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裏技2※

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ギリギリと自分の指を犬歯で噛み、その指からは青い血さえ流れている。
今まで立っていたから見えなかった!

「瑠璃丸、大丈夫か?
血以外に私から採れるものがあるなら、早く補給しろ!」

覇気のない表情。
唇が、真っ青だ。
犬歯も自分の血で青く染まっている。

瑠璃丸の右腕が伸び、私の頬を捕らえる。

「京ちゃん・・・」
「なんだ?」

弱々しい、声。
かなり辛い目にあわせたんだな。
声が聞き取りづらく、私から顔を近づける。
何をお前に与えればいいのか、早く教えてくれ!

「あ~ん、して」
「あ~・・・ンっ!?」

瑠璃丸と私の距離。
互いの息がかかる、その距離が。
更に近づき、ゼロになる。

開けた口を閉じる前に、瑠璃丸の冷たく青い唇が近づき。
その温度を、唇で感じる。
思考が固まる。

とっさに避けようとしたけど、瑠璃丸の右手が私の頭を固定して動きを封じ。

これって、これって・・・!!

キスだと、認識するよりも早く。
瑠璃丸のザラリとした舌が歯列をなぞり、その間から私の舌を奪いにきた。

「キョウイチロウくん、正解は唾液だヨ~
もう一個あるけど、それは帰ってからネ~」

お師匠様の声が、遠い。
目を開いたまま。
夢中で私の唾液を飲み込む、見開いた瑠璃丸の瞳に捕らわれる。

「極上中の超極上なうちの子を前に、必死に耐えた瑠璃丸君はえらいと思うよ。
だから、当主命令で今日は瑠璃丸君の食欲を満たすことに集中すること!」

当主が何かを言っているけど、それどころじゃ・・・

舌を絡めとられ。
口内をザラリと舌でなぞられ、あえぐ。
息を吸えば、緩んだ隙に唾を舌ごと吸われてしまう。

はじめは、性急に動いていた舌が、念入りに口内を蹂躙し始めたのはいつからなのか。
尖った犬歯で下唇をやんわり噛まれ、ゾワリと自分の感情が高ぶっていく。

な、んだ、コレは・・・

無意識で流れだした私の涙を吸うために。
つかの間、唇が開放される。

「・・・もぅ、やめ・・・」

震える指で、瑠璃丸を押し返そうとするのに。
うっとりと微笑む瑠璃丸の、初めて魅せる表情に。
キスの間より、息が苦しい。
息が、出来ない。
目が離せない。

身体が、熱いっ

「・・・んっ」

もう一度、今度は両手が頬に添えられ。
唇から、瑠璃丸の気持ちが侵食してくる。

もっと、深く。
もっと、奥に。

拒まないで、と。

私が、瑠璃丸を拒むわけがないのに。
角度を変え、優しく繰り返されるキス。

もっと、京ちゃんがホシイ。

ここが、どこで。
だれが周りにいるとか。

普段の私なら忘れるわけがないのに。
全身から力が抜けて、瑠璃丸を受け入れてしまう。

弛緩した身体を抱きかかえられ、優しく私を食べる瑠璃丸。
食べられているのは私のはずなのに。
身も心も、満たされて。
ふわふわと、思考が定まらない。

ようやく離されたときには、自由に指さえ動かせないほどの浮遊感。

「天国行っちゃってるキョウイチロウくん。
ルリルリも腹三分くらいにはなったみたいだし、進めていいかナ?」

好きに、してください・・・
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