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第4章 魔王城編
庭の主
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‥
「この城は魔法城か何かですかー‥、」
バルコニーのようなところで下を見下ろしながら溜息をつく俺。
沢山の色の花が咲いた庭は目の下だってのに、
何処へ行っても降りられる場所がない。
自らの意思で動いているんじゃないかってほど、近づいても近づいても遠ざかるばかり。
「‥飛び降りるか‥いや、でも降りられないって事は上がれないんじゃ‥うーん‥」
青に怒られるのは怖いけど、
ここまできたら、どうしても庭に辿り着きたくなるぜ。
「よし飛び降りよう‥そんなに高くないし大丈夫だろ。うん。よいしょっ、と!
ジャーンプッ!!アイキャンフライ!!
ってなんじゃこりゃあああ!?」
手すりに足をかけて、飛んだ俺は
すぐに後悔した。
空中に浮いた瞬間、ぐにゃりと変わる景色。
ブラックホールみたいなのが、俺を吸い込んで、何メートルも下へ下へと落ちていく感覚。
やっぱ魔法城だったんかあああ
「ぎいやあああッ!?助けてええええっ!?」
死ぬうう、まじ死ぬううううッ
数秒だろうが、長く感じる浮遊感。
どんどんと青い光が広がったと思えば、
パッと一瞬で何か部屋のような場所へと景色は変わり、
そして俺は落ちた。
「ッ!ぶほっ!?」
「は?っ、ぐあっ!?!?」
誰かの上に‥
「っ、いってえな‥人の上にいきなり落ちてくるやつがあるかよ‥」
ふと、
下から聞き慣れた相棒の声がして、
俺は恐る恐る目を開ける。
「しかもスピードMaxとか殺す気かっての‥つか、どうやって入った?アイツのクソ魔法、解いたのか‥?おーい、反応しろよ馬鹿チビー」
真っ先に見えたのは、誰かの胸元で、
俺をその腕に包みこんで倒れる黒髪に、驚く。
受け止めるために魔法を使ったのか、
その周りに真っ黒な影が渦巻いていて、
俺はガバリと彼の上から起き上がった。
「き、喜一ッ!?」
「この城は魔法城か何かですかー‥、」
バルコニーのようなところで下を見下ろしながら溜息をつく俺。
沢山の色の花が咲いた庭は目の下だってのに、
何処へ行っても降りられる場所がない。
自らの意思で動いているんじゃないかってほど、近づいても近づいても遠ざかるばかり。
「‥飛び降りるか‥いや、でも降りられないって事は上がれないんじゃ‥うーん‥」
青に怒られるのは怖いけど、
ここまできたら、どうしても庭に辿り着きたくなるぜ。
「よし飛び降りよう‥そんなに高くないし大丈夫だろ。うん。よいしょっ、と!
ジャーンプッ!!アイキャンフライ!!
ってなんじゃこりゃあああ!?」
手すりに足をかけて、飛んだ俺は
すぐに後悔した。
空中に浮いた瞬間、ぐにゃりと変わる景色。
ブラックホールみたいなのが、俺を吸い込んで、何メートルも下へ下へと落ちていく感覚。
やっぱ魔法城だったんかあああ
「ぎいやあああッ!?助けてええええっ!?」
死ぬうう、まじ死ぬううううッ
数秒だろうが、長く感じる浮遊感。
どんどんと青い光が広がったと思えば、
パッと一瞬で何か部屋のような場所へと景色は変わり、
そして俺は落ちた。
「ッ!ぶほっ!?」
「は?っ、ぐあっ!?!?」
誰かの上に‥
「っ、いってえな‥人の上にいきなり落ちてくるやつがあるかよ‥」
ふと、
下から聞き慣れた相棒の声がして、
俺は恐る恐る目を開ける。
「しかもスピードMaxとか殺す気かっての‥つか、どうやって入った?アイツのクソ魔法、解いたのか‥?おーい、反応しろよ馬鹿チビー」
真っ先に見えたのは、誰かの胸元で、
俺をその腕に包みこんで倒れる黒髪に、驚く。
受け止めるために魔法を使ったのか、
その周りに真っ黒な影が渦巻いていて、
俺はガバリと彼の上から起き上がった。
「き、喜一ッ!?」
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