただけのお前と比べるなッ、

‥。ああ、

本当に
今の俺、ダサすぎでしょ。