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第1章

仲間の方々

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ミア「‥貴方に言われたくとも、グレン様は必ずこのミラが守り抜きますわ。」

ジ「うむ。私はか弱そうな貴方とは違い、腕が立つのでな。守り損ねる事はまずない。」

リ「敵さんが来る前に、アタイが暗殺しちゃうから~。
あ!君運の悪そうな顔してるから、
間違えてアタイの毒に引っかからないように気をつけなよ~」

サ「(コクリッ」






「はは‥心強いです‥ありがとう‥安心しました‥。」




なんだ‥皆んな強いんだ‥。
私より頼りになって、私より役に立って‥
私より、グレンの隣が合う‥。


おじさん‥私‥

おじさんから頼まれてた任務‥‥もう、おしまいにするわ。




私は溢れ出しそうになる雫を堪え、グレンに歩み寄る。


「グレン‥ッ、アンタこんな美人に囲まれちゃって浮かれて死んだら許さないんだからね!!が、頑張りなさいよね!」

グレ「ああ‥分かってる」



確かに瞳に強い光が宿ったグレンに、
自然と笑みが浮かぶ。

弟みたいだったのに‥随分成長しちゃってさ‥。
本当生意気なんだから‥馬鹿。



「グレン‥‥私達は、空の下どこにいても繋がっているわ。いつでも、貴方の側に‥。」


グレンの頬に手を触れ、額同士を合わせる。
村の伝統である、無事を願う送りの挨拶を交わす。



グレ「ッ!!リズ‥ッ俺!!」



グルルルルルル




「「「「「‥。」」」」」



グレンが何か言いかけていた気がするけど、
私はパッとグレンから離れる。
大きな腹の音が周囲に響き渡った。



ミア「ご、ごめんなさい‥私‥昨日から何も食べてなくて‥。」


リ「ぷっ、あはは!!ミアっち最高!!!」


ジ「昨日は食用シシを取り逃がしたからな‥。」


サ「(コクリ」




グレ「‥リズ、すまないけど、皆んなにご馳走してくれないかな?」



グレンの言葉に顔を見せないようにして返事をした。


「仕方ないわね。ちょっと待ってなさい。」



グレ「ありがとリズ」



私は酒場の裏に入ると、
その場にしゃがみ込む。


頬が熱い
涙が溢れてくる。


ああ、今日これでもう‥

グレンは私の隣にいないんだ‥



胸が締め付けられて苦しい。
泣いちゃダメ。



しっかりしろリゼ。

私は強いからーー大丈夫ーー



頬をパチリとまた叩き、
気合いを入れて立ち上がる。



「よし、とっておきの料理、作らなくちゃだね!」













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