ヘタレαにつかまりまして 2

三日月

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37 牙 side 渡

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二人で浴槽に突っ込んでしもて、驚いたんと怖いのんでそれまでの雰囲気台無しにしてしもたんは俺なんやけど。
お風呂から上がって、ご飯も食べ終わったら、疲れてるやろうからって早めにお布団に入ることになってんなぁ。
その時点で、あれれ?
こぉ、まったりなんか飲みながらいちゃいちゃせぇへんの?って不思議やったんやけど。

陸と初めてのお布団一緒とか、ときめきが止まらんくって自分からベットに潜り込んでしもた。
ギシッて、ベット軋ませてあとから入ってきた陸の男前なことっ
そんなん、そんなん間近で見たら、たまらへんやーんっ
ぐるぐるベットの上で回りたくなんのを耐えて、大きくなってから同じ布団の中で誰かと寝るのも初めてやし、寝相悪くて蹴飛ばしたらごめんやで~、とかとか、口では言っててん。
や・け・どっ
頭ん中は、お風呂場の続きが来るやろなって期待と期待と期待ではち切れそう。

薄暗い部屋で、二人の呼吸音がやけに大きく聞こえてくるし。
陸がちょっと身体動かすたんびに身構えててん。

手ぇ伸ばされたら俺も握り返そう、とか。
エロいチュウ、いっぱいしてもらって慣れてこう、とか。
いつも家で着てる中学ジャージは失敗やったかなぁ、とか。
勝負下着ちゃんと履いたやんな、とか。

陸の隣でしょうもないこと含めて色々考えてな。
さぁ、いつでも来てって気持ちではいたんやで。
せやのに、いつの間にか寝てしもててんもん。

朝起きて、ガックリ来たわ。
ジャージ脱がされた形跡が無かったんやもん。
でも陸に、「なんで何もせぇへんかったん?」って聞くんはおねだりしてるみたいやん?
そしたら、俺、めっちゃエッチな子やと思われてまうやん。
んん、まぁ、そこは、うん、思われてもえぇんやで?
ほんまのことやし。
けど、それで陸が来てくれても、俺それに応えるには予習不足やってヒシヒシわかってしもたからなぁ。

朝からチュウはしてるんやけど、エロいのんやないし。
陸、俺の低レベルさに合わせて時間かけようとかおもてくれてるんかな。
・・・俺から迫るしかないんやろか?


「おい、こっちだぞ」


『計画』に没頭しとったら、前を歩いてた陸がいつの間にか獣道を外れた場所に移動してた。
ごめんって謝って、慌てて草を掻き分けて後を追う。
お昼食べてから、陸に昔俺と遊んだ場所を教えて貰うことにしてん。
村ん中を歩き終わったら、陸がさっさと帰ろうとするしな。
俺から、森の方もってお願いした。
陸、めっちゃ複雑な顔してたけど。

お昼御飯はホットケーキにしてお互いに焼いたんを交換して食べてん。
卵が新鮮なんもあるし、蜂蜜が美味しいのんもあるし、陸がフワフワに焼いてくれたんもあるしで、今まで食べた中で一番美味しいホットケーキやった。
陸、一人暮らし経験者やし、俺より料理が上手そうやねんなぁ。
ホットケーキをフライパンでひっくり返すの、ポーンって一回転させてた手付きが慣れてんねんもん。
お店出来るんちゃうかな。
夕飯は俺が作りたいって言った後やったし、プレッシャーやわ。
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