鬼ごっこ~あのこがほしい~

三日月

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修行編(瑠璃丸&京一郎) 3

告白 side 雅 2

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イ、息が、止まる。
こ、黒曜に、我が花嫁って・・・

フワリと、一面の花が浮き上がり、オレの周りをくるくる回る。
蕾だった花は、次々開花して。
開花していた花は、そのままで。
俺の頭や回りに降り積もっていく。

「初めに忠告はしたが、この話は雅の中だけに留めておけ。
他言無用だ」

無言で、頷く。
まぁ、誰も信じないだろうし。

「心が休まりそうな花を集めた。
オレは、嫁になることを断られても仕方ないと思っていたからな。
最後になにか渡したくて。
せめて、花だけでもと摘み取ってきた。
これからも、雅に贈ることができるとは嬉しいな」
「・・・あ、りがとう」

俺に花なんて、似合うわけないけど。
まあ、見てる分には確かに癒されるな。

「雅によく似合っている」
「いやいや、んなわけないし。
黒曜の方が似合うだろう」

一年前ならギリギリイケたかもしれないけど。
180cm越えた男に花って。
ナイナイ。
黒曜は、花を背負ってもカッコいい。
本当に、ドラマとか映画とかに出てきそう。
重力に逆らって舞う花、似合いすぎ。

「でも、俺は。
今は花を摘みに行くより、そばにいてほしい。
あ、あのさ、傷、治せるか?
血を飲んだあと、舐めて傷を塞いでくれてたから、いけそうかなって」

体中に出来た切り傷。
打撲とかそういうのは無理としても。
少しでも痛みをやわらげたい。
こんな身体じゃ、黒曜をギュッと抱きしめれない。
今、抱きしめたくて仕方ないのに。
自分で作ってしまった怖い黒曜を、上書きしたいのに。

「・・・怖くは、ないか?」
「俺、手を握られて、そんな顔してたか?」

あの日の夜は、黒曜であって黒曜じゃなかった。
俺がわざと狂うように仕向けたんだ。

黒曜は、恐る恐る俺の表情を伺いながら。
俺の指に舌を這わせ始めた

指先の小さな傷から顔や腕の裂傷も。
丁寧に舐めて治してくれる黒曜。
外傷の痛みが減って、身体の緊張が緩まる。
時々変な声を漏れてしまったり、笑ったり、痛みを堪えたりしながら。
されるがままに、任せていたけど。

「こ、黒曜、どこ、舐めようと・・・してるんだ?」

尻を割って、その、カサブタとこびりついた血が残る穴を晒され。
さすがに、痛みよりも羞恥で暴れた。
いや、マジ、無理っ!

「そこは、いいからッ!!!」

枕や布団で隠そうとするけど、手が届かない場所へ飛ばされてしまう。
いや、本当に、そんなこと、そんなとこにっ
ありえないからっ!

逃げようとして。
腰を捕まれると、全く歯が立たない。

「そこは、ほんとにヤダって」
「雅の言葉より、治癒が優先される。
嫁になった今、真名の縛りは変わっている。
・・・それに、傷つけたオレへの戒めでもある」

真顔で答えた黒曜は、動くなと言って。
ぬるりと舌を中まで這わされ。

奥に届かないと、そんなの、長さが違うから当たり前なのに。
黒曜はなかなか諦めてくれず。
傷ついていた穴の入り口は。
ふやけるくらいに柔らかく、されてしまった。
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