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修行編(瑠璃丸&京一郎) 4

惚気 3

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「だーから、言ったろ?
白銀は参考にならねーって」

朝夕二回の診察が、夕方一回に切り替わっていたため。
瑛二さんとの再会は、次の日の夕方に持ち越され。
ついた早々瑛二さんの呆れ顔に、そうですねと頷くしかない。

「瑛二さん、すみません。
家の事もあるのに・・・お借りして」
「まぁ、白銀は楽しそーに帰ってきたからいいけどな。
稽古のつけ方とか、そういったことも京一郎は聞いてたんだっけ?」
「はい。
琉璃丸の力をもっと自由に出せるように、どうしたらいいのかも後から伺いました。
白銀さん、というより瑛一さんの記憶ですよね?
神宮寺家に関する様々なことに精通されていて驚きました」

私も、お師匠様の弟子という立場上、家の境無しに知識を仕入れることは出来るけれど・・・白銀さんは、得た知識を分別し体系立てて整理。
目的のために、どうすればいいのか近道をすぐに手繰り寄せてしまえる。

鬼の力と、神宮寺家の知識。
一見たおやかで、無邪気で。
だからこそ、躊躇無く出来てしまえることも多い。
瑛二さんのために生きている角無し鬼。

鬼と人。
どちらの世界も知る、希少な存在。
白銀さんこそ、雅よりも要注意な存在なんじゃ・・・

「稀代の弥勒家当主だったからな。
その辺は、全然俺も敵わねーよ。
鬼との戦いも減った今、それぞれの家で消えちまいそうなコトも頭ん中に入ってる。
ただ、白銀自身は、鬼になって興味も失せたからな。
これ以上調べる気はないらしーし。
なんだったら、そのへんお前が引き継いだ方が良いかもな」
「確かに、そうですね」

現当主に代わってから、鬼を殲滅する動きも無くなり。
戦いの数も減り、戦術も変わった。
いや、どちらかといえば、神宮寺家が創設した時代に戻ったというべきか・・・

もともと、我々は捕縛師。
捕まえて縄をかけるのが仕事。
必要以上に殺していた時代が、おかしかったんだ。

ただ、殺すために磨いてきた技術。
それを風化させるよりも、知識として残した方がいいのかも。
この5年で、途絶えたことがあるかもしれない。
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