95 / 134
第4章 魔王城編
朝喧嘩
しおりを挟む‥‥
「クソチビ、朝からなんて顔してんだ。ブスだぞブス。」
えらく冴えた頭と、目の奥の痛みに
気分が最悪だ。
その上、元凶であるこの男が朝から俺のところへ訪れたのが悪い。まあ、元はアイツの部屋なんだけど
「はよ‥うるせ‥つか、もういいのかよ‥その、仕事‥とか」
もしサボってでもいたら青が怒り狂いそうだと寒気がする。
この猛獣を手懐けるのは大変だろうが、八つ当たりだけは避けたい。
「まぁな。光ちゃんが寂しいだろうと思って来てやったぞい。俺様に会いたかっただろ?」
二へへと笑うこいつに、頬が赤くなって
いやいやいや、まてまてまて
「んな訳ねえだろッ」
「は?何照れてんだよ」
なっ、ちが
そうだ‥俺っち。いつもこんなの、軽く流してたじゃねえか‥くそ~、調子が狂うッ
とりあえず首をかしげる喜一から視線をそらそう、そうしよう‥いや、なんで俺がそんな気にしなければならないんだよ‥なんかそう思うとムカついてきた
「お前のせいだろうがッバーカバーカ!!」
これこそ八つ当たりである。しかもこの語彙力である。土に帰りたい。ああ、
分かってるさ、分かってるけどもよ。
‥この動揺を、今は隠したいんだって‥。
数秒経って、それでも返ってこない返事が気になって、
俺は喜一へと視線を戻す。
「ひッーー」
思わず飛び出した悲鳴。
許してほしい。だってよ、
にこりと口角を上げて、目を細め俺を見る喜一。
高校時代なら、キャーキャー黄色い声援をおくられていたであろうその顔。
だけど、俺には分かるんだ。貴方今、激おこプンプン丸ですよね喜一さん。
だって、目が笑ってねえ。
「ふーん‥俺のせいねぇ~。‥そっか、昨日のキス、気にしてんだ。しねえよ、もう。」
「き、喜一‥さん?」
笑顔が怖い。まじ怖い。
ちびりそうなぐらい怖いどうしよう。助けて
俺っちビビりなんだぞ。チキンなんだぞ
冷めた目。冷たい声。
絶対零度が俺を捉える。
「そんな否定してさ、青からちゃんと説明聞いたんだろ?嫌ならちゃんと飯食えばよかったじゃねえか。馬鹿はどっちだよドアホ。‥あー、そうだ。俺様、仕事思い出しちった。‥じゃ、俺行くから」
「へ?、き、喜一、まっ、」
淡々と喋るから一瞬意味が理解出来なかったが、これは明らかな否定だ。
急に種を返して扉へと帰っていく喜一に俺はパニクる。
「お、おいッ!待てよ喜一!?」
「‥。」
止まらない足。
離れていく背中。
あの日の光景が頭を過って、
物凄い不安が俺を襲った。
いやだ
いや、だ
まて、よ
もう、
捨てられたくないーー
「っ、喜一!!し、して、いいからっ!否定なんてしねえからッ!!お、俺をっ見捨てんなよッーー」
「ッうおっ!?は?何?」
「クソチビ、朝からなんて顔してんだ。ブスだぞブス。」
えらく冴えた頭と、目の奥の痛みに
気分が最悪だ。
その上、元凶であるこの男が朝から俺のところへ訪れたのが悪い。まあ、元はアイツの部屋なんだけど
「はよ‥うるせ‥つか、もういいのかよ‥その、仕事‥とか」
もしサボってでもいたら青が怒り狂いそうだと寒気がする。
この猛獣を手懐けるのは大変だろうが、八つ当たりだけは避けたい。
「まぁな。光ちゃんが寂しいだろうと思って来てやったぞい。俺様に会いたかっただろ?」
二へへと笑うこいつに、頬が赤くなって
いやいやいや、まてまてまて
「んな訳ねえだろッ」
「は?何照れてんだよ」
なっ、ちが
そうだ‥俺っち。いつもこんなの、軽く流してたじゃねえか‥くそ~、調子が狂うッ
とりあえず首をかしげる喜一から視線をそらそう、そうしよう‥いや、なんで俺がそんな気にしなければならないんだよ‥なんかそう思うとムカついてきた
「お前のせいだろうがッバーカバーカ!!」
これこそ八つ当たりである。しかもこの語彙力である。土に帰りたい。ああ、
分かってるさ、分かってるけどもよ。
‥この動揺を、今は隠したいんだって‥。
数秒経って、それでも返ってこない返事が気になって、
俺は喜一へと視線を戻す。
「ひッーー」
思わず飛び出した悲鳴。
許してほしい。だってよ、
にこりと口角を上げて、目を細め俺を見る喜一。
高校時代なら、キャーキャー黄色い声援をおくられていたであろうその顔。
だけど、俺には分かるんだ。貴方今、激おこプンプン丸ですよね喜一さん。
だって、目が笑ってねえ。
