悪役令息の取り巻きに転生した俺乙

花村 ネズリ

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第2章

手と手が触れ合って、そしてまた欲しくなる

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「る、ルー‥お、怒ってる~?」


俺は今、非常に困っている。



「‥怒ってない」


絶対嘘じゃん!まん丸い目がツンツンしてるもん!!俺氏突き刺されそうだよッ

「ほんと、置いてっちゃって‥ごめん」


あれから校舎裏に戻ると、
激おこぷんぷん丸と化したルーが腕を組んでこちらを睨んできた。

どうやら、理由も分からず1人で残された事にご立腹のようだ。


そうだよな。昔からルーは1人で居るのが大嫌いだったのに。
そんな事分かっていながら俺は‥。


「ルー‥ごめんね」

「‥」

「本当に悪かったよ‥もう絶対ルーを1人にしないから」

「‥‥本当?」


ちらりと伏せていた目を、俺に向けるルー。
その顔はどこか期待に満ちていて


「うん。約束。ルー望めば、必ず側に居る。」

「やく、そく‥へへ、うん!約束!」


俺の差し出した小指を、小指で握り返すルー。
小さな指‥可愛い

う、
なんか俺変態くさくない?





「エルの手‥こんな大きいんだね」


「ッ!」


まじかーーー
指を絡めながらも、俺の手をなぞるルーの手。
っつ、もうッ、本当にこの生き物はッ



「る、ルーの手は小さすぎだよ~ちゃんと食べてるの~」


「ッ食べてるもん!!エルは育ちすぎなの!」


うん、それは反論できない‥。
もう少し小さければ、ルーと視線が近くなるんだけどな

「いいよ。僕まだ育ち盛りだし!」

また拗ねちゃったルー。
でも、なんだか少し口元がニマニマして嬉しそう。

そんなルーを見て、
俺も嬉しくなって、表情が緩む。


「‥ねえ、今ピエロくん‥外してもいい?」

「え‥?」

「なんだか、エルが笑ってる気がしたから」


す、鋭いな‥

「どうして分かったの?」

俺は相棒を頭にズラす。
眉を下げておどけてみせるが、
たぶんニヤついてるのバレバレ。


「ふふ‥長年の勘」

「降参です‥」

「えへへ‥よろしい」




俺はルーの頭に手を伸ばす。
サラサラの黒髪が、俺に擦り寄ってきた。
こんな幸せな時間がいつまでも続けばいいのに。
俺が望む時に‥君が隣にいてくれたら‥


どんどん貪欲になる自分が醜くて嫌だーー
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