ヘタレαにつかまりまして 2

三日月

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36 牙 side 陸

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「なぁ、どこまで俺と妄想してたんだ?」

「そ、そ、そんなん、ナイショに決まってるやんかぁ」


渡は、少しでも俺の目から逃れようと両手で顔を隠す。
その手の甲にキスを繰り返しながら、「顔、見せろよ」と頼んでもふるふる頭を左右に振られるだけだった。

まぁ、男同士のディープキスに抵抗が無かったんだからな。
ココまでは、頭ん中で出来てたんだろーが・・・問題は、この先だ。
キスまでなら、女相手でも俺相手でもやるこた同じ。

けど、だ。

身体を繋げる立ち位置は、β同士で言やぁ渡を女側に回らせることになる。
怖がらせるつもりはねぇけど、渡がどこまで俺に許すつもりでいてくれてんのか知っておきてぇ。
ローテーブルと渡の間に腕を突っ込んで、立てた人さし指でゆっくりと下腹部からへそに向かって線を引きながら耳元で囁く。


「なぁ、渡。
教えてくれよ」


トントンと、埋め込む先端が届く場所に軽く指を当てる。
ココに、俺をいれるとこまで妄想してたのか?

渡がどんな表情をしてんのか、ブルブル震えてる両手が邪魔して見えねぇ。
じゃあ、他で見るだけだな。
自然と視線は下へ、俺の指より下へと移る。
そこに見えたのは。

・・・クククッ

思わず、喉奥で笑っちまった。
なんだよ、全然萎えてねぇしさっきよか膨らんでんじゃねぇか。
腰回りに余裕があるチェックのパンツを履いてんのに、渡のペニスがそこを突き上げているのがわかる。

この動きがなんのことかもわからねぇようなら、俺をそういう意味で意識するとこから教えてくしかねぇのかと思ってたんだがな。
渡のヘソの周りにゆっくりと円を描く。
どうやら、その心配は無いらしい。


「なぁ、楽にしてやるよ」

「あ、あかん、陸、触らんといて」


指を下げ、輪郭を辿ってから布越しにペニスを握ってやると、渡の声は焦って上擦り邪魔だった手が顔から外れた。
自分以外のペニスを触るのは、流石に俺も初めてだ。
俺の手のひらに収まるくれぇの小ささ。
渡は、ここまで可愛いんだな。

覆い被さり、再び唇を奪う。
ねっとり舌を絡ませ、言葉を奪い、思考も奪う。
ペニスに触れられ強張っていた身体から、俺の手を剥がそうとした指から、力が抜けるのに時間はそうかからなかった。

渡は抵抗どころか、キスの合間に思わず漏れるのか「気持ちえぇ」と鼻にかかった声で甘えてくる。
やべぇ、俺のΩは相当エロい・・・こんなにすぐがっつくつもりなんてなかったのに、快感にとろけた顔で見上げられるともっと試したくなるじゃねぇか。
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