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第5章 再開編
買出し係
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‥
目が覚めたのは窓の外が暗くなった頃。
隣には喜一が寝ていて、なんだか
心地の良い夢を見ていた気がする。
ふと、喜一の瞳が開いて
ドキリと心臓が高鳴った。
「おはよ‥光」
「‥はよ‥」
喜一が俺の頬を撫でる。
俺はその手にそっと触れて、にへりと口角を緩める。
いつまでそうしていたんだろう。
ただ2人でずっとお互いを見つめ合っていた。
綺麗な2つの月が夜空を照らす。
その空みたいな瞳の中に
怒り狂う青い鳥が一羽‥
「うおあああっ、あ、青ッ」
「おはようございます‥随分と呑気なご起床だことで‥」
「ひ、そ、それは‥わ、悪かった、です‥」
やっべえ‥色々あって忘れてたけど、
青様が激おこ案件すぎてとりまハゲそうだ。
青の結界を破壊して
さらに、主人を攫って今もこうしてゴロゴロと‥
だめだ‥今日が命日かもしれん。
「ピーピーうるせえぞクソ鳥。静かにできねえのかー」
ゴロンとベッドから起き上がる気配のないこの怠け者。
火に油を注ぐな燃え上がるぞ
「主人‥仕事の方はどこまでお進みに?」
「ふあ~‥、おやすみなさい。」
「しゅ、じんッ~貴方って人はッ!?!?」
ほら、言わんこっちゃないッ
俺は今にも魔法をぶっ放ちそうな青の前へと立ちふさがる。
「お、俺のせいだ!俺が引き止めたからッだからッ」
「そうだそうだ~、もっと言ってやれ俺は無実だとなー」
「おいこらてめえ‥」
やっぱやめた。お前を庇おうとした俺が馬鹿だったぜ‥青に連れていかれてろッ
「‥もういいです。光様、お仕事があります。‥昨日話した買出しの話ですが明日の朝1番から出発してください。」
「へ、でも7日後って‥」
青の言葉に首をかしげる。
予定がだいぶ変わってくるけど大丈夫なのか?
そう思い青を見るも、
メラメラ青い炎が彼を覆っていて、俺の顔は引きつった。
「いいから‥買出しにッ、行け!!明日、朝一番にッ分かったら今すぐ主人から離れて、すぐに用意しろっ!!」
「は、はいっす!!行ってきやす!!」
条件反射とは恐ろしい。
敬礼する俺は、まるで新兵の軍人さん。
だって怖いんだもの。
「‥はぁ‥お前チョロすぎ‥」
「ふんっ。行きますよ主人」
「チ‥」
呆れた声を出す喜一にムッとするも、
ギロリと俺を睨む青に何も言えなくなる。
俺っちもしや‥嫌われてます‥?
いや、なんとなく分かっていたけれども‥
なんともいえないこの喪失感‥ぎざ辛す。
ちょっと寂しくなって2人の背中を見つめていたら、クルリと青が向きを変えて俺にこう告げた。
「あと、光様はその醜いお顔を洗い流してくださいね」
「へ‥?って、
なんじゃこりゃあああああ喜一てめえええええ」
窓に映る自分の顔に発狂したのは
昨日の話だ。
俺っちの可愛いお顔に落書きした奴には後でたっぷりお仕置きするとして、
俺は今、海の上を
飛んでいるーー
「ああああああああ」
「うるさいぞ小僧。」
この方はドラゴンのフレイムさん。
買出し係隊長を務める俺の上司にあたる方。
部下の扱いが雑いのと、
人間を握りつぶす腕力と体重の持ち主である。
朝一からの出発。
青が言った通り、城を出て待っていると、
空からドラゴンが降ってきたのだ。
ドラゴンが‥
そりゃあもう恐ろしくて悲鳴をあげた。
名前を聞かれ、コウと答えると、
そのまま背中にひょいと乗せられ、
今ここです。
すでに買い物係を後悔しつつある俺を嘲笑うように、フレイムさんが急降下して、
草っ原に俺を
