悪役令息の取り巻きに転生した俺乙

第1章

モブのモブというのは存在感が薄い

俺は今日もまた、1日をルーと共に過ごす。

相棒をつけた俺はルーの美貌と家柄に近づく輩からルーを守る護衛係と化す。





「あ、あの！ファイ様！！これ！受け取ってください！！」

「いらん。」

「そう‥ですか‥」


ああ、また断りやがった。
朝早くからせっせと作った手作り弁当。
今日も慰めコース確定だな。




「君も諦めが悪いねー」

「っ、」



いかにもチャラチャラしたピアス野郎が、笑う。

攻略対象その2。
妹からの呼び名は、ヘタレチャラ男だ。

主人公から構われるルーを目の敵にしてる。




「‥え、エル‥。」

「ん‥？ああ、こんにちは、パールくん。」


その2くんを、観察していると、
突然後ろから声をかけられる。

何故俺に‥。主人公くん。
こいつもまた変わってるな。


「こん、ちわ‥」

「俺になにか？」

「っ！！な、なんでもないッ！おい、ルー！今日も可愛いな！！」

「わっ！？」

「‥。」


逃げるようにルーに飛びつく主人公くん。
あの日からずっとこうだ。
俺を見つけるたび話しかけてきては、すぐに逃げていく。
何がしたいのか全く分からない。

その1、2くんの目がギラリと光った。






校舎裏‥はやく行きたいな。