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第2章
俺の瞳が薔薇色に輝くぜ
しおりを挟む「シオン。来い、話がある。」
「ええ?!ちょ、今俺!!」
「いいからー!ほらほらー!」
「まっ!?」
抵抗虚しく連れ去られる主人公くん。
ああ、それだよ。
君がたどる正しいシナリオはね。
俺はこちらに助けを求める主人公くんから目線を逸らした。
「本当に‥何が起こるか読めないよ神様‥」
ポツンと取り残され俺は
その場にうずくまる。
まだ確実には分からないが、
2人目の転生者、主人公シオン・パール。いや、もしかしたら俺が2人目なのかもしれない。
シナリオと全く違う行動、言動。
説明がつく。ついてしまう。
ただ、何故俺の事を好いているのか‥そこだけが謎だ。
彼は俺、エル・クレヨンの知らない最初からだと言った。
つまり、生前ゲームをプレイして俺の存在を知っていて、そこでエル・クレヨンというモブを好きになった‥そういう事なのだろうか?
だけれど、モブのモブを‥好きになる事などありえるのか?
いや、まて‥俺も生前ギャルゲーに出てくるモブ子ちゃんの事を、可愛いと推していた事がある‥。
ただ、恋愛感情までは抱かなかったが、
本気で好きになる人も世の中には居るのかもしれない。
でも‥もしそうだとしても、中身が別の人間だったら?
彼はどう思うのだろう。
受け入れてくれるのだろうか?
それとも、非難する?
分からない。分からないから怖い。
俺と彼が同じならば、いろんな話をしたいし、今後のことだって協力できるかも‥。
でももし否定されたら?俺という存在を受け入れられず、シナリオ通りの結末に進んでしまったら?
悪役一同の断罪ーーー
ルーに危険が迫るかもしれない。
駄目だ。それだけは駄目だ。
ルーの幸せだけは、守りたいんだ。
「俺の全ては‥あの子の為に使うぞエル」
俺は自分自身にそう言い放ち、気を引き締める。
目を閉じてまた開くと見えるのは薔薇‥薔薇‥薔薇‥。シュールすぎる‥。
うん‥元どおりの俺だ。
「はあ‥戻ろう‥ルーを置いてきちゃた‥。また怒られるな‥」
俺はゆっくりと立ち上がり、
置き去りにしてしまった愛しい人の元へ歩き出すのであった。
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