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第5章 再開編
偽善者共
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ラシル side ーー
「ただいま戻りました!!ラシルさん!お土産ですよ!」
「‥」
こいつの記憶は薄いが、覚えている。
何かの組織で俺の後ろをずっと犬のようについてきた‥
そうだ、犬だーー
こいつを見た瞬間、城で飼っていた犬を思い出した。だからそう名付けた。
は、そうか。城ねえ‥何故主人である王のもとから離れたのか疑問だったんだよ‥
「これと、これとー、これ!はい!ラシルさん、どれがいいですか‥?」
「‥」
「ら、ラシルさん‥?」
「‥いらねぇ」
「‥え、」
「‥少し気分が優れない。外してくれ。」
「あ‥その、お、大声、出してすいません‥分かりました、すぐ出て行きます‥ゆっくり、休んでくださいッ‥」
「‥」
部屋を出ていくその慌てっぷりな性格は変わっていない。
だが、
犬と奴がコソコソと何かを話しているのを何度も見た。犬は奴の協力者‥又は、事情があり嘘をついて俺を騙した。そんなところか
裏切り者はいらねぇ。主人に嘘をつく犬は駄犬にすぎない。ゴミ以下ならいつでも崖から蹴り落としてやる。
それより、問題は
闇魔法‥まさか、あのクソ野郎も使えるとはなぁ‥
記憶を消してくれるなんて笑えるぜ。最高のザマだ。
精霊共は俺によく光属性の魔法を使わせたがる。
いつもなら鬱陶しいが、今回は上出来だった。
ーー赤き光になりて、闇を喰いつくせッ
あの時だ。闇魔法を喰いつくした時‥俺自身に掛かっていた術式も影響を受けて少し喰われた。そこから型を崩し、徐々に退化していっている。
ひとつひとつゆっくりと‥思い出していく記憶がもどかしい。
「はぁ‥お前も言い方を考えろ‥アレはお前の事を好いている事ぐらい気がついているだろう‥」
偽善者1
「アサヒッ!?ど、どうすればいいんだろっ?お、追いかけるべき?でも、俺アサヒに怒ってるし‥まだ許してないし‥でも‥うーん‥」
偽善者2
「‥」
言葉を交わせば腐りそうな腐敗臭。
腹わたが煮えくりかえりそうだ。
白髪と茶髪‥犬に紹介された男達。
この男共の記憶はまだ思い出せねえ。
だが、1人の男が持つその刃は、この手で奪ったもの。
何が王国騎士だ。
こんなクソみてえな国、あの剣の試し斬りで充分だった。
こいつらも王国の為に、こんなクソみてえな仲良しごっこをしてるってんなら、信じるに値しない。
全てを思い出せれば‥こんな胸糞悪い所ッ
くそっ
‥何故アイツは俺の側にいない‥?
1番に思い出したのはアイツの名前だ。
サルファー‥俺が付けた母の好きだった故郷の宝石の名‥。
どうして、違う名を口にした
こうなる前をまだ思い出せていない。
だが、募るのは苛立ちだけ
アイツへの‥苛立ちだーー
帰るだと‥、ふざけるな
お前の居場所は俺の隣だけだ
敵に囲まれて裏切ったか?
他に仲間が居て、絆されたか?
あの男は一体誰だ‥
何故、お前は姿が変わって‥
いや‥
全部
関係ねぇ‥ーーー
‥俺から‥逃げられると思うなよ‥
サルファー‥
ラシル side endーー
「ただいま戻りました!!ラシルさん!お土産ですよ!」
「‥」
こいつの記憶は薄いが、覚えている。
何かの組織で俺の後ろをずっと犬のようについてきた‥
そうだ、犬だーー
こいつを見た瞬間、城で飼っていた犬を思い出した。だからそう名付けた。
は、そうか。城ねえ‥何故主人である王のもとから離れたのか疑問だったんだよ‥
「これと、これとー、これ!はい!ラシルさん、どれがいいですか‥?」
「‥」
「ら、ラシルさん‥?」
「‥いらねぇ」
「‥え、」
「‥少し気分が優れない。外してくれ。」
「あ‥その、お、大声、出してすいません‥分かりました、すぐ出て行きます‥ゆっくり、休んでくださいッ‥」
「‥」
部屋を出ていくその慌てっぷりな性格は変わっていない。
だが、
犬と奴がコソコソと何かを話しているのを何度も見た。犬は奴の協力者‥又は、事情があり嘘をついて俺を騙した。そんなところか
裏切り者はいらねぇ。主人に嘘をつく犬は駄犬にすぎない。ゴミ以下ならいつでも崖から蹴り落としてやる。
それより、問題は
闇魔法‥まさか、あのクソ野郎も使えるとはなぁ‥
記憶を消してくれるなんて笑えるぜ。最高のザマだ。
精霊共は俺によく光属性の魔法を使わせたがる。
いつもなら鬱陶しいが、今回は上出来だった。
ーー赤き光になりて、闇を喰いつくせッ
あの時だ。闇魔法を喰いつくした時‥俺自身に掛かっていた術式も影響を受けて少し喰われた。そこから型を崩し、徐々に退化していっている。
ひとつひとつゆっくりと‥思い出していく記憶がもどかしい。
「はぁ‥お前も言い方を考えろ‥アレはお前の事を好いている事ぐらい気がついているだろう‥」
偽善者1
「アサヒッ!?ど、どうすればいいんだろっ?お、追いかけるべき?でも、俺アサヒに怒ってるし‥まだ許してないし‥でも‥うーん‥」
偽善者2
「‥」
言葉を交わせば腐りそうな腐敗臭。
腹わたが煮えくりかえりそうだ。
白髪と茶髪‥犬に紹介された男達。
この男共の記憶はまだ思い出せねえ。
だが、1人の男が持つその刃は、この手で奪ったもの。
何が王国騎士だ。
こんなクソみてえな国、あの剣の試し斬りで充分だった。
こいつらも王国の為に、こんなクソみてえな仲良しごっこをしてるってんなら、信じるに値しない。
全てを思い出せれば‥こんな胸糞悪い所ッ
くそっ
‥何故アイツは俺の側にいない‥?
1番に思い出したのはアイツの名前だ。
サルファー‥俺が付けた母の好きだった故郷の宝石の名‥。
どうして、違う名を口にした
こうなる前をまだ思い出せていない。
だが、募るのは苛立ちだけ
アイツへの‥苛立ちだーー
帰るだと‥、ふざけるな
お前の居場所は俺の隣だけだ
敵に囲まれて裏切ったか?
他に仲間が居て、絆されたか?
あの男は一体誰だ‥
何故、お前は姿が変わって‥
いや‥
全部
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‥俺から‥逃げられると思うなよ‥
サルファー‥
ラシル side endーー
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