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32 挨拶 side 渡
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「え、笹部君、大丈夫??」
「だいっ、じょーぶな、わけ、がねぇだろうが・・・」
息荒なってるし、近付いて顔色見ようかと思ってんけど。
俺に向かって、バシッと広げた右掌を突き出されて阻まれてしもた。
「あーのーなーっ
Ωの発情フェロモンを甘くみんなっっ」
「・・・でも、ちょっとで、笹部君にしかわからへんねんやろ?」
「俺には、わかんだよっ
軽くても、身体は反応するんだ、このアホッ」
うわっ、笹部君、めちゃ目が釣り上がってて怖い・・・んやけど、潤んでて色っぽい。
俺の発情フェロモンで笹部君、発情しとるってこと??
生徒会室では、気分が悪いんかと思ってたけど、あんときもそうやったん??
怒られてんのに、違う意味でドキドキしてきたわ。
わぁ、マスクの下、もしかせんでもあの牙が出てんの??
反省もせんと、キラキラ興味津々でマスクを見てたことがバレてな。
笹部君に、目を細めて睨まれてしもた。
「不用意に、マスクを取んなっ」
「んー、分かった・・・ごめんなさい。
朝、空ちゃんに抑制剤つこてしもたしな。
家に帰ったら打つな?」
そしたら、笹部君も反応せぇへんし、俺は顔も見れるし、もう一回キスも出来るやんなっ
「それは、必要ねぇってか、打つな」
「え??
それやと、もう、キス出来ひんやん」
「お前は、どんだけキスに拘んだよっ」
「さっきの短くてあっという間やったんやもん・・・」
ぷにぷに唇を指でいらう。
ジンクス以外でも、笹部君とチュウしたい。
笹部君の唇、柔らかいのしかわからへんかった。
もっと感触覚えてたいっ
笹部君は、俺を見ながら盛大な溜息。
そっから、下向いてな。
額を左手で押さえて、「あ"ーーー」って低音で呻いてん。
ほんで、「勘弁しろよ」ってブツブツ。
いやいや、勘弁して欲しいのはこっちやで??
ジトーッて睨んでたらな。
笹部君、声を荒げて俺をキッと睨み返してきてん。
「・・・俺は、今回の発情期で三枝を番にしたいんだっ」
わぁっ
そっか、そっか、そうやんなっ
発情期が来たってことは、笹部君と番になれるってことやんっ
そこまで頭が回ってへんかったわ。
さすが、笹部君っっ
俺と番になること、しっかり考えてくれてたんやなぁ。
わぁ・・・こんな早く来るなんて思ってへんかったし、緊張するっ
あ、でも、遅く来ても緊張はするな、絶対っっ
すっかり浮かれてしもてな。
「うん、打たへんっ」て答えながら、どうしよう、どうしようってドキドキしてて。
胸の上に手を当てて、目をギュッと閉じてフルフル震えてもうてた。
だからな。
そんな俺を見ながら、笹部君がめちゃくちゃ不安な顔して呟いてんのには全く気付いてなかってん。
「・・・こいつ、本当に理解してんのかよ?」
その場で足を崩して、ジッパーを下ろした分はだけた服をパタパタ動かしてな。
熱を冷ますのに、胸元に風を送ってた笹部君。
頭が痛いって、顔も顰めてたらしいで。
「だいっ、じょーぶな、わけ、がねぇだろうが・・・」
息荒なってるし、近付いて顔色見ようかと思ってんけど。
俺に向かって、バシッと広げた右掌を突き出されて阻まれてしもた。
「あーのーなーっ
Ωの発情フェロモンを甘くみんなっっ」
「・・・でも、ちょっとで、笹部君にしかわからへんねんやろ?」
「俺には、わかんだよっ
軽くても、身体は反応するんだ、このアホッ」
うわっ、笹部君、めちゃ目が釣り上がってて怖い・・・んやけど、潤んでて色っぽい。
俺の発情フェロモンで笹部君、発情しとるってこと??
生徒会室では、気分が悪いんかと思ってたけど、あんときもそうやったん??
怒られてんのに、違う意味でドキドキしてきたわ。
わぁ、マスクの下、もしかせんでもあの牙が出てんの??
反省もせんと、キラキラ興味津々でマスクを見てたことがバレてな。
笹部君に、目を細めて睨まれてしもた。
「不用意に、マスクを取んなっ」
「んー、分かった・・・ごめんなさい。
朝、空ちゃんに抑制剤つこてしもたしな。
家に帰ったら打つな?」
そしたら、笹部君も反応せぇへんし、俺は顔も見れるし、もう一回キスも出来るやんなっ
「それは、必要ねぇってか、打つな」
「え??
それやと、もう、キス出来ひんやん」
「お前は、どんだけキスに拘んだよっ」
「さっきの短くてあっという間やったんやもん・・・」
ぷにぷに唇を指でいらう。
ジンクス以外でも、笹部君とチュウしたい。
笹部君の唇、柔らかいのしかわからへんかった。
もっと感触覚えてたいっ
笹部君は、俺を見ながら盛大な溜息。
そっから、下向いてな。
額を左手で押さえて、「あ"ーーー」って低音で呻いてん。
ほんで、「勘弁しろよ」ってブツブツ。
いやいや、勘弁して欲しいのはこっちやで??
ジトーッて睨んでたらな。
笹部君、声を荒げて俺をキッと睨み返してきてん。
「・・・俺は、今回の発情期で三枝を番にしたいんだっ」
わぁっ
そっか、そっか、そうやんなっ
発情期が来たってことは、笹部君と番になれるってことやんっ
そこまで頭が回ってへんかったわ。
さすが、笹部君っっ
俺と番になること、しっかり考えてくれてたんやなぁ。
わぁ・・・こんな早く来るなんて思ってへんかったし、緊張するっ
あ、でも、遅く来ても緊張はするな、絶対っっ
すっかり浮かれてしもてな。
「うん、打たへんっ」て答えながら、どうしよう、どうしようってドキドキしてて。
胸の上に手を当てて、目をギュッと閉じてフルフル震えてもうてた。
だからな。
そんな俺を見ながら、笹部君がめちゃくちゃ不安な顔して呟いてんのには全く気付いてなかってん。
「・・・こいつ、本当に理解してんのかよ?」
その場で足を崩して、ジッパーを下ろした分はだけた服をパタパタ動かしてな。
熱を冷ますのに、胸元に風を送ってた笹部君。
頭が痛いって、顔も顰めてたらしいで。
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