鬼ごっこ～あのこがほしい～

弥勒過去編(瑛二＆白銀)

お腹 ４

「あの・・・産んだ方がいいのかな・・・？」
「そりゃそーだろ。
白銀と俺の子どもだろ？
・・・ただ、他の奴等には知られたくないからな。
俺とお前で取り上げることになる」

僕のお腹を優しく撫でる表情は、不安と期待が入り混じっていて。
瑛二の中でも、この状況をまだ処理し切れていないようだった。

「白銀に負担も心配もかけるけど・・・俺がこの件に関しては動くぞ」
「僕は瑛二に任せるよ。
あ、でも・・・瑛二まだ高校生だよ？
鬼なら、産まれてすぐに一人前に活動も出来るけど・・・人間だったら・・・」
「それこそ、俺が望むところだけどな。
人間だったら、直系の嫡子として跡継ぎになる。
俺への見合いを全部根こそぎ断れるだろ？」

あぁ、そういう使い道にもなるんだ・・・だったら、人間がいいな。
万一鬼が生まれて、瑛二が僕と同じように角無し鬼にするなんて言い出したら・・・僕はきっと許せない。

「鬼と人と混じる可能性だってあるからな。
どちらにしても・・・いろいろ練らねーと」

膝の上に座ったまま、黙り込んでしまう。
全然、僕を見てくれない。
多少は待つけど、我慢の限界だっ
僕は瑛二の旋毛にキスをする。

「うわっ、なんだよ、急に！？」
「僕・・・瑛二を食べたい」
「それより考えることが・・・」

前を向いたまま、僕を全然見上げてもくれない瑛二に、イライラしてしまう。
妊娠なんて、分からなければ良かったっ

「お前、何拗ねてんだよ。
俺とお前のことだから、真剣に考えてんだろ？」

それに気づいた瑛二は、振り返り膨れる僕の頬を苦笑しながら指でつつく。
もう片方の手を伸ばし。
文机の上に置いていた携帯を手に何かを検索。
結果を読んだ瑛二は、元の場所に戻して服を脱ぎ始めた。

「お前がしんどかったり、お腹に異変が出ないならに限ってだけど。
セックスも激しくねーのならして大丈夫そうだし。
久しぶりにやさしーく抱いてやるよ、俺の嫁さん？」
「よ、めっ」
「子どもも産んでくれるんだし、もう、間違いなく俺の嫁だろ？」

ニヤリと笑う瑛二に、僕のイライラは吹き飛んでしまう。
はだけた服の隙間から見える、日に日に引き締まってきた胸やお腹を舐めて僕の臭いをたくさんつけたい。
括れた腰の柔らかな脇腹に噛みつきたくなるっ
ますますカッコよくなっている僕の瑛二っ



僕はその夜、瑛二に美味しく優しく食べられて。
僕も久しぶりにお腹を気にせずたくさん食べてしまい。
翌朝、瑛二はダウン。
その分、じっくり作戦を練ったと哂った夕方の瑛二の顔は。
僕から見ても、悪い顔になっていた。