134 / 195
弥勒過去編(瑛二&白銀)
白銀 1
しおりを挟む
「・・・え、瑛二?」
目を、開けて。
自分の腕の中に、瑛二がいることに驚く。
抱きしめていた体勢を維持しながら、顔を覗き込む。
あどけない、寝顔。
でも、二人とも。
いや、鬼は一体だから、一体と一人は裸で。
瑛二の身体からは、僕の匂いが充満していて。
僕の身体は、瑛二に満たされていて。
全然、あどけなさは無い状況だった。
「・・・ふぁ?
おき、たのか??」
目を擦り、僕の顔を覗きこむ。
無防備な起き抜けの顔、可愛い~
「あ”-、顔色いいな。
全然違うじゃねーか」
微笑んでいたら。
ペチリと、指先で唇を軽く叩かれる。
「それに、身体もあったかいし・・・
どんだけ、ムリして俺を騙してたんだ?」
・・・バレテル。
そして、僕は瑛二をたくさん食べてしまっている。
なにから言葉にしていいのかさえわからず。
沈黙しか返せない。
食べている間の、熱に浮かされたような高揚は無くなっている。
冷静に、なれている。
元に戻った。
そう、思えているけれど・・・僕は一度知ってしまった。
僕の中で人と鬼が完全に混ざったあの気持ちを。
瑛二と目があっただけで、落ち着かない。
「勝手に、自殺しようとしてんじゃねーよ」
ふわぁ~と大あくびが止まらない様子。
瑛二は、体中がダルイ、ダルイと俺を睨む。
記憶は、あります。
わかってる、僕の、せい、だよね。
「あの、僕、どうか、していて・・・」
身体を起こそうとして、止められてしまう。
まだ、眠いから、このまま寝かせろと目を閉じられる。
「あとで、ちゃんと聞くから。
彰姫サンに結界張ってもらったから、三日は誰もこれねーよ。
本家にも、しばらく弥勒家は使うなと話をつけとくそーだ」
彰姫・・・そういえば、名前口にしてたな。
瑛二の肩が冷えないように、布団を整えて。
でも、僕の中は、ぐちゃぐちゃのまま。
たしか、もう、砂になったと思っていたのに。
気付いたら、瑛二に・・・
しかも、瑛二がいつも以上に甘えてかわいい。
いや、ダメだっ
何を思っているんだ僕はっ
考え方が、おかしくなっている。
頭ではおかしいと思うのに、どこがおかしいかさえ考えられなくなってる。
以前なら、鬼の気持ちと自分とを分けて考えれていたのに。
今も、瑛二の背に手をまわして、抱きしめてしまっている。
「あのさ、お前の名前、白銀、な。
お前の髪にぴったりだろ?」
夢見心地の瑛二。
うっすらと目を開けて。
ふわふわと、笑っている。
可愛すぎるっ!
それに、僕の名前、白銀って・・・
「とりあえず、寝かせろ・・・」
スゥスゥと、寝息がすぐに聞こえてくる。
僕も、考え込むことを放棄して目を閉じた。
お腹も、心も満たされて。
瑛二もこんなに近くにいて。
悩むことは、何も無い。
そう思っていた。
目を、開けて。
自分の腕の中に、瑛二がいることに驚く。
抱きしめていた体勢を維持しながら、顔を覗き込む。
あどけない、寝顔。
でも、二人とも。
いや、鬼は一体だから、一体と一人は裸で。
瑛二の身体からは、僕の匂いが充満していて。
僕の身体は、瑛二に満たされていて。
全然、あどけなさは無い状況だった。
「・・・ふぁ?
おき、たのか??」
目を擦り、僕の顔を覗きこむ。
無防備な起き抜けの顔、可愛い~
「あ”-、顔色いいな。
全然違うじゃねーか」
微笑んでいたら。
ペチリと、指先で唇を軽く叩かれる。
「それに、身体もあったかいし・・・
どんだけ、ムリして俺を騙してたんだ?」
・・・バレテル。
そして、僕は瑛二をたくさん食べてしまっている。
なにから言葉にしていいのかさえわからず。
沈黙しか返せない。
食べている間の、熱に浮かされたような高揚は無くなっている。
冷静に、なれている。
元に戻った。
そう、思えているけれど・・・僕は一度知ってしまった。
僕の中で人と鬼が完全に混ざったあの気持ちを。
瑛二と目があっただけで、落ち着かない。
「勝手に、自殺しようとしてんじゃねーよ」
ふわぁ~と大あくびが止まらない様子。
瑛二は、体中がダルイ、ダルイと俺を睨む。
記憶は、あります。
わかってる、僕の、せい、だよね。
「あの、僕、どうか、していて・・・」
身体を起こそうとして、止められてしまう。
まだ、眠いから、このまま寝かせろと目を閉じられる。
「あとで、ちゃんと聞くから。
彰姫サンに結界張ってもらったから、三日は誰もこれねーよ。
本家にも、しばらく弥勒家は使うなと話をつけとくそーだ」
彰姫・・・そういえば、名前口にしてたな。
瑛二の肩が冷えないように、布団を整えて。
でも、僕の中は、ぐちゃぐちゃのまま。
たしか、もう、砂になったと思っていたのに。
気付いたら、瑛二に・・・
しかも、瑛二がいつも以上に甘えてかわいい。
いや、ダメだっ
何を思っているんだ僕はっ
考え方が、おかしくなっている。
頭ではおかしいと思うのに、どこがおかしいかさえ考えられなくなってる。
以前なら、鬼の気持ちと自分とを分けて考えれていたのに。
今も、瑛二の背に手をまわして、抱きしめてしまっている。
「あのさ、お前の名前、白銀、な。
お前の髪にぴったりだろ?」
夢見心地の瑛二。
うっすらと目を開けて。
ふわふわと、笑っている。
可愛すぎるっ!
それに、僕の名前、白銀って・・・
「とりあえず、寝かせろ・・・」
スゥスゥと、寝息がすぐに聞こえてくる。
僕も、考え込むことを放棄して目を閉じた。
お腹も、心も満たされて。
瑛二もこんなに近くにいて。
悩むことは、何も無い。
そう思っていた。
0
お気に入りに追加
121
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。
でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。
けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。
同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。
そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる