鬼ごっこ~あのこがほしい~

三日月

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宮坂家1

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「やっとお目覚めだね、雅ちゃん」

立てる?と現当主から手を差し伸べられ。
目覚めた御子息は、その手を取り、上半身を起こし。
なぜか、そのままの姿勢で固まった。

そばに立っていた角無し鬼を、食い入るようにガン見している。
睨んでる。
何があったのかは知らないけど、契った相手に対する目つきじゃない。

それにしても、みやびちゃん・・・という名前なんですね。

名前と外見とのギャップが・・・
御子息は、お二人の血を引いていることが納得できる大柄な体型。
現当主譲りの青い瞳は、お師匠様譲りの目つきの鋭さで全く違う印象を与えている。
目があっただけで、絡まれそうだ。

性格は、どちらに似ているんだろうか。
同じクラスにいても、とてもちゃん付けでは呼べそうにない。

「大丈夫だヨ、キョウイチロウくん」

息がつまる二人のやり取りに。
漸く私も落ち着きを取り戻し。
嫌がる瑠璃丸を説得。
その場に立ち上がった私の肩を、お師匠様は軽く叩く。

「うちの雅ちゃんは、産まれてすぐに外に預けていたからサ。
いい子に育ってるヨ」

相変わらず、心を読んでくる人だな。

「外に・・・だから他の皆さんは知らないんですね」
「外野に隠したいのもあったけど、リアンに二人でこっそり育てる案は却下されちゃって」

それは、正解だと思う。
お師匠様の弟子としては、どんな子育てになるのか・・・
想像するのも怖いし、心配でたまらない。

現当主に強制的に立ち上がらされたのに。
御子息は、自分が契った角無し鬼と距離を保ったまま近づこうとしない。
やけによそよそしいし、緊張しているように見える。
さっきまで睨みつけていたのに、今度は目を合わせようとせず俯いたままだ。

一方の角無し鬼は、無表情で少し離れた場所に控えている。

「いろいろと聞きたいこともあるだろうけど、まずは私がそれぞれ紹介させてもらうね。
はじめに言っておくけど、ここで見聞きしたことはどこにももらさないように」

にっこりと、私にむかって、微笑む現当主。
見えないけれど、強すぎる圧力を感じる
どこにももらしてはいけない重大な秘密、というより極秘事項を、これ以上共有したくない・・・けど、退席は許されそうにない。
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