ヘタレαにつかまりまして 2

三日月

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31 学園祭 side 渡

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どうしたら、えぇんやろ。
俺は、笹部君から好きって言って貰えて、こんなにこんなに幸せな気持ちでいっぱいになったのに。
笹部君に辛い顔されると、俺まで苦しくなってくる。
笹部君に、喜んでもらえるかと思ってたのに。
でも、喜んで欲しいなんて押し付けることも出来ひん。
上手く、言葉でいえへん、伝えられへん。

あぁ、もどかしくて堪らへん。


「・・・で、なんで、こうなってんだ?」


俺、また顔に出てたんやろか。
笹部君は、ふっと息を吐いて話題を変えてくれた。
そのまま、上げてた左腕を俺の腰に回されて声も悲鳴も出ぇへんかったわっっっ
笹部君、俺と笹部君の間に挟まってた右腕も抜いてな。
ギュッて、笹部君から俺より逞しい両腕で抱き寄せられたんやで??
急に何が起こってんの???

えぇーぇえぇー、スリッてお腹に顔を擦り寄られたら、もぉ、どうしてえぇんか見当もつかへんで?!
両手上げて、万歳。
文字通り、俺、降参しか出来ひんで?!

俺はアワアワしてんのに、笹部君はめっちゃ余裕。
っていうよりな。
そうすることが当たり前みたいな顔で、俺を見上げて笑いかけてきてんねんっ

なんか、大事なもんを確かめるみたいな掌とかやんわりしか力の入ってへん腕の動きが優しくて。
・・・ほんまにどうしてえぇんかわからへん。
嫌なわけないし、止めても言えへんし、でも身の置き場に困るって言うか、な?!


「え、あの、笹部君はなにしてんの?」

「んー、噛み締めてる」


え、何をなん??
戸惑ってる俺に、笹部君はまた目ぇ細めて今度は面白そうに笑ってる。
んー、もぉー、よぅわからへんけどこのまんまでええかなぁ。
さっきの笹部君より、今の笹部君の方がホッとするもん。

俺も、したいことしたろっ
でも、今度はちゃんと起きてる笹部君に断ろうっ


「あんな、膝枕は俺がしたかってん。
あとな、笹部君の頭、触ってもえぇかな」


笹部君は、瞬きしてちょっと考え込んでけどな。


「どーぞ。
俺のことなら、全部三枝の好きにして良いぜ」


わぁ、小説の中の人みたいなセリフやんっ
キュンキュンしてまうやんっ
それじゃ、遠慮なくっっ
上げてた両手を下ろして、笹部君の乱れてしもてた髪を頭に沿って撫で付ける。
今までも、プールで溺れそうになってしがみついたり、髪引っ張ったり・・・結構酷いことしてんねんなぁ、俺。
赦してもらえてたけど、苦笑いしてしまうわ。
でも、今は違うしな。
好きなもん同士。
それって、恋人やん?
恋人として、触らせてもらえてるんやもんなって、感慨深いわぁ。

αの頭はめっちゃ大事でプライドとおんなじ扱いやねんて。
嫌な人は勿論やし、家族でも触られんの嫌がるαもおるんやて。
わぁ、そこを触ってんのに、笹部君が目ぇ細めて喜んでくれてんのが伝わってくる。

苦笑いから微笑みにすぐに変わってまうわ。
微笑みどころか、俺、めっちゃニヤケてるっ
引き締めへんと変なやつって思われてしまうやろしあかんのに、こんなに無防備で可愛い笹部君見てしもたら、ムリッ

へへへ、ほんまに俺、笹部君と恋人になったんやなぁ。
膝枕でギュッて腰を抱かれて、頭撫でさせてもろてて。
俺、恋愛小説の主人公みたいやわ。
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