「ふーん‥俺のせいねぇ~。‥そっか、昨日のキス、気にしてんだ。しねえよ、もう。」
「き、喜一‥さん?」
笑顔が怖い。まじ怖い。
ちびりそうなぐらい怖いどうしよう。助けて
俺っちビビりなんだぞ。チキンなんだぞ
冷めた目。冷たい声。
絶対零度が俺を捉える。
「そんな否定してさ、青からちゃんと説明聞いたんだろ?嫌ならちゃんと飯食えばよかったじゃねえか。馬鹿はどっちだよドアホ。‥あー、そうだ。俺様、仕事思い出しちった。‥じゃ、俺行くから」
「へ?、き、喜一、まっ、」
淡々と喋るから一瞬意味が理解出来なかったが、これは明らかな否定だ。
急に種を返して扉へと帰っていく喜一に俺はパニクる。
「お、おいッ!待てよ喜一!?」
「‥。」
止まらない足。
離れていく背中。
あの日の光景が頭を過って、
物凄い不安が俺を襲った。
いやだ
いや、だ
まて、よ
もう、
捨てられたくないーー
「っ、喜一!!し、して、いいからっ!否定なんてしねえからッ!!お、俺をっ見捨てんなよッーー」
「ッうおっ!?は?何?」
0
お気に入りに追加
1,847
あなたにおすすめの小説

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

公爵家三男に転生しましたが・・・
キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが…
色々と本当に色々とありまして・・・
転生しました。
前世は女性でしたが異世界では男!
記憶持ち葛藤をご覧下さい。
作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。
俺、転生したら社畜メンタルのまま超絶イケメンになってた件~転生したのに、恋愛難易度はなぜかハードモード
中岡 始
BL
ブラック企業の激務で過労死した40歳の社畜・藤堂悠真。
目を覚ますと、高校2年生の自分に転生していた。
しかも、鏡に映ったのは芸能人レベルの超絶イケメン。
転入初日から女子たちに囲まれ、学園中の話題の的に。
だが、社畜思考が抜けず**「これはマーケティング施策か?」**と疑うばかり。
そして、モテすぎて業務過多状態に陥る。
弁当争奪戦、放課後のデート攻勢…悠真の平穏は完全に崩壊。
そんな中、唯一冷静な男・藤崎颯斗の存在に救われる。
颯斗はやたらと落ち着いていて、悠真をさりげなくフォローする。
「お前といると、楽だ」
次第に悠真の中で、彼の存在が大きくなっていき――。
「お前、俺から逃げるな」
颯斗の言葉に、悠真の心は大きく揺れ動く。
転生×学園ラブコメ×じわじわ迫る恋。
これは、悠真が「本当に選ぶべきもの」を見つける物語。
【完結】もふもふ獣人転生
*
BL
白い耳としっぽのもふもふ獣人に生まれ、強制労働で死にそうなところを助けてくれたのは、最愛の推しでした。
ちっちゃなもふもふ獣人リトと、攻略対象の凛々しい少年ジゼの、両片思い? な、いちゃらぶもふもふなお話です(笑)
本編完結しました!
『伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします』のノィユとヴィル
『悪役令息の従者に転職しました』の透夜とロロァとよい子の隠密団の皆が遊びに来る、舞踏会編はじめましたー!
他のお話を読まなくても大丈夫なようにお書きするので、気軽に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。
舞踏会編からお読みいただけるよう、本編のあらすじをご用意しました!
おまけのお話の下、舞踏会編のうえに、登場人物一覧と一緒にあります。
ジゼの父ゲォルグ×家令長セバのお話を連載中です。もしよかったらどうぞです!
第12回BL大賞10位で奨励賞をいただきました。選んでくださった編集部の方、読んでくださった方、応援してくださった方、投票してくださった方のおかげです。
心から、ありがとうございます!
ちっちゃくなった俺の異世界攻略
鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた!
精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる