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第4章 魔王城編
青い
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‥
「‥なあ、何がしたいんだよ‥」
目を開けて、人の気配がする方へと顔を向ける。
青い綺麗な髪。
そういえば、地球に居た頃も、
喜一は珍しい青い鳥を飼っていた。
放し飼いなのか、野良なのか、
喜一の言葉に頷くと青空に飛んでいき、その不思議な光景に、ま、喜一だからと納得していた。
そんなお利口な鳥が、
今や何か言いたげな顔で俺を見下ろしている。
しかも、人と同じ姿をしてだ。
ここまでくると、全てを受け入れてしまう自分がいて、驚くどころか呆れてため息がでてしまうほどに疲れているらしい。
「あの時‥、どんな気持ちだったの?どうして、主人にあのようなことを?」
「っ、それは」
‥う、
謝れって事か?
いや、そりゃあ、あの日は喜一にあたっちまった俺っちが悪いけどさ‥だけど、
あいつだってーー
ああ、これはただの
俺の醜い感情だーー
俺は俯く。
「‥。」
「別に‥貴方の回答に興味はないよ‥。ただ、主人の事を、すぐに貴方は忘れてしまうから」
「‥なんだよそれ」
忘れた事なんてない。
あの憎たらしい顔も、声も
あいつの匂いですら覚えているぐらいだ。
それ程までに一緒の時を過ごしたのだから。
ただ
ラシルがそばにいた時は、
不思議と心が満たされて
その記憶もどこか薄れていたのかもしれない。
「‥なあ、何がしたいんだよ‥」
目を開けて、人の気配がする方へと顔を向ける。
青い綺麗な髪。
そういえば、地球に居た頃も、
喜一は珍しい青い鳥を飼っていた。
放し飼いなのか、野良なのか、
喜一の言葉に頷くと青空に飛んでいき、その不思議な光景に、ま、喜一だからと納得していた。
そんなお利口な鳥が、
今や何か言いたげな顔で俺を見下ろしている。
しかも、人と同じ姿をしてだ。
ここまでくると、全てを受け入れてしまう自分がいて、驚くどころか呆れてため息がでてしまうほどに疲れているらしい。
「あの時‥、どんな気持ちだったの?どうして、主人にあのようなことを?」
「っ、それは」
‥う、
謝れって事か?
いや、そりゃあ、あの日は喜一にあたっちまった俺っちが悪いけどさ‥だけど、
あいつだってーー
ああ、これはただの
俺の醜い感情だーー
俺は俯く。
「‥。」
「別に‥貴方の回答に興味はないよ‥。ただ、主人の事を、すぐに貴方は忘れてしまうから」
「‥なんだよそれ」
忘れた事なんてない。
あの憎たらしい顔も、声も
あいつの匂いですら覚えているぐらいだ。
それ程までに一緒の時を過ごしたのだから。
ただ
ラシルがそばにいた時は、
不思議と心が満たされて
その記憶もどこか薄れていたのかもしれない。
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