鬼畜な悪党の下っ端に転生したのだが、頑張って生き抜きたい

花村 ネズリ

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第5章 再開編

再開

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「うーん。この‥今流行りの魔風器ってなんだ‥?日常的なもんは全部分かるんだけども、この流行りってのがな‥分からん‥分からんぞ‥」



人が行き交う中、
考えるどこぞの像のように頭を悩ませる俺っち。


組織のママン的存在だった俺だが、
新しい料理器具が出たって、お金が掛かるから買い替えないケチなこの性格。
流行りには疎い。



欲しいものリストに書かれた魔風器。
欲しい人はブルーノだって事は記されているが、その使い道や特徴が書かれていないから頭を悩ませている。


魔風器‥魔風器ねえ‥
キョロキョロとそれらしきものがないかと辺りを見回すと、
少し先の雑貨屋に、如何にも流行りに乗っかっちゃってる系店主が居て、
しめたと足早に店へと向かう。



「お兄さん!すんません!魔風器ってやつありません?今流行りらしいんすけど」



「おう!いらっしゃい!運がいいね!魔風器なら今朝入荷したところだ!ほら、ここから全部魔風器だから、好きなの選んでいきな!!」



店主に言われた通りにそこに目をやると、
夏場に女子が教室でよく使っていた見覚えのあるそれ。
様々な形をして並んでいて、
俺は顔をひきつらせる。




「こ、これが魔風器‥ってただの小型扇風機じゃねえか‥まあ、今の気温なら欲しくもなる気は分からなくもないが‥よし、どれにしてやろうかな‥如何にもJKが使ってそうなすっげえ可愛いやつにして、あいつに辱めをっ、!?」



ウサギの長い耳がついた魔風器。
それを取ろうとして差し出した手を
急に後ろから掴まれ、俺は目を見開く。


だ、誰だ貴様ッ
俺は悪い事なんて、し、してないですすんませんんん



「ッ、お前ーー」




振り返った先、
そこに居た人物に






「え‥?」






俺は間抜けな声を出して、その場に固まった。


太陽に輝く金髪。
絶対王者の赤い瞳が、情けなく俺を捉える。


先程まで俺が思い出していた青年。




俺の中の一部が


愛した人間の姿ーー





急に手汗が溢れ出して
息がうまくできなくなる。







、なんで、ここにいるんだよッ










ラシル、ーー
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