鬼畜な悪党の下っ端に転生したのだが、頑張って生き抜きたい

花村 ネズリ

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第3章 復讐編

暇つぶしの遊びは命がけで

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グッと強く首を掴まれて、
意識が飛びそうになる。


向けられたことのない赤が俺を見つめていて。
それでも見たことのあるその双眼に、
心臓の奥がひやりと冷え切った。



ああ、これ
殺したいって、思ってる時の目だーー




「ぼ、ボスさんッ、サルさんが死んじゃいます!?」


誰かが、俺の名を呼ぶ声が聴こえて、



「チッ、」






「っ、ゲホッ‥ハ、」



「‥次はねえぞ‥」



ドサリと自分の体重が床に落ちる。
同時に、求めていた酸素を必死で吸った。





「、ボスさん!?待ってください!」


犬くんがラシルを追うように、俺の部屋から出て行く。犬くんが‥止めてくれたのか‥。そうか、流石愛しの後輩くん‥。



‥俺を‥避けてるくせに‥犬くんはいいのかよ‥俺っちには飽きたってか

‥気分屋王子様にも困ったもんだぜ



俺の気持ちなんか、一つも‥考えちゃいねえ‥





「ハ、‥」


とんだ‥災難


鬼畜野郎‥俺っちまじ、三途の川見えちゃったじゃんか‥


‥はあ、


アイツの‥去って行く後ろ姿が、どこか遠くに感じて、胸がぎゅっと締め付けられた。



なんだこれ、




‥痛え‥





「ゔ‥イテテ‥あれ?俺‥?」


パラパラと、俺の自室の壁が剥がれてて、
俺はムスッと半裸の勇者くんの方に視線を向ける。


「‥もう勇者くんとは、一生遊ばねえから‥」


「ッ、えええ!?そんなッ」




暇つぶしの遊び‥だけどここでは命がけの遊びってか‥怖すぎかよッ





もうやだ俺っち引きこもる


そっちがその気なら‥俺だって‥


後悔しても知らねえからな!!馬鹿ラシルッ

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