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38 記憶 side 陸
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自己申告じゃ、コレが4度目になる渡は空っぽだったらしい。
俺と渡の堅いペニスをその熱ごと閉じ込めるように固く握り、渡の反応に気を配りながら擦り合わせたんだが表面が摩擦で赤みを増すだけだった。
俺の首に腕を回し、苦しげに眉間にしわを寄せて声を漏らす渡。
快感を得てねぇわけじゃねーみたいだが、辛そうだ。
俺に付き合わせるのは無理かと手を止めると、渡はトロリと蕩けた瞳で俺を探し、酩酊した意識の中で「陸、イッてへん」と健気に自分の震える両手を添えてきて上下に動かそうとする。
そこまでするこたねーよと言い聞かせても、傷ついた顔をされた。
仕方無く、その上から手を重ね機械的にさっさと終わらせる。
自分じゃねぇ渡の指に握られているだけで、いつもより駆け上がるのがはえぇ。
渡は俺が吐精したことを確認した途端、ホッと息を吐いて脱力。
倒れてきた渡を抱き止めたが、胸を上下するくれぇ息はあれぇのに声を掛けてもぼんやりとしていて反応が薄い。
濡れたシーツで脱ぎ散らかしたジャージと渡の身体を包むと、強引に抱き上げて風呂場へ急いだ。
こりゃ、食う前に寝るんじゃねぇか?
そんなに疲れたのかよ?
「ほれ、さっさと脱げ」
「んー」
うとうとと頭を揺らす渡を床に立たせたが危なっかしい。
俺にもたれさせて、太ももに引っかかってる下着を脱ぐよう声を掛けた。
身体は、軽くシャワーで流したほうが早いな。
渡の身体を見下ろせば、腹部から足までべっとりと濁った点が散っている。
「うぅ、ヘロヘロで力が入らへん・・・」
渡は、下着を脱ぐだけで重力に負けて床にへたりこみそうになっていた。
あー、そういや体力無かったな。
番になれば、こういった面じゃ俺に合わせて多少底上げされんだろうが、今はβ並み。
こんなに疲れてんなら、渡を気持ち良くすんのも考えものか。
脱ぎ終わったローライズのボクサーパンツを目の前で広げ、「今日洗濯したら明日に間に合うかな」とぶつぶつ呟いているが今日はここから出さねぇよ。
浴室に一緒に入り、こけねぇ内に椅子に座らせる。
シャワーの温度調整をしていると、渡が鏡越しに心細げに尋ねてきた。
「俺、ちゃんと出来とる?」
「は?
ちゃんとってなんだよ?」
意味がわかんねぇ。
俺が尋ね返すと、渡は振り向いて不安そうに俺を見上げてきた。
「ご飯とかもやし、さっきのもやし、俺、陸にしてもらってばっかりやん?
俺、陸の番になんのにちゃんと出来とるんかなぁって」
「アホ」
スパンッとその情けねぇ声を両断する。
本当にアホとしか言いようがねぇ。
平らな目でその湿気た顔にシャワーをかけてやる。
俺にして貰ってばかりとか、どこかだよ。
お前がここに一緒に来てくれた時点で、どんだけ釣りが来ると思ってんだ。
お前に一生かかっても返せる気がしねぇわ。
「プハッ、ちょぉっ、目に入るやんかぁ」
「洗ってやるから、そのまま口も目も閉じとけ」
渡はピタリと口を閉じて大人しく背中を向けた。
まぁ、確かに言ったがすんなり聞きすぎじゃねぇか?
なんつーか、俺に対して意識してんのに基本無防備だよなぁ。
渡の頭上からシャワーをかけてやりながら、水が流れる先を無意識に目で追っていた。
髪からうなじ、俺の噛み跡を避けるように分かれて肩から背中、腰から下へと流れ落ちる。
滑らかな肌とふくよかな肉感が、濡れて益々美味そうに見えんな。
俺と渡の堅いペニスをその熱ごと閉じ込めるように固く握り、渡の反応に気を配りながら擦り合わせたんだが表面が摩擦で赤みを増すだけだった。
俺の首に腕を回し、苦しげに眉間にしわを寄せて声を漏らす渡。
快感を得てねぇわけじゃねーみたいだが、辛そうだ。
俺に付き合わせるのは無理かと手を止めると、渡はトロリと蕩けた瞳で俺を探し、酩酊した意識の中で「陸、イッてへん」と健気に自分の震える両手を添えてきて上下に動かそうとする。
そこまでするこたねーよと言い聞かせても、傷ついた顔をされた。
仕方無く、その上から手を重ね機械的にさっさと終わらせる。
自分じゃねぇ渡の指に握られているだけで、いつもより駆け上がるのがはえぇ。
渡は俺が吐精したことを確認した途端、ホッと息を吐いて脱力。
倒れてきた渡を抱き止めたが、胸を上下するくれぇ息はあれぇのに声を掛けてもぼんやりとしていて反応が薄い。
濡れたシーツで脱ぎ散らかしたジャージと渡の身体を包むと、強引に抱き上げて風呂場へ急いだ。
こりゃ、食う前に寝るんじゃねぇか?
そんなに疲れたのかよ?
「ほれ、さっさと脱げ」
「んー」
うとうとと頭を揺らす渡を床に立たせたが危なっかしい。
俺にもたれさせて、太ももに引っかかってる下着を脱ぐよう声を掛けた。
身体は、軽くシャワーで流したほうが早いな。
渡の身体を見下ろせば、腹部から足までべっとりと濁った点が散っている。
「うぅ、ヘロヘロで力が入らへん・・・」
渡は、下着を脱ぐだけで重力に負けて床にへたりこみそうになっていた。
あー、そういや体力無かったな。
番になれば、こういった面じゃ俺に合わせて多少底上げされんだろうが、今はβ並み。
こんなに疲れてんなら、渡を気持ち良くすんのも考えものか。
脱ぎ終わったローライズのボクサーパンツを目の前で広げ、「今日洗濯したら明日に間に合うかな」とぶつぶつ呟いているが今日はここから出さねぇよ。
浴室に一緒に入り、こけねぇ内に椅子に座らせる。
シャワーの温度調整をしていると、渡が鏡越しに心細げに尋ねてきた。
「俺、ちゃんと出来とる?」
「は?
ちゃんとってなんだよ?」
意味がわかんねぇ。
俺が尋ね返すと、渡は振り向いて不安そうに俺を見上げてきた。
「ご飯とかもやし、さっきのもやし、俺、陸にしてもらってばっかりやん?
俺、陸の番になんのにちゃんと出来とるんかなぁって」
「アホ」
スパンッとその情けねぇ声を両断する。
本当にアホとしか言いようがねぇ。
平らな目でその湿気た顔にシャワーをかけてやる。
俺にして貰ってばかりとか、どこかだよ。
お前がここに一緒に来てくれた時点で、どんだけ釣りが来ると思ってんだ。
お前に一生かかっても返せる気がしねぇわ。
「プハッ、ちょぉっ、目に入るやんかぁ」
「洗ってやるから、そのまま口も目も閉じとけ」
渡はピタリと口を閉じて大人しく背中を向けた。
まぁ、確かに言ったがすんなり聞きすぎじゃねぇか?
なんつーか、俺に対して意識してんのに基本無防備だよなぁ。
渡の頭上からシャワーをかけてやりながら、水が流れる先を無意識に目で追っていた。
髪からうなじ、俺の噛み跡を避けるように分かれて肩から背中、腰から下へと流れ落ちる。
滑らかな肌とふくよかな肉感が、濡れて益々美味そうに見えんな。
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