鬼ごっこ～あのこがほしい～

覗き見１

駄目だと。
一生懸命に首を振る私に。

瑠璃丸は、にこっと笑いかけ。
それが見慣れた、いつもの底抜けに明るいものだったから気が抜けた。

止めてくれるのかと、ほっとした私の見ている前で。

真珠のように白く綺麗な歯と。
濡れた舌を見せびらかすように、口を開け。

一気に根元まで、私を咥えこんだ。

「ヒッ、ャーーーッ」

生暖かい口内に咥えこまれ。
上下にストローク。
ジュプジュプと音を立てながら。
指は玉を優しく扱き始めた。
勢い良く先走りを吸われ、腰ごと浮き上がる。

止めさせたくて伸ばした手は、瑠璃丸に握られ。
もう片方の手は、気付けば瑠璃丸の髪を絡めその頭を捕らえていた。

自分から。
瑠璃丸の頭を抱きこむように。

「あっ、んっ、ア・・・・んんっ」

上下の動きにあわせ、甲高い声が止まらない。
自分でしか、したことがなくて。
そんなのものとは、比べものにならない快感に狂喜する。
気持ちよすぎて、意識が何度も飛んでしまう。

下腹が震え、太ももが痙攣。

射精の前兆に、全身が熱い。
頭の中が真っ白な光に塗りつぶされて、自我を失いそうな快楽に溺れてしまう。
これ以上の、絶頂なんて、耐えられるだろうか。
瑠璃丸の頭を更に抱き寄せ、耳元になんとか届ける。

「ルリ・・・るり・･･
ワタ、シを、食べて！」

圧のかかった、吸い上げに。
声さえ、出ない。

全部を手放す。

瑠璃丸に明け渡す。

上半身を支えきれなくて、ベッドに頭ごと沈む。
息が、苦しい。
足がまだ震えているのがわかる。

でも、終わらない。

「あぁ、あっ、ルリ、もう止めっ」

ゴクリと呑み込んだ音は聞こえたのに。
それさえ恥ずかしくてどうしようもないのに。
瑠璃丸は、指を再び絡ませ追い上げようとする。

「なぁ、京ちゃん。
まだ、足りひん」

手の動きは緩めず。
覆いかぶさってくる瑠璃丸。

「オレ、京ちゃんが一人でしてるんずっと見ててん」

な、に？

突然の告白に、思わず瑠璃丸の顔を正面から捉えてしまう。
唾液と放った精液で濡れた唇の周りを手の甲で拭い。
それを丁寧に舐めあげ、言葉が続く。

「オレに見つからんように、トイレとか、風呂場とか、部屋とか」

思い当たる節が、どの場所もある。
あれを、見られた、のか。

「京ちゃんが受け入れる時期が来るまで、力尽くでうばったらあかんて。
ココはとくに、あかんて」

先端を、ぐりぐりと親指で乱暴に押さえられ。
その刺激が痛みより快楽を私に突きつけて、せっかく地についた意識を再び追い上げられる。

「ふぁっ」

声が漏れ、その声ごと口が塞がれる。
眩暈を起こすくらい乱暴な動きで。
容赦なく、舌が口内を荒らし、溢れる唾液を呑み込んでいく。

私の唇から流れ出していた唾液も舐めとると。
瑠璃丸は目を細め、熱い息を俺に向かって吐き出した。