投げた
投げたぇ‥
全身が痛いです。そういうのはよ‥前以て言って‥
目が覚めたのは窓の外が暗くなった頃。
隣には喜一が寝ていて、なんだか
心地の良い夢を見ていた気がする。
ふと、喜一の瞳が開いて
ドキリと心臓が高鳴った。
「おはよ‥光」
「‥はよ‥」
喜一が俺の頬を撫でる。
俺はその手にそっと触れて、にへりと口角を緩める。
いつまでそうしていたんだろう。
ただ2人でずっとお互いを見つめ合っていた。
綺麗な2つの月が夜空を照らす。
その空みたいな瞳の中に
怒り狂う青い鳥が一羽‥
「うおあああっ、あ、青ッ」
「おはようございます‥随分と呑気なご起床だことで‥」
「ひ、そ、それは‥わ、悪かった、です‥」
やっべえ‥色々あって忘れてたけど、
青様が激おこ案件すぎてとりまハゲそうだ。
青の結界を破壊して
さらに、主人を攫って今もこうしてゴロゴロと‥
だめだ‥今日が命日かもしれん。
「ピーピーうるせえぞクソ鳥。静かにできねえのかー」
ゴロンとベッドから起き上がる気配のないこの怠け者。
火に油を注ぐな燃え上がるぞ
「主人‥仕事の方はどこまでお進みに?」
「ふあ~‥、おやすみなさい。」
「しゅ、じんッ~貴方って人はッ!?!?」
ほら、言わんこっちゃないッ
俺は今にも魔法をぶっ放ちそうな青の前へと立ちふさがる。
「お、俺のせいだ!俺が引き止めたからッだからッ」
「そうだそうだ~、もっと言ってやれ俺は無実だとなー」
「おいこらてめえ‥」
やっぱやめた。お前を庇おうとした俺が馬鹿だったぜ‥青に連れていかれてろッ
「‥もういいです。光様、お仕事があります。‥昨日話した買出しの話ですが明日の朝1番から出発してください。」
「へ、でも7日後って‥」
青の言葉に首をかしげる。
予定がだいぶ変わってくるけど大丈夫なのか?
そう思い青を見るも、
メラメラ青い炎が彼を覆っていて、俺の顔は引きつった。
「いいから‥買出しにッ、行け!!明日、朝一番にッ分かったら今すぐ主人から離れて、すぐに用意しろっ!!」
「は、はいっす!!行ってきやす!!」
条件反射とは恐ろしい。
敬礼する俺は、まるで新兵の軍人さん。
だって怖いんだもの。
「‥はぁ‥お前チョロすぎ‥」
「ふんっ。行きますよ主人」
「チ‥」
呆れた声を出す喜一にムッとするも、
ギロリと俺を睨む青に何も言えなくなる。
俺っちもしや‥嫌われてます‥?
いや、なんとなく分かっていたけれども‥
なんともいえないこの喪失感‥ぎざ辛す。
ちょっと寂しくなって2人の背中を見つめていたら、クルリと青が向きを変えて俺にこう告げた。
「あと、光様はその醜いお顔を洗い流してくださいね」
「へ‥?って、
なんじゃこりゃあああああ喜一てめえええええ」
窓に映る自分の顔に発狂したのは
昨日の話だ。
俺っちの可愛いお顔に落書きした奴には後でたっぷりお仕置きするとして、
俺は今、海の上を
飛んでいるーー
「ああああああああ」
「うるさいぞ小僧。」
この方はドラゴンのフレイムさん。
買出し係隊長を務める俺の上司にあたる方。
部下の扱いが雑いのと、
人間を握りつぶす腕力と体重の持ち主である。
朝一からの出発。
青が言った通り、城を出て待っていると、
空からドラゴンが降ってきたのだ。
ドラゴンが‥
そりゃあもう恐ろしくて悲鳴をあげた。
名前を聞かれ、コウと答えると、
そのまま背中にひょいと乗せられ、
今ここです。
すでに買い物係を後悔しつつある俺を嘲笑うように、フレイムさんが急降下して、
草っ原に俺を
投げた
投げたぇ‥
全身が痛いです。そういうのはよ‥前以て言って‥
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