ヘタレαにつかまりまして 2

三日月

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36 牙 side 陸

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悩ましいが、それさえこの身に抱えんのが嬉しい。
諦めていた俺のΩとこれから先のことを考えていられるんだから当たり前か。
俺のΩがこの腕の中にいることこそ、喜びで、最上で、せめてここにいる間くれぇ渡のことだけ考えていたいんだよな。
俺のなすがまま息を乱す様を堪能しながら、指でリズムよく上下に擦り高みへと導く。


「あ、アカン、あかんて、陸⋯ほんまに俺、イッてまぅ」


上擦った声に切迫した表情。
そんな涙目で縋られたら逆効果だろう。
目尻に口づけ「イケよ」と笑いかけてやれば、瞳を見開いた渡の腰が一際ビクンッと大きく跳ねた。
追い打ちをかけて裏筋の辺りを何度もなぞり、仰け反った喉に牙を立ててやると呆気なく布越しに渡の熱が弾ける。
ビクビク全身痙攣しながら、矯声を殺そうと引絞った唇を塞いで無理やり開かせ、声も吐息も全部味わう。

あぁ、マジで夢みてぇだわ。
こんなにすぐイキ顔を拝めるなんて。
男同士ってだけで、かなりハードルがたけぇだろうと構えてたのに。
柔らかな芯を保ったまま形を崩したペニスを掴みなおすと、手の動きに合わせてニチニチと絡みついてる淫らな音を俺の鋭い聴覚が漏らさず拾う。

結構出てんじゃねぇか?
与えてやれた快感を確かめるため、唇を離して視線を下ろせば広がる染みを恥らってんのかモジモジ膝合わせてる仕草が堪んねぇな。
このまま剥いて両膝を割り、俺の前じゃなんも隠すことなんて出来ねぇようにぱっかりと開いてやりたい。
それを考えただけで、ゾクゾクと期待と支配欲で背筋が震え、牙が軋む。

・・・堪えろ、今はその時じゃねぇ。
明日か明後日か近いうちに、直に触れたり裸を俺に晒してくれるまでは我慢だ、我慢。

けど、簡単に考えるのをやめるには渡の存在が近過ぎる。
ココ、舐めたら流石に引かれっかなぁ。
射精した直後で渡が呆けてる間に、グニグニ珠ごと揉んで余韻に快感を追加してやる。
俺がすることはなんでも気持ち良いもんだと、身体に早く刻んでおきたい。
触るのがこんなに抵抗ないんなら、舐めるのも飲むのも案外嫌がらねぇかもな。
渡のイキ顔に煽られこっちも限界が近いが、それよか渡を余すことなく喰らいたい気持ちがどんどん膨らんで、無意識にペロリと唇を舐めていた。
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