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第2章
?side 担当者E
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?sideーー
「ここでいいか‥。おい、シオン。何故俺を差し置いてルーなんぞに構う?」
ファイ・キングダム
次期国王という立場。
周囲からの期待。
家族からの威圧や、第2王子との権力争い。
幼い頃から毒を盛られ、命を狙われ、信じられるのは自分自身のみ。
だが、心の奥底では温もりを求めていて‥
見返りもなく自分を治療してくれた主人公。
自分と対等でいてくれる主人公に好意を抱く。
ファンからは俺様系イケメンと呼ばれていた。
「ルーは友達だ。だから一緒にいるんだ。」
「俺達も友達でしょー!俺、シオンがいないと寂しい‥また、ファンの子に手を出しちゃうかも」
リオン・ソード
両親の離婚。そして再婚。
大好きだった母にいらない子だと捨てられ、父親に引き取られる。
その過去から、愛などは幻想だと愛を嫌う。
主人公から、夜遊びを止められ、
興味を持つ。そして、愛へ一途な主人公に想いが芽生える。
好きな気持ちが募るのに、
嫌われるのが怖くて一歩を踏み出せない。
ファンからの命名は、ヘタレチャラ男。
「ッ、リオン!そういうのは好きな人とッ‥
ああ‥こういう事を言うから駄目なんだな‥」
「へ?シオン?」
「‥勝手にしろ。リオンのしたいようにすればいい。」
「え、え?」
「シオン‥?」
困惑する2人の顔。
設定を知っている。だから同情した。
直してやろうと、解放してやろうと思った。
お前達に幸せが訪れればと‥。
だけど、そこに俺は居てやることができない。
「ごめん。俺、もうお前達の側にいられない。」
好きな人がいる。
『奇跡の魔法』新人キャラクター制作担当者E。
エル・クレヨン担当。
俺が心を込めて作ったーーー
両親が早くに事故で亡くなり、
親戚の家をたらい回しにされ、休める場所などなかった。足元が見えない暗闇。それが俺の世界。
だけど、
初めて任された仕事。
キャラクターのデザインを、設定を、
エルの事を考えているうちに、どんどん彼に惹き込まれた。
彼のことを考えると不思議と心が落ち着いた。
そして、いつしか彼に触れたいと、
話したいと、そう思うようになった。
気づけば、
俺は彼に恋をしていた
こんなどうしようもない恋
叶わないはずだった。
だけど今は違う。
「どういう‥事だ‥シオン」
「なん、で‥そんな事、言うの?」
「ごめん。」
あの日、
俺の生前の最後の日。
新しい仕事は、『奇跡の魔法』続編の企画担当。
俺は新攻略者に、エル・クレヨンを抜粋した。
これが通れば、エルとの恋愛が出来るのだ。
それが例えゲームでも構わなかった。
寝る間も惜しんで考えた企画案。
プレゼンで必死にエルの良さを訴えかけた。
俺は企画書を持って、駅内を走った。
そこには、案が通った事を証明する判。
イラストレイターが考えた表紙案には、
攻略者と新攻略者数名、そして主人公に並び、エル・クレヨンの姿。
俺はその姿を見て、心が踊った。
これで、やっと!エルに想いを伝えられるーーー
グサリッーー
突然、左胸に走る痛み。
何が起きたのか分からなかった。
目の前にはニヤリと気持ちの悪い笑みを浮かべる男。
数秒後に、女性の大きな叫び声がして
気付いた時には遅くて、
力の入らない身体は地をつき、
腕から滑り落ちる企画書。
最後に見たのは、めくれた表紙案に描かれたエル。
ああ、君に俺の想いをーーー
そのまま俺は意識を手放した。
「俺、好きな人がいるんだ」
生前俺は、通り魔に心臓を刺されて死んだ。
そして転生した。
『奇跡の魔法』の主人公。シオン・パールに
