鬼ごっこ~あのこがほしい~

三日月

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修行編(瑠璃丸&京一郎) 3

呪い side 雅 1

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うとうとと、寝ていて。
寝てばかりで。

あの夜を繰り返したり。
黒曜が離れていく夢だったり。
いつもあまりいい内容ではなかったのに。

5日目の夜に見た夢は。
花畑を、黒曜と手を繋いで歩いている夢を見てた。
色とりどりの花が、足元に咲いていて。
木漏れ日の下を歩く、それだけなんだけど。
どこかに行ってしまった黒曜に、夢の中だけでも会えて嬉しくて。

「・・・起きたか?」

目を開けても、そこに黒曜がいて。
夢と現実の狭間で、頭の中はぼんやりとしていた。
星空がその向こう側で輝いてる。

「こ、くよぉ?」

ああ、夢の方か。
鼻孔をくすぐる甘い香り。
視界に広がる花畑に驚く。
マットや床に敷き詰められた色とりどりの花に、何度も瞬きする。
こんなの、俺に誰かが用意するとかありえないしな。

もう一度眼を閉じようとして、止められる。

「雅に話がある。
うるさい目は、閉じさせた」
「なんの、ことだ・・・?」

夢にしては、息遣いまでリアル。
黒曜の顔、久しぶりにこんな近くで見るな。
二日間会ってなかったから、願望出てんだな。
上半身を越した俺のすぐ横で、床に座っている。 
枕を腰に当ててくれたり、優しい。

あぁ、唇は赤いな。
お腹は空いてないんだな。
夢とわかっていても、黒曜が無理してないのは嬉しい。

「今から話すことは、人間にも鬼にも漏らしてはならない。
・・・聞こえているのか、雅?」

「あぁ」

ちゃんと、聞こえてる。
なんか、今の黒曜は芝居じみてる。
黒曜、刺繍たっぷりな紺色のローブ着てるし。
ネックレスとか、腕輪とかやたらつけてるし。
頭には、金色のワッカつけてて。
尖った耳にも、指にも、じゃらじゃら沢山光るアクセサリーがついてる。
どっかの国の、王子様みたいだ。

「黒曜は、カッコいいな」

黒曜の眼が俺を映して。
初めて、照れて頬赤くなるの見た。
そっか、夢、だからか。

「・・・話を、聞いてくれ。
鬼の中には、特別な鬼が存在している。
人を孕まることが出来る鬼だ」
「はらませる・・・?」
「鬼の子を、男女関係無く人間に産ませることが出来るんだ。
自分が角を落としてでも、手に入れたいと思う人間を嫁にし直系を作る。
この力は遺伝しないため、それが可能な鬼は極端に少ない」
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