ヘタレαにつかまりまして 2

三日月

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38 記憶 side 陸

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渡は、素直に染みが広がる下着の盛り上がりを両手に閉じ込める。
力み過ぎて、ローライズのボクサーパンツに指が食い込み、そこを中心に布が絞られるから裾が浮いていた。
俺は、出来た隙間にもう一本指を入れ、二本の指でゆっくりと狭間を昇りながら窪みの奥を探す。

下着サイズにゆとりがねぇから、進みにくい。
つーか、上も引っ張られててっぺん出てんじゃねぇか。
立てた膝の内腿を啄み痕をつけながら見下ろすと、根本から竿まで両手で握ってんのに、はみ出た先端の淡い桃色の切れ目から白い雫がトロトロ漏れて止まってねぇ。
それは本人もわかってるらしく、「止まらへん」と焦って更に指に力を入れているんだが効果がねぇようだ。

俺のと全然色が違う。
その柔らかで甘そうな色に誘われ、もっと見てぇと衝動的に空いていた手でウエストゴムを捲っていた。
抑えを無くした亀頭が持ち上がり、プルンと顔を出す。
限界ギリギリで踏ん張っていた渡から短い抗議の悲鳴が上がったが、それは耳を素通りしていた。

初めて目の当たりした渡のペニス。
αに比べりゃ、βのそれは形も大きさも大人と子どもくれぇの差があるのは知っていたが、所詮はおんなじ機能を持つ性器だとこの目で見るまで軽く考えていた。
が、実際見るとなんだこりゃ、だな。
渡のだからなんだろうが、まるで違って見える。

指が触れただけで、簡単に割いて中身が出てきそうなくらい膨らんだ丸み。
布からはみ出たそれは、掌にころりと収まる楕円形。
なめらかな皮膚は、薄い果実の皮のように色づいていて、収穫を待ちかねて蜜を垂らし誘ってるようにしか見えねぇ。

うわぁ、マジか。
自分のΩは、どこもかしこも美味そうに見えて堪らねぇってのは親父から聞いたことがあったんだが、ここまでクルとは想像以上だ。
ガツンと後頭部を思い切り殴られたような衝撃でクラクラしてくる。
渡をよくしてやるのを優先すべきだと、意識して後回しにしていた欲望が呆気ないほど高まり腰が震えた。

何もかも忘れて、食らいついてしゃぶりつきてぇっっ

そのとき、目と意識はそっちに釘付けで完全に逸れていたが、後ろを這っていた指はちょうど目的の場所に辿り着いたところだった。
なんとか理性を掻き集め、今優先すべきはコッチだろうと指に力を込める。
人差し指が、ヌププと内へ潜り簡単に第一関節まで飲み込まれた。
渡の熱に内壁から直接触れるのは二回目だ。
渡がイかねぇギリギリで堪能してやろうとか、余裕ぶっこいてた俺がアホ過ぎるっ
自分のΩ相手に、他のと同じように行くわきゃねぇ。

あぁ、くっそやべぇわ。
一度は抑えた熱が、その反動で高まり全身を駆け巡る。
ココに入りてぇとズクズク下腹が滾り、無意識に指に力を込めていた。
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