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修行編(瑠璃丸&京一郎) 4
相談 1
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「助けてくれっ、京一郎!」
私の背に隠れる雅と。
目の前に迫ってくる黒曜様。
「俺、もう、恥ずかしすぎて死ぬっ」
耳まで真っ赤に染めた雅は、子犬のようにブルブル震え。
黒曜様は、それを無表情で威圧しているようにしか見えない。
その間に挟まれるのも、一週間続くと慣れてくる。
「雅、いくら嫌がってもしなくちゃいけないんだし」
「黒曜にされるのは、イヤなんだっ」
雅にグイグイ背を押されて溜息。
チューブでの投薬を瑛二さんに言われてから、毎晩雅はこの調子。
身体も随分動かせるようになったけど。
例え全力が出せても、黒曜様相手に敵うわけが無い。
一人でトイレで済ませようとして。
力尽くで入って来る黒曜様から、台所まで逃げてくる。
「あの、黒曜様。
雅、嫌がってるので・・・私が変わりに」
「・・・」
無言で睨まれ、ですよね~と苦笑い。
相変わらず、黒曜様は私とは話してくれない。
「お、俺、自分でするからっ
黒曜は、もう、入ってくるなっ!!」
「一人でやろうとして、加減がわからずに効果がなかっただろう」
「それは、初日の話だろっ
そ、それこそ黒曜にされて、だいたい分かってきたからっ」
「だいたいでは、困る。
オレが傷つけた身体だ。
責任を持って治したい」
「俺が傷ついたのは、自己責任だっ」
静かに諭すような黒曜様と違い、雅の声は大きくて耳が痛くなる。
指で耳を蓋していても、近すぎて全然効かない。
「雅、毎回逃げるのやめたらどうだ?
最後はいつも折れるんだから、早く治療してきてもらってよ」
「他人事だと思って・・・京一郎、ひでぇっ」
そんな、涙目で睨まれても・・・
黒曜様を止められるのは、雅しか居ないんだから。
私には、庇いようが無い。
「本気で嫌なら、真名で縛りを強くするとか・・・
角無し鬼は、契り相手の嫌がることは出来ないものだし。
黒曜様がこう出来るってことは、雅自身がそれほど嫌がってないってことじゃないの?」
「恥ずかしくて、本当にイヤなんだってばっ
でも、俺と黒曜は・・・」
何か言いかけた雅の口を、黒曜様は掌で蓋してそのまま抱き上げ拘束。
モガモガ何かを言っている雅の耳元で囁いて。
その口を黙らせてしまった。
そのまま無言で、トイレに連れて行ってしまう。
好きな相手に浣腸されたり、薬入れられたり。
相当恥ずかしいのに、それを受け入れる雅は凄いと思う。
もしも私がそんなこと琉璃丸にされたら・・・想像すら出来ない。
恥ずかしすぎて、顔見れなくなるんじゃないかな。
ガタガタと、トイレの方から物音が。
雅が最後の悪あがきをしているんだろうな。
私はそろそろ様子を見に来る瑛二さんのために、お茶の準備に取り掛かった。
私の背に隠れる雅と。
目の前に迫ってくる黒曜様。
「俺、もう、恥ずかしすぎて死ぬっ」
耳まで真っ赤に染めた雅は、子犬のようにブルブル震え。
黒曜様は、それを無表情で威圧しているようにしか見えない。
その間に挟まれるのも、一週間続くと慣れてくる。
「雅、いくら嫌がってもしなくちゃいけないんだし」
「黒曜にされるのは、イヤなんだっ」
雅にグイグイ背を押されて溜息。
チューブでの投薬を瑛二さんに言われてから、毎晩雅はこの調子。
身体も随分動かせるようになったけど。
例え全力が出せても、黒曜様相手に敵うわけが無い。
一人でトイレで済ませようとして。
力尽くで入って来る黒曜様から、台所まで逃げてくる。
「あの、黒曜様。
雅、嫌がってるので・・・私が変わりに」
「・・・」
無言で睨まれ、ですよね~と苦笑い。
相変わらず、黒曜様は私とは話してくれない。
「お、俺、自分でするからっ
黒曜は、もう、入ってくるなっ!!」
「一人でやろうとして、加減がわからずに効果がなかっただろう」
「それは、初日の話だろっ
そ、それこそ黒曜にされて、だいたい分かってきたからっ」
「だいたいでは、困る。
オレが傷つけた身体だ。
責任を持って治したい」
「俺が傷ついたのは、自己責任だっ」
静かに諭すような黒曜様と違い、雅の声は大きくて耳が痛くなる。
指で耳を蓋していても、近すぎて全然効かない。
「雅、毎回逃げるのやめたらどうだ?
最後はいつも折れるんだから、早く治療してきてもらってよ」
「他人事だと思って・・・京一郎、ひでぇっ」
そんな、涙目で睨まれても・・・
黒曜様を止められるのは、雅しか居ないんだから。
私には、庇いようが無い。
「本気で嫌なら、真名で縛りを強くするとか・・・
角無し鬼は、契り相手の嫌がることは出来ないものだし。
黒曜様がこう出来るってことは、雅自身がそれほど嫌がってないってことじゃないの?」
「恥ずかしくて、本当にイヤなんだってばっ
でも、俺と黒曜は・・・」
何か言いかけた雅の口を、黒曜様は掌で蓋してそのまま抱き上げ拘束。
モガモガ何かを言っている雅の耳元で囁いて。
その口を黙らせてしまった。
そのまま無言で、トイレに連れて行ってしまう。
好きな相手に浣腸されたり、薬入れられたり。
相当恥ずかしいのに、それを受け入れる雅は凄いと思う。
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ガタガタと、トイレの方から物音が。
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