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第2章
え、お前の席ねえから?それはつらたんすぎない?
しおりを挟むそれは突然だった
「ルー!昼食いに行こうぜ!」
「ルー、今度の日曜遊びに行かね?」
「ル~、放課後空いてるか?」
これは一体どういう状況だ‥
主人公くんが、ルーにべったりなのである。
主人公くんが、ルーに絡むのは元からだ。
だがしかしッ
ここまで異常ではなかったはず。
なんなのだよ。
何故‥俺のポジションを
主人公くんに取られねばならんッ
解せぬ‥
非常に解せぬぞ。
その1くん、その2くんも俺と同じ考えのようで、
困惑した顔で、ルーを連れまわす主人公くんを必死で追いかける。
「ね、ねえ。ルー?今少し大丈夫?」
ルー、優しいから~嫌だけど断れないんじゃない?なんて思って
逃げ道を作ってみるも‥
「あ、ごめんエル‥。今シオンくんと話してて‥」
「お、おう‥そうか‥。こちらこそ邪魔して悪かったよ‥はは、は‥」
軽やかにフラれた俺氏。涙
待て待て、本当に状況が分からないッ
ちょっと、どうしちゃったのほんと‥
ルー、主人公くんの事苦手じゃなかったのか‥?
最初は戸惑ってたのに、3日もすれば超仲良しじゃん。話途切れないとか、マブダチじゃん。
‥なんか、なんか‥俺‥
しんどいぞ‥
「おい‥アルビノ‥ちょっと来い‥」
焦った表情で、俺を呼び止めるその1くん。
ヒソヒソと呼び出され、連行される。
俺はショックで返事もできず、主人公くんと机を挟み、頬を赤くしたり、可愛く微笑んだりするルーを見つめながら、その1くんに引きずられていったのであった。
乙。
「なんだッ、アレは!?シオンは何を考えているッ」
「‥。」
「‥これは緊急事態だよ~‥って、ちょっとピエロ君、聞いてるの?!」
いや、この面子の方が非常事態だわ。
その2くんにブンブン肩を揺らされる。
やめろ、ゲロる。
‥俺は今ブレイクハートなうなうなんだよ。
1人にさせてくれたまえ。
「もしや‥シオンは、ルーに惚れたのかッ」
「最初からやけに懐いてたけどさ~、まさか、本気になっちゃったとかッ!?」
「‥。」
つか、何このモブモブした会議‥
ただの地味なモブ会議じゃん。
なにメインキャラが参加してんのよ。
アタイ、嫌になっちゃうッ
「あっ!もしかしてルーくんに脅されてるとか!!」
「っ!!なるほどなッ!それならば納得がいく!!」
急に自信に溢れるその1、その2くん。
チミ達の考え方はどうしてそうルーを悪役にしたがるのか‥まあ、そういう設定だけども。
あのキラキラしたJKの休み時間みたいな光景を見てもまだそれが言えるのか貴様らよ
「‥でも、お二人共‥楽しそうでしたよね‥。」
「「‥。」」
「はあ‥」
なんて馬鹿馬鹿しい‥
失恋した負け犬共の、現実逃避兼、女々しい愚痴り合い‥。
そこに俺が含まれていると思うと、
情けなさすぎて自分の頬をぶん殴りたくなる。
こんなこと初めてすぎてどうしたらいいのか分からない。マイナスマイナスよプラスになれ。
‥。
親友という1番で、ずっと側で見守っていけると勘違いしていた。
そうだよ。親友なんて、何人でも作れるじゃん‥。
俺馬鹿ですか。そうですか‥。
てか、ネガティブすぎな‥はは
はあ‥
「‥俺、そろそろ失礼しますね。」
俺はフラフラと立ち上がり歩き出す。
所詮モブはモブなんだ‥
これから、どうしよう‥。
俺、ルーともう一緒にお弁当食べたり、
しょうもない話で笑い合ったり出来なくなるのかな‥
そしたら‥そしたら‥
ああ!だからメンヘラやめてえええ!
俺そんなキャラじゃないからあああ!!
はあ‥
「お、おう‥。」
「なんだか‥ピエロくんが一番こたえてるよねー‥。表情はまったく分からないけど‥心なしか、ピエロの仮面が情けなく泣いてるように見えるよ‥。情報を聞き出そうと思ったんだけど‥これじゃあ‥ね‥」
「廃人、だな‥。」
「うん、それ俺も思った。」
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