鬼ごっこ~あのこがほしい~

三日月

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望まない活躍2

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切り裂かれた衣服に身を包む、茶髪の男性。
細身ではあるが、私よりも背が高い・・・180cmは超えていそうだな。
硬く閉じられていた目蓋が開き、そこに現れたのは。

現当主と同じ、青い瞳。

「・・・え、とう、さん?」

低い声が紡いだその単語。
うん、間違いないな。
この人は、いや、この方は。

あの、お師匠様と。
この、現当主の御子息様。

神宮寺家に、確実に旋風を巻き起こす存在。

一介の捕縛師である私が、知っていい存在じゃないですよね、お師匠様?

離れた場所で事の成り行きを見守っているお師匠様。
私の視線に気づくとかんらかんらと場違いに笑い出す。

「やだな~キョウイチロウくん
さっきまで赤すぎたけど、今度は青ざめすぎだヨ」
「そんなことより、なにか私を巻き込もうと思ってませんか!?」

瑠璃丸が離してくれないので、腕に抱かれたままでは勢いに欠けるけど。
私はお師匠様を精一杯睨む。

「何をいまさら言い出すだイ?
キミは弟子になったときから、すでに巻き込まれてるのに」

ニィっと口角を上げながら。
当然のように。
さらりと。
恐ろしいことを告げないでください!
正式に弟子になったのは、四歳とか五歳とかそのあたり。
十数年経ってますよ!

「大丈夫だヨ。
今回は手伝ったけど、キミが活躍するのはコレカラだから」

開きかけた口を、ウインク一つ、で、封じられる。

状況把握と自分の立場を明確にするためにも。
情報を得たほうがいいと頭では、わかっている。
けれど。
言葉が消化不良のまま喉元でひっかかる。

コレイジョウ、キキタクナイ

どう考えても、だ。
現当主とお師匠様がいれば。
多少の混乱はあったとしても、御子息のことをこの角無し鬼も含めて何とかしてしまえるはず。

そこに私が活躍する余地なんて、あるはずないでしょう。
あるはず、ないじゃないですか・・・

あったら、それこそなんなんだって、逆に怖いじゃないですか!

ご機嫌継続中の瑠璃丸を見上げると。
甘く優しい笑顔が返される。

「どうしたん、京ちゃん?」
「私が巻き込まれるということは、お前も巻き込まれるんだぞ!?」

ちゃんと話についてきているのか??
私の気持ちも知らず、瑠璃丸はいつもの調子で軽く答えた。

「京ちゃんと一緒なら、巻き込まれてもえぇよ。
オレの優先は、京ちゃんやもん」
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