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弥勒過去編(瑛二&白銀)

混在 1

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「瑛二、身体は大丈夫?」

お昼過ぎになって、ようやく瑛二の目が覚めた。
ぼんやりと、天井を見たまますぐに起き上がらない。

「今日は、学校には休むよう連絡を入れているみたいだよ。
何も食べずに寝たから、お腹空いているよね?」

つい、触れたい気持ちが抑えられず。
瑛二の頭を撫でてしまう。

「・・・ああ、空いてる」

ぼんやり気が抜けてる瑛二の言葉には力がない。
早く何か食べた方が良さそうだ。 

僕は立ち上がり、すっかり僕に怯え始めた人間に、昼食を貰いに行く。
鬼落ちと、馬鹿にしていた目が。
属性持ちであったことを改めて認知したらしい。

僕自身は、人間の評価は正直どうでも良くなっている。
瑛二へ悪影響が出ない程度なら、俺を受け入れてしまったことで他の家から馬鹿にされている鬱憤晴らしにでも使ってもらった方がいいかと思っていた。
ただ、今回は・・・瑛二を怪我させたからね。
仕方ない、仕方ない。
自分の中で納得して、瑛二の昼食準備に取り掛かった。




「ん、ご馳走様。
休憩したら、風呂入ってくる」
「湯を張っておくよ」

瑛二が僕を見て。
普通に話してくれることが嬉しい。
三日間、全然会話してもらえなくて辛かった・・・

「・・・その前に、聞きたいことがあるんだけど」
「僕に?」

なんだろう・・・ノートのことだろうか?
瑛二の前に正座して、言葉を待つ。

「何があったんだ?」
「何がって、何が・・・?」
「だーから、俺に抱かれんの嫌がってたくせに、急に自分から咥えてたろ?
どう考えても、つながんねーんだよ。
俺はてっきり、見合い相手の彰姫サンと前からなんかあったのかとか。
そのわりに、彰姫サン、俺に寝取らせるようなこと言ってたなとか。
全然、わかんねー」

瑛二なりに考えてたみたいだけど・・・難しいね。
人間と鬼じゃ、思考が違う。
こうなってみても、自分自身、欲望に忠実すぎるところは戸惑うくらいだから。

「鬼になると、僕だけかもしれないけどね。
自分が本当にしたいことが一番前に出るみたいで・・・それに対して嘘もつけないから、僕も困ってるんだ。
瑛二に抱かれたくないのか聞かれたときも、否定できないから無言でしか答えられなかった。
・・・それより、彰姫の見合い写真見せた覚えないのによく知ってたね?」
「俺とお前の部屋を入れ替えるとき、見た。
いろんな家から来てたんだな?」
「弥勒家の当主の相手になりたい、なんて。
今まであまりなかったんだけどね。
他の家と交流していたら、増えてきて。
瑛二はカッコいいから、僕よりもたくさんくるよ」

今は僕が足を引っ張っているけれど、瑛二に実力がついて名声が高まれば誰も放っておかない。
近い将来を想像し、うっとりと瑛二を眺めたら冷たく切り返された。

「・・・あ”?」
「いや、だから、見合い相手。
当主は嫡子を・・・・」

ピキッと。
瑛二の額に血管が浮き上がっていた。
僕、何か怒らせるようなこと、言った・・・?
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