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32 挨拶 side 渡
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笹部君、二粒目のキャラメルをコロコロって、口ん中で味わいながら無言で立ち上がって歩き出したしな。
俺も、一緒に生徒会室に戻ってん。
けど、笹部君がノックしてみたけど、内側からなんの反応も無い。
「もぅ、帰ったんやろか」
「じゃねーの?
19時過ぎてるしな。
それくらいには終わらすって菊川も言ってたし」
笹部君は、慣れた手付きで目安箱のロックを外して、取り出し用の扉を手前に上げてカードキーを出してん。
読み取り機に翳したら、電子音がして生徒会室の扉が解錠。
中は真っ暗で、無人やった。
俺と笹部君の机の上には、カフェオレとココアの缶が置いてあってんけどこれも冷え冷え。
帰ったら、温めて飲もうっ
壁際の向こう側が透けて見えるクリアボードには、松野君の字で学園祭の反省点と来年度向けに改善策が書かれててん。
来年度は俺ら二年生は役員出来ひんけど、ホマレンや海ちゃん、空ちゃんのためやろか。
そっか。
来年のことまで考えた大事な反省会やったんなぁ。
それをサボってしもた・・・怒られるつもりであの場から逃げたんやけどな。
こんなにきっちりしてくれてた跡を見ると、あかんことしたなぁって反省。
振替休日明けの火曜日、皆に謝ろう。
あと、かなちゃんには連絡しとこうかな。
目の前で逃げてしもたし、心配してくれてるかもしれへん。
荷物を取る前に、スマホからチャットにメッセージを入れとく。
『かなちゃん、心配させてごめんなさい。
仲直りして、お付き合いすることになりました。』
送信したら、間を置かんと返信が来た。
『本当に大丈夫か?
何かあったら、いつでも相談に乗るからな。』
ふふ、かなちゃん、めっちゃ心配してくれてたんやな。
『大丈夫、ありがとう。
でも、これからもいっぱい相談に乗ってください。』
『任せておけ。
気をつけて帰るんだぞ。』
わっ、返信めっちゃ早っ
もしかせんでも、心配してこっちから連絡するん、待ってくれてたんかもしれへん。
ニコニコ笑顔で画面眺めてたらな。
向かいの席で、俺が打つのを待ってくれてた笹部君が話しかけてきてん。
「・・・桂木か?」
「かなちゃんやで?」
なんで桂木君なんやろ?
さっき、一緒に学園祭周った話をしたからやろか。
まさか・・・ヤキモチって、そんなわけないやーん。
秒で否定、心ん中でノリツッコミしてしもたわ。
小説で出てくるようなやり取りかもって、テンション上がる余地もない。
笹部君が俺に嫉妬とか、どんなシチュエーションなん?
笹部君やったら、どんな人と俺が仲良ぅしててもデーンッと構えて「仲良いじゃねぇか」って余裕で嗤ってそうやもん。
んんっ、そんな笹部君も格好良ぇやろなぁ。
俺は、笹部君に抱きしめられたってキャーキャー言うてた椎名さんに、今になって嫉妬メラメラのヤキモチ焼いてるけど。
俺も、一緒に生徒会室に戻ってん。
けど、笹部君がノックしてみたけど、内側からなんの反応も無い。
「もぅ、帰ったんやろか」
「じゃねーの?
19時過ぎてるしな。
それくらいには終わらすって菊川も言ってたし」
笹部君は、慣れた手付きで目安箱のロックを外して、取り出し用の扉を手前に上げてカードキーを出してん。
読み取り機に翳したら、電子音がして生徒会室の扉が解錠。
中は真っ暗で、無人やった。
俺と笹部君の机の上には、カフェオレとココアの缶が置いてあってんけどこれも冷え冷え。
帰ったら、温めて飲もうっ
壁際の向こう側が透けて見えるクリアボードには、松野君の字で学園祭の反省点と来年度向けに改善策が書かれててん。
来年度は俺ら二年生は役員出来ひんけど、ホマレンや海ちゃん、空ちゃんのためやろか。
そっか。
来年のことまで考えた大事な反省会やったんなぁ。
それをサボってしもた・・・怒られるつもりであの場から逃げたんやけどな。
こんなにきっちりしてくれてた跡を見ると、あかんことしたなぁって反省。
振替休日明けの火曜日、皆に謝ろう。
あと、かなちゃんには連絡しとこうかな。
目の前で逃げてしもたし、心配してくれてるかもしれへん。
荷物を取る前に、スマホからチャットにメッセージを入れとく。
『かなちゃん、心配させてごめんなさい。
仲直りして、お付き合いすることになりました。』
送信したら、間を置かんと返信が来た。
『本当に大丈夫か?
何かあったら、いつでも相談に乗るからな。』
ふふ、かなちゃん、めっちゃ心配してくれてたんやな。
『大丈夫、ありがとう。
でも、これからもいっぱい相談に乗ってください。』
『任せておけ。
気をつけて帰るんだぞ。』
わっ、返信めっちゃ早っ
もしかせんでも、心配してこっちから連絡するん、待ってくれてたんかもしれへん。
ニコニコ笑顔で画面眺めてたらな。
向かいの席で、俺が打つのを待ってくれてた笹部君が話しかけてきてん。
「・・・桂木か?」
「かなちゃんやで?」
なんで桂木君なんやろ?
さっき、一緒に学園祭周った話をしたからやろか。
まさか・・・ヤキモチって、そんなわけないやーん。
秒で否定、心ん中でノリツッコミしてしもたわ。
小説で出てくるようなやり取りかもって、テンション上がる余地もない。
笹部君が俺に嫉妬とか、どんなシチュエーションなん?
笹部君やったら、どんな人と俺が仲良ぅしててもデーンッと構えて「仲良いじゃねぇか」って余裕で嗤ってそうやもん。
んんっ、そんな笹部君も格好良ぇやろなぁ。
俺は、笹部君に抱きしめられたってキャーキャー言うてた椎名さんに、今になって嫉妬メラメラのヤキモチ焼いてるけど。
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