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第3章
先に泣かれると泣けないタイプ
しおりを挟む「えっと‥行かなくて、いいのか?」
主人公くんが、俺に問いかける。
どうして‥
「どうして?俺が行く必要ある?」
「いや‥エルは‥ルーの事が好きだと思ってたから‥その」
「好きだよーーー」
一目見たあの瞬間からずっとーー
「ッ、」
「だけど、俺の手はルーには届かないから。せめて、背中を押してあげられる‥声になりたいんだ。」
今日の俺氏はよく喋るな‥。
なんだよ、声になりたいって、ポエマーかよ。はあ、
落ち込んでんのか‥?らしくない。
いつもみたいに笑えばいいものを。
俺の頬よ上がれ。
「そんなの、伸ばせば‥届くだろうッ‥!」
「そう、だね。届くのに‥手を伸ばせないんだ。
はは、俺は、臆病で格好の悪い人間だからさ~。
‥君みたいになれたらいいのに
‥なんて、
じゃあ、俺は授業があるから行くよ。君も遅れないようにね~。」
これ以上彼といると、八つ当たりしてしまいそうで怖い。
嫌な人間になりたくないんだ。
どうか今は1人にしてくれたまえ
「ッエルはカッコ悪くなんかない!
優しいんだよ!
エルは優しいよ‥」
「ッ!」
優しい
ルーが俺にいつも言ってくれる言葉。
ふいに目が潤んで。
情けなくて、どうしようもなくて
だけどそれよりも
「っ、ちょっと、なんで君が泣くの!?」
俺が泣きたいのに、先に涙を流す主人公くん。びびって駆け寄ると、さらに大粒の雨が‥
俺氏、どうすればいいのッ
「ふっ、‥俺はエルの事、かっこいいって思ってる‥グスッ‥優しいとこも、臆病なとこも、エルの
全部が好きだからーー」
真っ直ぐに響く。
心臓に突き刺さって染み込んでいく。
「ッ、どうして‥俺なの‥」
「好きになるのに、理由がいるの‥?」
「だって意味不明だよ君‥ッ。俺なんかよりも良い人いっぱいいるじゃん。どうして」
こんなどうしようもないモブを‥
「エルがいい。他の誰でもない。エルがいいんだ。」
おかしな奴‥おかしいよ。
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