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修行編(瑠璃丸&京一郎) 2
子守唄 side 雅 1
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全然収まらない心臓の音に。
これ以上一緒に風呂に入ってたら、逆上せる気がして。
逃げるように、先に出てきてしまった・・・
あんな、優しい顔。
反則過ぎる。
「大丈夫か、雅?」
ダイニングの椅子に腰掛けていたら、ドライヤー片手に黒曜が近づいてきて。
髪、乾かしてくれるとか・・・もう、なんだろう。
これ、夢じゃないよな。
「あー、黒曜」
乾かし終わり。
ドライヤーのコードを、くるくると丁寧にまとめている黒曜。
風呂上り、だからだろうな。
唇、まだ青いけど。
肌に赤みが差してる。
「俺は、キスできて嬉しかったけど。
いやいやだったら、ごめんな?」
あんなに、他の鬼がって怒ってたし。
嫌がらないわけないよな。
「・・・今となっては、我の手落ちだ」
溜息をついて、ドライヤーを元の引き出しに収めて帰ってくる。
で、なぜなんだ?
俺の椅子を載ったままなのに軽々持ち上げて、回して、降ろして。
その前に膝まづいた。
え、怖い。
黒曜に膝まづかれるとか、全然慣れないから!
「ちょ、黒曜、立って・・・」
立ち上がって止めさせようとする前に。
右足を持ち上げられ。
その足の甲に、黒曜の顔が近づいて・・・
なにか、誓いの儀式のように、流れる動作でキスをされ。
「雅、仕える身でありながら、食すことを許して欲しい」
そんな、頭下げるとか・・・
「雅に手を出した鬼には、必ず制裁を加える」
そんな、怖い顔で宣言されても・・・
足から手を離し、じっと、俺を見上げる黒曜。
え、俺、なんか言わないとダメなの?
「あ、あのさ。
俺、昨日も言ったけど、仕えて欲しいわけじゃないんだ。
俺は、黒曜と恋愛したい。
ずっと、いたい。
だから、食べてくれるのは嬉しい。
まぁ、小林にはむかつくけど、ちゃんと今の状況を勉強してから制裁とかも考えたほうがいい気がする」
黒曜は、小林以下の言葉には眉間に皺をくっきりと刻んでたけど。
とりあえずは、頷いてくれた。
「その、出来ればもう少し砕けた喋り方もしてくれると、嬉しい」
硬すぎて、理解しにくいし。
「・・・わかった、雅」
まっすぐ見上げてくる黒曜に、胸が痛い。
本当に、なんでこんなに名前を呼ぶだけでカッコよく見えるんだ。
俺、呼び捨てするよういったけど、コレに慣れるのかな。
これ以上一緒に風呂に入ってたら、逆上せる気がして。
逃げるように、先に出てきてしまった・・・
あんな、優しい顔。
反則過ぎる。
「大丈夫か、雅?」
ダイニングの椅子に腰掛けていたら、ドライヤー片手に黒曜が近づいてきて。
髪、乾かしてくれるとか・・・もう、なんだろう。
これ、夢じゃないよな。
「あー、黒曜」
乾かし終わり。
ドライヤーのコードを、くるくると丁寧にまとめている黒曜。
風呂上り、だからだろうな。
唇、まだ青いけど。
肌に赤みが差してる。
「俺は、キスできて嬉しかったけど。
いやいやだったら、ごめんな?」
あんなに、他の鬼がって怒ってたし。
嫌がらないわけないよな。
「・・・今となっては、我の手落ちだ」
溜息をついて、ドライヤーを元の引き出しに収めて帰ってくる。
で、なぜなんだ?
俺の椅子を載ったままなのに軽々持ち上げて、回して、降ろして。
その前に膝まづいた。
え、怖い。
黒曜に膝まづかれるとか、全然慣れないから!
「ちょ、黒曜、立って・・・」
立ち上がって止めさせようとする前に。
右足を持ち上げられ。
その足の甲に、黒曜の顔が近づいて・・・
なにか、誓いの儀式のように、流れる動作でキスをされ。
「雅、仕える身でありながら、食すことを許して欲しい」
そんな、頭下げるとか・・・
「雅に手を出した鬼には、必ず制裁を加える」
そんな、怖い顔で宣言されても・・・
足から手を離し、じっと、俺を見上げる黒曜。
え、俺、なんか言わないとダメなの?
「あ、あのさ。
俺、昨日も言ったけど、仕えて欲しいわけじゃないんだ。
俺は、黒曜と恋愛したい。
ずっと、いたい。
だから、食べてくれるのは嬉しい。
まぁ、小林にはむかつくけど、ちゃんと今の状況を勉強してから制裁とかも考えたほうがいい気がする」
黒曜は、小林以下の言葉には眉間に皺をくっきりと刻んでたけど。
とりあえずは、頷いてくれた。
「その、出来ればもう少し砕けた喋り方もしてくれると、嬉しい」
硬すぎて、理解しにくいし。
「・・・わかった、雅」
まっすぐ見上げてくる黒曜に、胸が痛い。
本当に、なんでこんなに名前を呼ぶだけでカッコよく見えるんだ。
俺、呼び捨てするよういったけど、コレに慣れるのかな。
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