上 下
44 / 195
前日譚(黒曜&雅)

折れた心1

しおりを挟む
もう、やだって!

必死に目に力を込める。
もう、マジで、降参だから。
二度と、逆らわないから。

「ついでだ」

無情にも、主様の言葉は続行を告げていた。
それを合図に。
体中に巻きついた枝に次々と葉が生えてくる。

さわさわと、身体にこすれる若葉の柔らかさと。
ギザギザの葉にこすられる小さな痛み。
締め付けては緩める、枝や幹の動き。

何を、目的にしたものなのか。
むずがゆい刺激に。
止めてくれと、もごもごと訴えるけど無視。
口ん中にたまった涎を呑み込む。
そのわずかな動き。
いつもなら、全然気にもしない動きだったのに。
首筋を伝っていた枝の葉に、耳の後ろをくすぐられて体が跳ねた。

命の危険、恐怖を感じ。
さっきまで縮こまっていた俺の竿が。
不用意なその刺激に、反応しはじめる。
怖くて、たまらないのに。
それ以上に、枝が、葉が。
首筋や、耳の後ろ、脇腹とか。
胸とか、膝の裏とか、いろんなところ。
俺がビクビクと反応せずにはいられない、弱いところを見つけては。
しつこい位に念入りに、攻める場所を増やしてくる。

それを、無表情に主様に見られて。
恥ずかしさに、顔も身体も熱くなる。
逃げ出したい。
こんな、の、もう、やだっ

なんで、俺、感じてんだよっ
こんな、状態で、と、自分を責めるのも限界があった。

体中の性感帯を引っかき回されて。
じわじわと追い上げられて。
こんなの、耐えられるわけ無い。
体中が、頭ン中が、おかしくなる。

散々感じるだけ感じさせといて、この木は酷い。
俺が耐え切れずに、むしろ触れてほしいとこ。
どうしようもなくなってるとこ。
その周りには刺激をよこすくせに。
肝心の竿にも玉にも、全然触れてこない。

狂っちまう。
自分では、得たことがない快感。
こんなの、木に与えられて、感じてる、とか。
人間として、ヤバ過ぎだろう。

「もうそろそろか?」

主様の淡々と告げた言葉に。
身体が更に吊り上げられ。
手が天井に横たわる梁につき、そのまま固定されても。
身体を締め付けてくる枝も幹も。
風もないのに揺れ続ける葉も。
動きを、止めてくれない。

吊り上げられた状態で。
俺は与えられる刺激に身体を震わせるしかない。

その冷たい、主様の目の前で。
身体が、恐怖じゃなく。
快感でどうしようもなくびくつくのを止められない。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

総受けルート確定のBLゲーの主人公に転生してしまったんだけど、ここからソロエンドを迎えるにはどうすればいい?

寺一(テライチ)
BL
──妹よ。にいちゃんは、これから五人の男に抱かれるかもしれません。 ユズイはシスコン気味なことを除けばごくふつうの男子高校生。 ある日、熱をだした妹にかわって彼女が予約したゲームを店まで取りにいくことに。 その帰り道、ユズイは階段から足を踏みはずして命を落としてしまう。 そこに現れた女神さまは「あなたはこんなにはやく死ぬはずではなかった、お詫びに好きな条件で転生させてあげます」と言う。 それに「チート転生がしてみたい」と答えるユズイ。 女神さまは喜んで願いを叶えてくれた……ただしBLゲーの世界で。 BLゲーでのチート。それはとにかく攻略対象の好感度がバグレベルで上がっていくということ。 このままではなにもしなくても総受けルートが確定してしまう! 男にモテても仕方ないとユズイはソロエンドを目指すが、チートを望んだ代償は大きくて……!? 溺愛&執着されまくりの学園ラブコメです。

放課後教室

Kokonuca.
BL
ある放課後の教室で彼に起こった凶事からすべて始まる

異世界ぼっち暮らし(神様と一緒!!)

藤雪たすく
BL
愛してくれない家族から旅立ち、希望に満ちた一人暮らしが始まるはずが……異世界で一人暮らしが始まった!? 手違いで人の命を巻き込む神様なんて信じません!!俺が信じる神様はこの世にただ一人……俺の推しは神様です!!

処理中です...