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三月

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急に目の前に降りてきた俺の名を、友人が呼んで、
だけど、
不審者達はそんな事には目もくれず、
俺を押しのけて、友人に詰め寄ろうとする。



まじか



「三月!話を聞いてくれ」

「だーかーらッ!?何度も同じこと言わせんなッ俺は何も知らねえよっ!?」



友人に掴みかかるサラサラ金髪。
それをペシッと払って友人も言い返してる。



「えー‥せっかくかっこよく登場したのに、無視せんといてやー。」


嫌んなるわほんまに‥
みーんな、自分の事しか考えてないんやから‥生き急ぎすぎやで。のんびりいこうや。



「あ、東‥、悪い‥違うんだ、こいつらしつこくて‥」



まあ、その気持ちも分かると思う。
見るからに、人の話を聞けへんそうな奴らやもんな。

てかな、HRから思ってたんやけど、なんでコスプレしてんの。その、ファンタジーな感じよ‥なんか1人おっさんおるんやけど‥誰かの保護者ですか?
こいつらを、よう通したな警備員‥



「ああ、もー‥ちょっと、皆さん聞いて‥。、俺、ここの風紀委員なんですー。いじめやカツアゲは取り締まらなあかんのよ。で?この状況は何ですか?」

おっさんがものすっごい気になるけど、
あえてスルーしながら状況を聞く。
これも風紀の仕事の一環で、
喧嘩両成敗は日常茶飯事や。

どっちの味方にもならず、どっちの味方にもなる。
よく分からんシステムやけど、魔王さんが決めた事やから逆らわへん。


「‥こいつらが、道に迷っていたから、教えてやったんだ‥。そしたら、意味わかんねえ事騒ぎ出して‥」


友人の、岡 三月(オカ ミツキ)は、
この風紀のルールを分かってる。
だから、
落ち着いて説明してくれるけど、

問題はこちら



「三月は、姫様と瓜二つなんだッ。魔王側に狙われる可能性がある。だからっ、俺たちと共に常に行動してくれッ巻き込みたくないんだ!!」



はいはい、なるほど。

うん。



俺にもよくわからんわー。これ無理やな。


「はあ‥さっきからこればっか‥何とかしてよ東‥」


「お前が姫とかウケるわー。めっちゃおもろいやんこの人達。」


「その死んだ目やめろ。殴るぞ‥」


そんなん言われたって‥俺宇宙語とか聞き取られへんし‥理解してあげたくても、出来ひんねんもん。


「お前が女の子みたいに可愛い顔してるから、
運悪く目つけられたんやって。どんまい」

「てめえええ」


まあ、頑張って。
そんな意味を込めて、怒り狂う岡の肩をポンと叩くとキッと睨まれる。
プラス、突っ込んでくるキラリとしたものを咄嗟に避けた。


俺の背後の木に刺さる剣。

ツーっとアニメのように血が頬を伝って、
気分がどんよりとする。


「えぇ‥、いやいやいや、これは、あかんのちゃいます‥?」

「ひ!?け、剣っ!?あ、東‥ほっぺから‥血が出てる‥っ、ほ、本物‥?!」




「姫様に‥触れるな‥」




紺の髪を揺らして、俺を突き刺そうとした奴。
いや、初めて喋ったよな君。
いやいやいや
誰やねんお前ぇ‥
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