叶えられなかった気持ちを‥今度こそ‥君にーーー
シオンside endーーー
「ここでいいか‥。おい、シオン。何故俺を差し置いてルーなんぞに構う?」
ファイ・キングダム
次期国王という立場。
周囲からの期待。
家族からの威圧や、第2王子との権力争い。
幼い頃から毒を盛られ、命を狙われ、信じられるのは自分自身のみ。
だが、心の奥底では温もりを求めていて‥
見返りもなく自分を治療してくれた主人公。
自分と対等でいてくれる主人公に好意を抱く。
ファンからは俺様系イケメンと呼ばれていた。
「ルーは友達だ。だから一緒にいるんだ。」
「俺達も友達でしょー!俺、シオンがいないと寂しい‥また、ファンの子に手を出しちゃうかも」
リオン・ソード
両親の離婚。そして再婚。
大好きだった母にいらない子だと捨てられ、父親に引き取られる。
その過去から、愛などは幻想だと愛を嫌う。
主人公から、夜遊びを止められ、
興味を持つ。そして、愛へ一途な主人公に想いが芽生える。
好きな気持ちが募るのに、
嫌われるのが怖くて一歩を踏み出せない。
ファンからの命名は、ヘタレチャラ男。
「ッ、リオン!そういうのは好きな人とッ‥
ああ‥こういう事を言うから駄目なんだな‥」
「へ?シオン?」
「‥勝手にしろ。リオンのしたいようにすればいい。」
「え、え?」
「シオン‥?」
困惑する2人の顔。
設定を知っている。だから同情した。
直してやろうと、解放してやろうと思った。
お前達に幸せが訪れればと‥。
だけど、そこに俺は居てやることができない。
「ごめん。俺、もうお前達の側にいられない。」
好きな人がいる。
『奇跡の魔法』新人キャラクター制作担当者E。
エル・クレヨン担当。
俺が心を込めて作ったーーー
両親が早くに事故で亡くなり、
親戚の家をたらい回しにされ、休める場所などなかった。足元が見えない暗闇。それが俺の世界。
だけど、
初めて任された仕事。
キャラクターのデザインを、設定を、
エルの事を考えているうちに、どんどん彼に惹き込まれた。
彼のことを考えると不思議と心が落ち着いた。
そして、いつしか彼に触れたいと、
話したいと、そう思うようになった。
気づけば、
俺は彼に恋をしていた
こんなどうしようもない恋
叶わないはずだった。
だけど今は違う。
「どういう‥事だ‥シオン」
「なん、で‥そんな事、言うの?」
「ごめん。」
あの日、
俺の生前の最後の日。
新しい仕事は、『奇跡の魔法』続編の企画担当。
俺は新攻略者に、エル・クレヨンを抜粋した。
これが通れば、エルとの恋愛が出来るのだ。
それが例えゲームでも構わなかった。
寝る間も惜しんで考えた企画案。
プレゼンで必死にエルの良さを訴えかけた。
俺は企画書を持って、駅内を走った。
そこには、案が通った事を証明する判。
イラストレイターが考えた表紙案には、
攻略者と新攻略者数名、そして主人公に並び、エル・クレヨンの姿。
俺はその姿を見て、心が踊った。
これで、やっと!エルに想いを伝えられるーーー
グサリッーー
突然、左胸に走る痛み。
何が起きたのか分からなかった。
目の前にはニヤリと気持ちの悪い笑みを浮かべる男。
数秒後に、女性の大きな叫び声がして
気付いた時には遅くて、
力の入らない身体は地をつき、
腕から滑り落ちる企画書。
最後に見たのは、めくれた表紙案に描かれたエル。
ああ、君に俺の想いをーーー
そのまま俺は意識を手放した。
「俺、好きな人がいるんだ」
生前俺は、通り魔に心臓を刺されて死んだ。
そして転生した。
『奇跡の魔法』の主人公。シオン・パールに
叶えられなかった気持ちを‥今度こそ‥君にーーー
シオンside endーーー
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