5 / 11
新しい世界
4, かわる
しおりを挟む
体が熱い
頭が痛い
焼かれるみたい
体が…!くだ…!ける……!!
杏梨、ごめんなさい
頭の中で、誰かが囁き、そして、消えた。
だ…れ……?
いつの間にか、自分との声が、既に元の杏梨のものでない事に気付いた。
魔物に転生した時点で、もう変化していたのだ。
今に始まった事じゃない。
もう、人としての杏梨は居ないんだ。
生きてはいない。
これからは、魔物なんだ。
属性竜になったんだ。
転生して、性別変わって、人外なって…。
これからは、私は……。
いや、俺は……!
「ジー……ド……ジェー………ジェード!」
「うおわっ!」
「「?!!?」」
「びっ、ビックリしたーっ!!」
「えっ?えっ!?ええー?!」
「どうしたんだ?ネロウ、なんか俺の顔に付いているのか?」
「しゃ、喋って…いる」
「あ、ほんとだ」
いつの間にか自分が喋っている。
名を刻まれた時に、身体能力並びに知能が大幅に伸びたんだろう。
体も少し大きくなって成長していた。
大きさは、元は赤子ぐらいだったものが、三、四歳位の子供ぐらいに大きくなっていた。
すると、目を見開きながら冥王が言った。
「今まで名付けなどした事が無かったからな。これはこれで面白いものよ。ジェードよ!」
「!はい!」
突然名を呼ばれ、ジェードは冥王に跪いた。
体が勝手に反応した事に少しばかり驚いているものの、恐怖は無かった。
「貴様の名は、これよりジェードだ。堂々とその名を名乗るがいい」
「有り難き幸せでございます」
「もうこの場に用は無かろう。早々に去れ」
「はっ!ネロウ、行こう」
「あっ、あぁ」
ネロウが、コイツ誰だ?みたいな顔してこちらを見ている。
視線が鋭くはないが怖い。
あんまりこっちを見ないで欲しいなぁ
体はジェード。
心は杏梨。
だが、杏梨は、全てをジェードに染める事を決めた。
もう私は使わない。これからは一つの魔物として、男として、ジェードとして生きていく。後戻りなんて、死んでんだから出来ないんだから…。
「ジェード、あと少しだぞ?」
「おう」
ネロウは、最初は抱きかかえられる程小さかったジェードが、これ程大きくなるものかと、目を疑っていた。
先程までは赤子サイズだったが、今はその二回り大きくなっている。
加えて言えば、生まれたばかりの魔物が、普通は礼節を欠くはずなのに、あんなにも礼儀正しく出来るものではない。
ネロウは、自身の魔眼を発動させた。
ネロウの特殊能力である。
魔人族の大半はこれを持っている。
魔眼は、相手のステータス…つまり、強さを見る事が出来る、第三の目なのだ。
そして、ジェードを見てみる。
すると、それはとんでもないものだった。
「ハアアアッ!?何だよコレ!!生まれてすぐのもんじゃねぇだろう!!」
「!?ね、ネロウ?どうした急に」
振り返りネロウに話しかけると、ネロウは体をビクッとさせながら言った。
「お前、自分のステータス、見てみ?」
「?」
そう言われ、自分のステータスを見てみた。
「な…なんじゃこりゃあ!!」
頭が痛い
焼かれるみたい
体が…!くだ…!ける……!!
杏梨、ごめんなさい
頭の中で、誰かが囁き、そして、消えた。
だ…れ……?
いつの間にか、自分との声が、既に元の杏梨のものでない事に気付いた。
魔物に転生した時点で、もう変化していたのだ。
今に始まった事じゃない。
もう、人としての杏梨は居ないんだ。
生きてはいない。
これからは、魔物なんだ。
属性竜になったんだ。
転生して、性別変わって、人外なって…。
これからは、私は……。
いや、俺は……!
