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32 挨拶 side 渡
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観客エリアを4ブロックに分けてたからな。
終了宣言の後、菊川君はエリア毎に帰る時間を少しずつずらして、一斉にバス停とか駅に人が殺到せぇへんように順番と時間も決めて指示してん。
ホマレンが先生らと一緒にその誘導係をしてな。
海ちゃんと空ちゃんが、帰っていったところから柵を片付けていくことになって。
俺は、機材とステージの撤収を頼まれてん。
他の役員は、グラウンドからそれぞれの担当場所に早々に行ってしもてな。
笹部君も、おらんねん。
笹部君、松野君と麻野君と一緒に校内の見回りを言われてん。
ちなみに、かなちゃんと菊川君も校内の見回り。
竹居君は、体育館の最終確認と戸締りやで。
あーぁ、俺も笹部君と一緒が良かってんけどなぁ。
菊川君が、「ダメだ」って受け付けてくれへんし、笹部君はなんも言わへんし。
そりゃ、仕事やしな。
同じとこ担当になっても、ゆっくり話は出来ひんけどな。
折角やったら、二人で居たいって思わへんのやろかぁ。
ステージの天板を他の子と一緒に外しながらな。
最初はそればっかり考えてしもててん。
笹部君、あんなに怒ってたんが嘘みたいに優しいしな。
めっちゃ笑顔やしな。
ステージでも、俺のことめっちゃ見てくれたしな。
俺のこと、ほんまに好きになってくれたんやなぁって感じるんやけど・・・うー、もっとこぉ、イチャイチャしたいっ
かなちゃんとこみたいに、ずっと一緒におりたいっっ
「三枝先輩っ」
「あ、桂木君!」
開放された柵から校門へ流れる人の波に逆らって、桂木君がわざわざ解体中のステージまで来てくれた。
わざわざ挨拶しに来てくれたんや。
律儀やなぁ。
「今から、帰るんやんな。
今日は、めっちゃ楽しかった!
ありがとうっ」
「えっと、俺、特にこれから予定も無いので、お手伝いさせてもらえませんか?」
「えぇよ、えぇよ。
他にもな、手伝うって言ってくれた子いたんやけどな。
菊川君が、これ以上は必要ないし増やさへんって言っててん」
桂木君と話し始めた俺に気を使って、一緒に運んでくれてた子が「俺、あっちを手伝ってきますね」って頭下げて指差した方に走っていった。
悪いことしたなぁ。
俺も後から追いかけな。
「そう、なんですか」
目に見えて、ガッカリしてる桂木君。
ほんまに真面目やなぁ。
「はよ帰って、歌音ちゃんにお土産渡してあげて」
「・・・はい」
俺の顔見て桂木君は頷いたんやけどな。
返事した後も黙って俺の顔見たまんまで止まってて。
そんなにジーーーッと見られてるってことは・・・
「どないしたん?
え、まさかまだメイク残ってるとこあったん?!」
「違います、違います。
あの、ですね。
さっき、ステージで・・・笹部先輩とは仲直りされたんですね」
「ん、ステージ??
あっ・・・そうやねん、そうやねんっ
あんな、笹部君にな」
テンションが高くなって、思わず告白のことまで言いそうになったんやけど。
こんな人がいっぱいなとこで、しかも、前に告白断ってしもた桂木君にまで言っていい話やないなと途中で口を閉じた。
んー、なんて言おうかなって迷ってたらな。
桂木君、何かを察した顔で寂しそうに笑ってん。
終了宣言の後、菊川君はエリア毎に帰る時間を少しずつずらして、一斉にバス停とか駅に人が殺到せぇへんように順番と時間も決めて指示してん。
ホマレンが先生らと一緒にその誘導係をしてな。
海ちゃんと空ちゃんが、帰っていったところから柵を片付けていくことになって。
俺は、機材とステージの撤収を頼まれてん。
他の役員は、グラウンドからそれぞれの担当場所に早々に行ってしもてな。
笹部君も、おらんねん。
笹部君、松野君と麻野君と一緒に校内の見回りを言われてん。
ちなみに、かなちゃんと菊川君も校内の見回り。
竹居君は、体育館の最終確認と戸締りやで。
あーぁ、俺も笹部君と一緒が良かってんけどなぁ。
菊川君が、「ダメだ」って受け付けてくれへんし、笹部君はなんも言わへんし。
そりゃ、仕事やしな。
同じとこ担当になっても、ゆっくり話は出来ひんけどな。
折角やったら、二人で居たいって思わへんのやろかぁ。
ステージの天板を他の子と一緒に外しながらな。
最初はそればっかり考えてしもててん。
笹部君、あんなに怒ってたんが嘘みたいに優しいしな。
めっちゃ笑顔やしな。
ステージでも、俺のことめっちゃ見てくれたしな。
俺のこと、ほんまに好きになってくれたんやなぁって感じるんやけど・・・うー、もっとこぉ、イチャイチャしたいっ
かなちゃんとこみたいに、ずっと一緒におりたいっっ
「三枝先輩っ」
「あ、桂木君!」
開放された柵から校門へ流れる人の波に逆らって、桂木君がわざわざ解体中のステージまで来てくれた。
わざわざ挨拶しに来てくれたんや。
律儀やなぁ。
「今から、帰るんやんな。
今日は、めっちゃ楽しかった!
ありがとうっ」
「えっと、俺、特にこれから予定も無いので、お手伝いさせてもらえませんか?」
「えぇよ、えぇよ。
他にもな、手伝うって言ってくれた子いたんやけどな。
菊川君が、これ以上は必要ないし増やさへんって言っててん」
桂木君と話し始めた俺に気を使って、一緒に運んでくれてた子が「俺、あっちを手伝ってきますね」って頭下げて指差した方に走っていった。
悪いことしたなぁ。
俺も後から追いかけな。
「そう、なんですか」
目に見えて、ガッカリしてる桂木君。
ほんまに真面目やなぁ。
「はよ帰って、歌音ちゃんにお土産渡してあげて」
「・・・はい」
俺の顔見て桂木君は頷いたんやけどな。
返事した後も黙って俺の顔見たまんまで止まってて。
そんなにジーーーッと見られてるってことは・・・
「どないしたん?
え、まさかまだメイク残ってるとこあったん?!」
「違います、違います。
あの、ですね。
さっき、ステージで・・・笹部先輩とは仲直りされたんですね」
「ん、ステージ??
あっ・・・そうやねん、そうやねんっ
あんな、笹部君にな」
テンションが高くなって、思わず告白のことまで言いそうになったんやけど。
こんな人がいっぱいなとこで、しかも、前に告白断ってしもた桂木君にまで言っていい話やないなと途中で口を閉じた。
んー、なんて言おうかなって迷ってたらな。
桂木君、何かを察した顔で寂しそうに笑ってん。
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