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前日譚(黒曜&雅)
流れる涙
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「そうか、足りぬか」
主様は俺の足から手を離して、一歩下がった。
のに、俺の身体はまだひっくり返ったまま宙に浮いている。
なんで?
主様の腕が伸び、めくれた服に爪がかかる。
「おい、何を・・・」
俺の言葉を案の定無視して、そのまま服を一気に下に向かって引き裂いた。
な、何やってくれてんだよ!
「おまっ、あ、主様!
何してんだ、バカっ
とっとと、降ろせよっ」
腕や足を動かしても、自分の宙吊りポーズは変わらない。
上にも下にもブレることなく、同じ高さを維持。
どうなってんだ、よ。
「うるさい口には、用が無いな」
「うっせ・・・ん」
???
口が、勝手に綴じて開かなくなる。
歯も、動かすことができない。
何だ?
何が起こったんだ?
いや、主様しかいないよな。
こんな人間離れしたことできるの。
グルリと身体を回転され、ようやく、その顔を正面から見る。
頭に血が回りすぎて、くらくらする。
それでも、ようやく届きそうなその顔めがけ。
思い切り殴ろうと、腕を引こうとしたのに。
動かない。
腕になにかが巻きついてる。
「???」
なんだ、これっと口にしたはずなのに。
もごもごと、オレの言葉は口の中から外に出ない。
俺の腕に巻きついていたのは、木の細い幹。
両腕をそのまま上げられて、頭の上で固定される。
動かなくなった足を見下ろすと。
足元の床が膨張し、成長し。
ただの木の板から、何本も細い木が生えていて・・・
もう、意味がわかんねぇ。
何が起こってんだ?
両足にも細い幹が巻きつき、パンツの中を這い上がってくる。
その、まま、上に来たりしないよな・・・?
「あぁ、やっと泣く気になったか」
涙目の俺の顔を、見下ろす主様。
その爪で、下着ごと、ズボンを裂きやがった。
ふくらはぎから、膝、太もも。
俺の脚を強弱つけて締め上げながら、皮膚の上を這いずり回る枝が太ももの付け根に到達。
腕から肩、首、胸へと這い始めた枝も腰から尻へと進みようやく止まる。
その頃には、もう、意地とかプライドとか全然無くなり。
俺の目からは涙がボロボロ溢れていた。
「簡単に泣き始めたな」
ふっとばされ、見えない力に持ち上げられ、身体の自由が奪われる。
理解を超えた力の差に。
どこかで、甘く見ていた気持ちが粉々に砕ける。
主様の顔が近づき、息を止める。
怖い、殺される、簡単に殺される。
ギュッと目を堅く閉じても、身体が震える。
何をされるのか、何をしてくるのか。
痛みを覚悟した俺に与えられたのは。
頬に触れる、冷たくてやわらかい。
痛みの無い、逆に優しい、動き。
恐る恐る目を開けると。
主様が、俺の頬を舐めていた。
「あぁ、やはりここも同じか。
無臭でも、極上だ」
ガリッ
急に右頬を噛まれ、目尻の涙ごと出て来た血を舐めとられる。
こんなボロ布を纏って拘束された状態で。
わけわかんねぇ鬼に良いようにされて。
グズグズに泣き出した俺の左頬を噛み。
主様は流れる涙を口にし続ける。
綺麗な顔で近づいてきて、その舌で舐め回される。
もう、やだ。
唯一自由が聞く目で、助けてくれと主様に訴える。
こんな、圧倒的な力。
一度見せられたら、もう、十分だ。
主様は俺の足から手を離して、一歩下がった。
のに、俺の身体はまだひっくり返ったまま宙に浮いている。
なんで?
主様の腕が伸び、めくれた服に爪がかかる。
「おい、何を・・・」
俺の言葉を案の定無視して、そのまま服を一気に下に向かって引き裂いた。
な、何やってくれてんだよ!
「おまっ、あ、主様!
何してんだ、バカっ
とっとと、降ろせよっ」
腕や足を動かしても、自分の宙吊りポーズは変わらない。
上にも下にもブレることなく、同じ高さを維持。
どうなってんだ、よ。
「うるさい口には、用が無いな」
「うっせ・・・ん」
???
口が、勝手に綴じて開かなくなる。
歯も、動かすことができない。
何だ?
何が起こったんだ?
いや、主様しかいないよな。
こんな人間離れしたことできるの。
グルリと身体を回転され、ようやく、その顔を正面から見る。
頭に血が回りすぎて、くらくらする。
それでも、ようやく届きそうなその顔めがけ。
思い切り殴ろうと、腕を引こうとしたのに。
動かない。
腕になにかが巻きついてる。
「???」
なんだ、これっと口にしたはずなのに。
もごもごと、オレの言葉は口の中から外に出ない。
俺の腕に巻きついていたのは、木の細い幹。
両腕をそのまま上げられて、頭の上で固定される。
動かなくなった足を見下ろすと。
足元の床が膨張し、成長し。
ただの木の板から、何本も細い木が生えていて・・・
もう、意味がわかんねぇ。
何が起こってんだ?
両足にも細い幹が巻きつき、パンツの中を這い上がってくる。
その、まま、上に来たりしないよな・・・?
「あぁ、やっと泣く気になったか」
涙目の俺の顔を、見下ろす主様。
その爪で、下着ごと、ズボンを裂きやがった。
ふくらはぎから、膝、太もも。
俺の脚を強弱つけて締め上げながら、皮膚の上を這いずり回る枝が太ももの付け根に到達。
腕から肩、首、胸へと這い始めた枝も腰から尻へと進みようやく止まる。
その頃には、もう、意地とかプライドとか全然無くなり。
俺の目からは涙がボロボロ溢れていた。
「簡単に泣き始めたな」
ふっとばされ、見えない力に持ち上げられ、身体の自由が奪われる。
理解を超えた力の差に。
どこかで、甘く見ていた気持ちが粉々に砕ける。
主様の顔が近づき、息を止める。
怖い、殺される、簡単に殺される。
ギュッと目を堅く閉じても、身体が震える。
何をされるのか、何をしてくるのか。
痛みを覚悟した俺に与えられたのは。
頬に触れる、冷たくてやわらかい。
痛みの無い、逆に優しい、動き。
恐る恐る目を開けると。
主様が、俺の頬を舐めていた。
「あぁ、やはりここも同じか。
無臭でも、極上だ」
ガリッ
急に右頬を噛まれ、目尻の涙ごと出て来た血を舐めとられる。
こんなボロ布を纏って拘束された状態で。
わけわかんねぇ鬼に良いようにされて。
グズグズに泣き出した俺の左頬を噛み。
主様は流れる涙を口にし続ける。
綺麗な顔で近づいてきて、その舌で舐め回される。
もう、やだ。
唯一自由が聞く目で、助けてくれと主様に訴える。
こんな、圧倒的な力。
一度見せられたら、もう、十分だ。
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