悪役令息の取り巻きに転生した俺乙

花村 ネズリ

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第2章

絶妙なタイミングで現れる人って絶対狙ってるとしか思えない

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「ねえ、君、俺の事好きなんだね‥。どうして?」


フラフラと校舎裏の先にある庭園を歩きながら、問いかける。
人気の無いところを探してたけど‥
こんな薔薇が咲き乱れたところで話しにくいって
誰の趣味ですか。花の量が異常だよ。逆に怖いわ。


「うええ!?ど、どどど」

「俺、結構鋭いんだ。さっきも俺の事好きって言おうとしてたでしょ」


俺は諦めて、庭園のあまり手入れされていない花壇の前で止まる。
その際握っていた手をとくと、少し残念そうな顔をした主人公くん。

ほんと‥どうして俺なの




「俺ッ‥エルが好きだ‥」


またあの目‥


「だから‥どうして」

「前から‥いや、エルが俺を知らないずっとずっと最初から、エルが好きだ」

「い、意味わかんないんだけど」

なんだよ。人生初告白されてるんだよね今俺。
多少強引だったけど、こんな好き好き言われたらさ‥な、なんか恥ずかしくなってきた。


「分からなくていい。
俺を好きじゃないエルでもいい。
ただエルと一緒に話して一緒に笑い合いたかったんだ。


たとえ、シナリオが変わったとしてもーー」



ドキリと心臓が嫌な音を立てる。

は?

「シナ、リオ‥?」


よく俺が口にする言葉。
シナリオ。その言葉を知っているのは、
ここがシナリオ通りに進むはずの世界だって分かってるって事。
まさか彼はこの世界の事を知っている?
そんなはず‥
いや、まて
俺も転生したんだ。それなら、




2人目がいたっておかしくない


「君‥まさか‥」

俺の言葉を遮るように、
背後から二つの声が被さる。


「見つけたぞシオン!」
「もー!探したんだよー!」


「おえ!?ファイとリオン?何でここに?」


その1くんとその2くん‥。


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