「ジー……ド……ジェー………ジェード!」
「うおわっ!」
「「?!!?」」
「びっ、ビックリしたーっ!!」
「えっ?えっ!?ええー?!」
「どうしたんだ?ネロウ、なんか俺の顔に付いているのか?」
「しゃ、喋って…いる」
「あ、ほんとだ」
いつの間にか自分が喋っている。
名を刻まれた時に、身体能力並びに知能が大幅に伸びたんだろう。
体も少し大きくなって成長していた。
大きさは、元は赤子ぐらいだったものが、三、四歳位の子供ぐらいに大きくなっていた。
すると、目を見開きながら冥王が言った。
「今まで名付けなどした事が無かったからな。これはこれで面白いものよ。ジェードよ!」
「!はい!」
突然名を呼ばれ、ジェードは冥王に跪いた。
体が勝手に反応した事に少しばかり驚いているものの、恐怖は無かった。
「貴様の名は、これよりジェードだ。堂々とその名を名乗るがいい」
「有り難き幸せでございます」
「もうこの場に用は無かろう。早々に去れ」
「はっ!ネロウ、行こう」
「あっ、あぁ」
ネロウが、コイツ誰だ?みたいな顔してこちらを見ている。
視線が鋭くはないが怖い。
あんまりこっちを見ないで欲しいなぁ
体はジェード。
心は杏梨。
だが、杏梨は、全てをジェードに染める事を決めた。
もう私は使わない。これからは一つの魔物として、男として、ジェードとして生きていく。後戻りなんて、死んでんだから出来ないんだから…。
「ジェード、あと少しだぞ?」
「おう」
ネロウは、最初は抱きかかえられる程小さかったジェードが、これ程大きくなるものかと、目を疑っていた。
先程までは赤子サイズだったが、今はその二回り大きくなっている。
加えて言えば、生まれたばかりの魔物が、普通は礼節を欠くはずなのに、あんなにも礼儀正しく出来るものではない。
ネロウは、自身の魔眼を発動させた。
ネロウの特殊能力である。
魔人族の大半はこれを持っている。
魔眼は、相手のステータス…つまり、強さを見る事が出来る、第三の目なのだ。
そして、ジェードを見てみる。
すると、それはとんでもないものだった。
「ハアアアッ!?何だよコレ!!生まれてすぐのもんじゃねぇだろう!!」
「!?ね、ネロウ?どうした急に」
振り返りネロウに話しかけると、ネロウは体をビクッとさせながら言った。
「お前、自分のステータス、見てみ?」
「?」
そう言われ、自分のステータスを見てみた。
「な…なんじゃこりゃあ!!」
0
お気に入りに追加
30
あなたにおすすめの小説
【完結】487222760年間女神様に仕えてきた俺は、そろそろ普通の異世界転生をしてもいいと思う
こすもすさんど(元:ムメイザクラ)
ファンタジー
異世界転生の女神様に四億年近くも仕えてきた、名も無きオリ主。
億千の異世界転生を繰り返してきた彼は、女神様に"休暇"と称して『普通の異世界転生がしたい』とお願いする。
彼の願いを聞き入れた女神様は、彼を無難な異世界へと送り出す。
四億年の経験知識と共に異世界へ降り立ったオリ主――『アヤト』は、自由気ままな転生者生活を満喫しようとするのだが、そんなぶっ壊れチートを持ったなろう系オリ主が平穏無事な"普通の異世界転生"など出来るはずもなく……?
道行く美少女ヒロイン達をスパルタ特訓で徹底的に鍛え上げ、邪魔する奴はただのパンチで滅殺抹殺一撃必殺、それも全ては"普通の異世界転生"をするために!
気が付けばヒロインが増え、気が付けば厄介事に巻き込まれる、テメーの頭はハッピーセットな、なろう系最強チーレム無双オリ主の明日はどっちだ!?
※小説家になろう、エブリスタ、ノベルアップ+にも掲載しております。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
異世界王女に転生したけど、貧乏生活から脱出できるのか
片上尚
ファンタジー
海の事故で命を落とした山田陽子は、女神ロミア様に頼まれて魔法がある世界のとある国、ファルメディアの第三王女アリスティアに転生!
悠々自適の贅沢王女生活やイケメン王子との結婚、もしくは現代知識で無双チートを夢見て目覚めてみると、待っていたのは3食草粥生活でした…
アリスティアは現代知識を使って自国を豊かにできるのか?
痩せっぽっちの王女様奮闘記。
戦乱の世は終結せり〜天下人の弟は楽隠居希望!?〜
くろこん
ファンタジー
他力本願×最弱無双!戦国時代を旅しよう!
ノベルアップにて歴史累計1位の作品です、感想やコメント頂くと震えて喜びながら蒸発します。
『どうしてこうなった!?』
戦国時代
日本で起きた修羅の時代、私が知っている戦国時代では織田信長、豊臣秀吉、徳川家康が世を終結させた。
だが、今私が生きている世の天下人は今川義元。
え、それ兄貴なんですけどぉぉぉぉぉ!?
それに、なんだか私の知ってる歴史とは色々と違いすぎて...
もう勘弁だ!なんだこの世界は!
権力争い?反乱のチャンス?
知るか!私は旅に出るぞぉぉ!
イラスト:ぴくる様
原作:くろこん
巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
転移少女の侵略譚!〜弱小国家の皇帝になったのでほのぼの内政しようと思っていたら隣国達が(悪い意味で)放っておいてくれないので全部滅ぼす〜
くずは
ファンタジー
暗い部屋でパソコンを立ち上げる少女が1人。
彼女の名前は山内桜(やまうち さくら)。
食べる事と旅行が好きな普通の高校一年生、16歳。
そんな彼女に今ハマっているゲームがあった。そのゲームの名は「シヴィライゼーション」。様々な種族や魔法のある異世界で石器時代から文明を作り、発展させていくゲームだ。
ある日、彼女はいつものようにゲームを始めようとして……その世界に吸い込まれてしまった。
平和主義者の彼女は楽しく内政しようとするが、魔族や侵略国家などが世界中で戦争を起こす非常に治安の悪い世界だった。桜は仲間達と楽しく旅をしながらそんな邪魔な敵を倒していったらいつのまにか世界最大国家になってしまっていた!!
ーーー毎日投稿しています!
絶対完結はさせるので安心してご覧頂けますーーー
評価、感想、ブックマークなどをして頂けると元気100倍になるので気に入ったらして頂けると幸いです。
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します
有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。
妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。
さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。
そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。
そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。
現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる