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修行編(瑠璃丸&京一郎) 2

光の抑制 3

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「まぁ、徐々に始めてみよう。
取り合えず、一個、外してみる?」
「頭で考えてても、全然わかんないしな」

雅も賛同し、まずは右の腕輪をひとつ外してみる。
真っ白な光が、朝もやみたいに雅を包み込んでいる。
一つで、これって・・・すでに雅の輪郭が光に擦れてるんだけど。

「光、出てるのか?」
「出てるよ、想像していたのより、明るい。
雅の姿が、光と混ざってて、ちょっと見難くなってる。
雅の色は、真っ白なんだ。
それこそ、その周りの景色も全部消えるくらいの白さ。
今は、途切れ途切れで、景色が透けて見える」

雅は立ち上がり、自分の身体のあちこちを見たり、動いたり。

「光、ねぇ??」

頭の中で、取り合えずイメージするしかないので。
私は離れた場所で、眼下に広がる山々の景色を見下ろす。
あまり雅を見続けていると、目がおかしくなりそうだった。
遠くを見て、目を休めよう・・・

ついでに、昼食場所どこにしようかな。
修行場として慣れ親しんだ山の中。
滝をみながらも楽しそうだな~と気分がほぐれてくる。

昨日からおにぎりと水筒を持ち歩いている。
まるで、遠足のようで楽しい。
普段、寮では自分だけしか食べないし。
他と言えば。
神宮寺家の関係者が、そこかしこにいる学校。
ギスギスしたランチしか知らないからな。
雅と食べる食事は、本当に楽しい。

この御山なら、一人にしても大丈夫だろうか。
時間もかかるだろうし。
修行も兼ねて、走ってこようかな??

雅を振り返り、その光が消えていることに驚く。
腕輪は、足元に置いてある。
着けなおしたわけじゃないようだ。
なんて、飲み込みの早い・・・

目を閉じていた雅が、私の視線に気付き笑う。

「なんか、変わったか?」
「ちゃんと、消えてるよ。
こんなに早く出来るなんて、すごいな」

そうか、と照れる雅。
こんなに簡単に、イメージして実行できるなんて・・・
さすが、というべきなんだろうな。

「雅、その状態を維持して少し歩こうか。
昼からは、いろいろな動作を繰り返して、その中でも持続できるかどうか。
あと、寝ているときにもれないかも、今夜黒曜様に確認してもらう必要がある。
今日はそれ以上減らさなくていいから」
「そうか・・・俺としては、減らしたいけど仕方ないな」

地面に置いた腕輪を、リュックに入れて溜息。
手首から肘まで、腕輪でがんじがらめだからな。
溜息も、仕方ない。

「確実に、行こう」

出だしが好調だったせいで。
このとき私は気軽に考えていた。
きっと、お二人の御子息だから。
あの『はじまりの鬼』も下しているくらいの御子息だから。

すぐに腕輪も取れてしまうと。
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